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「考える授業」シリーズ(4)実際の授業はどう展開するのか(その3)!

こんにちは。カナダのバンクーバーで数学教師をしている梅木卓也です。

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   さて3回にわたって実際の授業はどう展開するのかについてお話してきました。

今日は授業の最後をどうまとめるのかについてお話します。まとめるといっても、こんな事今日は学びましたちゃんちゃんでは先生がよく分かったと満足するだけで生徒は全体像見えてないこと多いです。

授業の最後

とくに「考える授業」において、質問が絶妙に作ってあればあるほど、またグループ内のコラボレーション能力が高まれば高まるほど、スムーズに解けてしまいます。なのでスムーズに簡単な問題から難しい問題まで解けた=一つ一つの問題がわかったと思いがちです。

ですが、全体観に立ってみるときそれぞれの問題がどうつながってるかまで考えられて初めて深い理解は成り立ちます。

ここでのまとめ方は先生が全体的な話をしたり、例題を使ってホワイトボードでこんなことを学んだと話したりと様々ありますが、考えるという行為を最大化させるためには次のやり方が現時点ではベストであることが研究でわかっています。

それは生徒の実際に解いた問題と解答を使って、美術鑑賞をするようにギャラリーウォークをすることです。その日に解いた一番簡単な質問から難しめの問題まで、あらかじめ生徒の解いた内容の中からまとめに使いたいものを厳選します。

厳選の仕方はさまざまですが、説明や表現の多様性などから選んで先生独自の色のマーカーで丸く囲み(僕はちなみに紫のマーカーです。)、消さないように指示します。丸く囲んだ生徒の解答すべてを使う必要はありません。あくまで生徒がグループ内で問題を解いている間に、これはあとで使えるかもと思ったものを残しておくのです。

授業の最後に生徒を一番最初の解答の近くに集めギャラリーウォーク開始です。ここで大事なのは、先生が説明するでもなく、解答を作ったグループが説明するでもないということです。

えっ???

そうです。先生が説明しても、解答を作ったグループが説明しても、それ以外の生徒は聞いているだけで考えてないのです。ではどうするか?それはあえて解答を作ったグループ以外の生徒たちに、このホワイトボードには何が書かれてあるのかと聞くのです。

あえてほかのグループから解答の意図を尋ねることで、まとめ全体がより考える行為に移行するのです。

まとめにかける時間

このようにする中で、生徒はそれぞれの問題で自分たちとは違った解き方などをみることでより広い理解を獲得します。

一つ一つの解答をみていく中でもう一点気を付けたいのは、簡単な問題ほど時間をかけて、最後のほうに解いた難しめの問題にはあまり時間をかけないことです。

これは最初のほうの問題ほど、大多数の生徒が理解し、後になればなるほど全員が理解している率が下がっていくからです。理解できてないレベルの問題をいくら丁寧に聞いたところで、大多数の生徒にとって時間の無駄です。

なので手短に分かる生徒に向けて説明することで授業を終えます。

まとめ

ここまで読んで、えっノートは板書移す作業はないのかなあと思われてる方もいるかもしれません。次回はノートをとる作業は考える授業でどういった意味をなすのかやどうすれば考えるノートの取り方になるのかについて話します。

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