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海外で教育関係の仕事に就く(インタビューその1)

『カナダで本気で先生になりたい人たちの相談サロン』を運営している梅木です。今日は日本時間の11月20日午後1時から『海外の先生から聞く働き方の違いウェビナー(仮)』でご一緒するデンマークの特別支援教員の海老原さんからお話を聞きました。今日はそこで出たお話をかいつまんでお届けしたいと思います。

どのような経験を積まれていまデンマークで特別支援教員をされているんですか?

大学生時代のサークルでの経験を通して、特別支援学級の生徒と関わる機会があり、そこから少しずつ障害のある子供たちと働くことに興味を抱いた海老原さん。

大学を卒業された後は養護学校の中学部で英語を教えていたそうです。教員を5年で退職した後デンマーク留学。結婚を機に移住し、現地での生活をスタート。当時はデンマーク語を学ぶ傍ら、現地の学童で働かれていたとのこと。

日本での教員経験もある中で、こちらでも教員を目指すべきだとの声を同僚や上司の方からいただき、教員養成学校に入ります。本来3年半ほどかけて先生になることができるプログラムでしたが、日本の大学で英文学科を卒業していたこともあり、免除になるコースが多々あり、わずか2年ほどで卒業。晴れて現地の特別支援学校での仕事を勝ち取られます。今では現地校で算数と美術を教えられてます。

現地での仕事はどのようなものですか?

特別支援学校では、0年生から10年生までの知的発達障害、重度心身重複障害、自閉症の子どもたちが学んでいます。現在は、知的発達障害のある子どもたち9人のクラスを担任。今年はこの9人の生徒を4人の先生で担当されているみたいです。学童としての機能もあるので別に5人のサポートスタッフの方も常時おられるそうです。

学年ごとの必須授業数は決まっていますが、教科や時間割は生徒の実態に合わせて、先生が組み立てます。なので調子のいい日に多めに算数に時間を取って、金曜日は少しゆったりするなんてことも生徒の状況に合わせてできるみたいです。

デンマークでは軽度の知的障害をもった生徒は特別支援学級。中度以上は特別支援学校に行くことになるそうです。その中でインクルーシブ教育を目指す動きとしてある市では特別支援学級をなくして普通クラスで対応する動きがあり、先生方も様々な研修などを受けられたそうです。

しかし基本28人学級の中で、学びの多様性に対応したり、一人一人への細かいケアをするという点でうまくいかなかったようで5年ほど挑戦はしましたが今では特別支援学級が復活したそうです。

今後の活動について教えてください

今後はデンマークで教える傍ら、日本での活動を広げていかれるようです。オンライン上での講演活動や、先生の働き方改革に向けてのコンサル事業、デンマークで学んだことを生かして、デンマーク流子供の絵の分析師として活動されるようです。さらなる活躍を期待しています。

感想と簡単なまとめ

やはり先生になる前に学童をやっておられたことに自分との親近感をもてたし、現地の教育機関に慣れる期間は誰しも必要です。なので、これから海外で教職をやろうと思われている方には、ぜひ何らかの形で現地の教育現場になれる経験をおすすめします。

それは僕や海老原さんのように学童をしてみてもいいし、現地校でボランティアを申し込んでもいいと思います。とにかく現地の生徒と触れて、現地の先生や教職関係者を目の当たりにすることはとても大事です。

デンマークでは障害をもった生徒一人一人に対するケアがかなり行き届いているんだろうなという印象を持ちました。それもあってかそのようなレベルのケアをクラス単位で実現するインクルーシブ教育の理想は今回は実現に結ばなかったのかなあと思います。カナダでは小学校レベルでは平均してインクルーシブ教育が実現してはいますが、結局のところ付き添いの教育アシスタント次第というところを何度も見てきているので、形だけのインクルーシブ教育にならないように努力と’改善を続けていかなくてはならないなあと思いました。

日本での活動は僕も広げていきたいところ。より多くの方に、海外で先生をしているからこそ見えてくる日本のいいところ、そして改善点を伝えていければと思います。海老原さんの活動を通してより多くの方が感化されていくことを楽しみにしています。

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