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カナダで教育関係の仕事に就く(インタビューその2)

『カナダで本気で先生になりたい人たちの相談サロン』を運営している梅木です。今日はカナダの高校で日本語教師をされているMari先生にお話を伺いました。カナダに来るまでのこと。それからのこと。そしてこれからのことを包み隠さず話していただけました。

日本ではどんな仕事をされていたんですか?

Mariさんが大学を出たころはかなりの就職氷河期だったそうです。英会話スクールでの営業や様々な派遣の仕事をこなしながら英語の勉強を続けていたそうです。

2000年にカナダに留学。そこでTESOLという英語を第二言語話者に教える資格を取られます。ちなみにこの時に今の旦那さんと出会われます。

その後日本に帰国されて、縁あって女子高で英語の先生を2年ほどされたそうです。2004年にワーキングホリデイの制度を使って再度カナダに渡ります。

カナダでの仕事はどうですか?

カナダでは最初のころはバンクーバーのダウンタウンにある留学センターで働きながらホームステイや学校のあっせんなど様々な仕事を留学カウンセラーとしてこなされていたそうです。他にも副業として移民の方に英語を教える仕事もされていたそうです。

結婚そして出産を経て、2010年度からバンクーバー日本語学校にて働きます。その前後にもこちらの現地校で教えたいという思いがあり、TRB(BC州の教員免許機関)に何度か連絡を取りました。

もともと英語専科のMari先生でしたが、こちらの生徒に英語を教えることはちょっと違うなあと思う中、日本語を教える資格をとることができないかとTRBと交渉をします。

日本で大学を出ていたこともあり、こちらの大学で日本語のコースを取ることは求められませんでしたが、まず免許切り替えの1つの条件として教育実習がありました。そして高校で日本語コースだけで教育実習を受けるとなると1つ問題がありました。

それは高校で日本語のコースだけをフルタイムで教えている先生を見つけ出せるかということ。そうでないと教育実習が成り立たないからです。

免許切り替えプログラムを担当していたUBC(ブリティッシュコロンビア大学)側はそういう先生はいないということでしたが、Mari先生には日本語学校つながりのたくさんの知り合いがいました。

当時BC州ではフルタイムで日本語を教えていた高校教師が2人おられたそうです。そのうちの1人の方に教育実習の担当になっていただいて見事日本語教師としての資格を取られました。

免許切り替えプログラムではどのようなコースをとられたんですか?

当時は免許切り替えプログラム(Teacher updating program)があったので30単位と教育実習をすることで免許切り替えができました。子育てしながらだったのでTRBが提示したコースではなく、オンラインのコースで代替できないかを交渉。3つのコースを代替することができました。

子育てしながら、日中学校にも行きながら当時はかなり寝る間も惜しんで勉強されたそうです。

カナダの教育について思うことはありますか?

こちらでは日本語は選択科目の1つ。漫画やアニメ文化も相まって、日本文化に対する興味から日本語をとる生徒もいれば、パスさえすればいいと思いながらとるやる気のない生徒も。大学に入学するための条件の一つとして取っている生徒もいるそうです。逆にグレイド9(中二相当)までホームスクールをしていた生徒の方が学びにより貪欲だったりするとか。

さまざまな生徒との関わりの中で『学びとは』としばしば考えるそうです。Mari先生にとっては生徒一人一人が本当に学びたいことを学ぶのが学校のあるべき姿じゃないかと。理想を言うとすべての教科が選択で、生徒が自分の興味に則って自由に学びを深めるべきではないかと考えられています。

今後の活動について教えてください

現在では日本の学校ともつながりながら、日本の生徒とカナダの生徒を繋げる活動をされているそう。お互いに自己紹介ビデオを送ったり、オンライン上で話し合ったりする中で、『生きた英語、生きた日本語』を学ぶ機会をどんどん作っておられます。

これからはこの活動のすそ野を広げ、生徒だけではなく大人の間でもコミュニケーションを通した文化交流を企画中だそうです。

まとめ

Mari先生の軌跡を追うと教育という仕事を様々な角度から経験されているなあと思いました。日本で教えて、カナダでも留学のサポートから、移民の方の英語のサポート、日本語学校での経験も生かされ、今は現地の高校で日本語教師をされています。

どんな縁がどうつながり自分のより理想とする仕事につながるかは時には予測不可能ですが、縁が縁を呼び、キャリアチェンジが受け入れられているカナダの土地で、臨機応変にチャンスをつかまれた姿は読者の方にとっても心強いと思います。

最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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