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カナダで教師をするメリットとデメリットとはなにか?

こんにちは。カナダのバンクーバーで数学教師をしている梅木卓也です。最近フォロワーさんから日本人の教師がカナダで教師をするメリットとデメリットについて教えてくださいという質問が来たので、noteでまとめてみたいと思います。こちらで書く内容はバンクーバー市のあるBC州の内容です。

フォローやコメントよろしくお願いします。

カナダで教師をするメリット

箇条書きでどんどん挙げていきます。

・仕事は基本8:00から4:00時まで(もっと言うと仕事場に絶対いないといけないのは8:40-3:00まで。)

・年収最低でも600万円スタート(学区や州によって大きく違います。)

・10年後には年収1000万円前後(年収は毎年一律で平等に上がる。管理職に給料決定権はない。)

・組合が強い(管理職や親との話し合いの場には必ず組合が立ち会う。管理職の権限は日本と比べると極めて低い)

・自分の教室が与えられる。生徒が教室に来る。職員室はない。(大人と絡まなくていい。)

・実質労働1年9か月(冬休み、春休み2週間ずつ、夏休み2か月出勤義務ゼロ。もちろんクラスの準備などのために出勤してもいい。誰も行かないけど。)

・教える、成績をつける、それ以外の雑務はほぼない。

・家庭訪問も、授業参観も存在しない。

・手厚い健康保険(歯医者、マッサージ、薬代など基本一定の額まで2割負担。以降はゼロ負担。タダ。)

・手厚い厚生年金(年収最高額の6割くらい退職後ももらえ続ける。)

・副業自由(自分の受け持ってる生徒を家庭教師として持ってはいけない。それ以外は何をしようが自由。)

・部活動完全自主制(誰にも強制されないし、やりたい人がボランティアでやります。)

・校則なし(法律あるんだから、校則いりません。)

・育児休暇最大1年(雇用保険から普段の給料の55%毎月おります。)

・病気休暇1年で15日もらえる。いついかなる理由で使ってもいい(10日連続で休まない限り理由は聞かれない。使い切らなければ次の年に持ち越し)

・サマースクール教えると5週間で100万円(夏の間の5週間、補修や予習コース教えることができる。)

カナダで教師をするデメリット

デメリットというか日本の先生がこちらで教える際に苦労するであろう点について挙げました。

・生徒と先生のパワーバランスの違い(日本よりもっとフラット。むしろ厚かましい生徒も。)

・感情論は通用しない(論理だててすぐ説明できないと言い負かされる。)

・日本の常識は通用しない(髪の色も、格好も、言語も、ジェンダー観も、親の教育観も全部違う。)

・障害の認定を受けた生徒には個別教育計画があり、それにのっとって教えなければならない。

・障害の認められていない生徒にも、一定の柔軟なサポートが求められる。(テストの時間延長、テストを受ける場所、手書きではなくパソコンで入力など)

・各学期ごとの親と教師の懇談会がある(コロナ禍ではオンラインで各希望家庭5分ずつの懇談。コロナ以前は体育館で懇談。)

・校則はない(遅刻すれば、遅刻をオンライン出欠表に報告するだけ。生徒に通用するのは論理的説得力だけ。)

・教え方から、クラス管理、すべてにおいて自分次第。誰も介入してこない。指示待ちではダメ。

・小学校高学年以降から基本生徒には触れない(ハイタッチくらい。セクハラ案件はすぐ管理職に呼び出される。)

・大声を上げない(特に先生、生徒間でのパワハラ案件もすぐ管理職に呼び出される。)

・厚生年金は年収の11%(結構がっぽりもっていかれます。)

・手取りは年収の65%から70%(カナダいろいろもっていかれます。)

まとめ

言語と文化の壁を乗り越えられれば、住みやすく働きやすいライフワークバランスのとれた生活が送れます。日本で育った感覚をカナダの感覚に調整するのはかなり難しい部分もありますが、やってみる価値はあると思います。

この記事を読んで、一人でも多くの日本人教員または教員志望の方がカナダで先生になる際に現実的に何を考えなければならないのか、その参考になればうれしく思います。






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