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物語る映画ポスター

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これは!と思った映画ポスターを集めました。 たった1枚で表される物語の想起性を重視しております。 海外のクリエイター様に感謝。
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#日記

スコセッシ新作に臨んで、過去の名作をポスターで振り返ると見えてきた凄さ(1976年〜)

たった一枚の画像から 映画の見所や印象を想起させる。 映画ポスターが好きです。 マーティン・スコセッシ監督の新作 『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』が 公開されています。 至極当然、論を俟たず、当たり前に 観に行くのは言わずもがなで大前提なんですが、 監督が作り上げた数々の名作を いま一度振り返って その達人級の手腕に思い巡らし 改めて最新作に臨むというのも 悪くないんじゃないでしょうか? 個人的に大好きな映画監督の一人です。 どうぞご一緒に、 映画ポスターの

【物語る映画ポスター】羅生門

映画ポスターが好きすぎて それのみで作品を紹介する試みです。 今回の映画は 黒澤明監督の「羅生門」 1951年のヴェネツィア国際映画祭で 金獅子賞を、 第24回アカデミー賞で名誉賞 (現在の国際長編映画賞)を受賞した本作。 これをきっかけに 日本映画の存在を世界へ知らしめました。 ↑は公開当時のポスター。 迫力のある表情が並ぶ。 三船敏郎のかっこよさが光る。 演技の幅広さと、大胆な身体の動きが 印象的。以下、海外製のポスターにも よく現れていて面白いです。 ↑ア

【物語る映画ポスター】七人の侍

映画ポスターが好きすぎて それのみで作品を紹介してみるという 特集記事です。 今回取り上げるのは 世界的にも大傑作と名高い こちらの作品。 2018年にBBCが発表した 「史上最高の外国語映画ベスト100」では 1位に選ばれています。 その他、各国の歴代映画のランキングでも とてもよく上位で見かけます。 多くの国で素晴らしいポスターが 描かれています。 洋題は「SEVEN SAMURAI」 ・・・そのまんまです。 公開は1954年。 年季を感じるポスターです。 モ

【物語る映画ポスター】ジョジョ・ラビット

映画ポスターが好きすぎて それのみで作品を紹介してみる という試みです。 2019年に公開された 笑って泣ける戦争コメディドラマ(?)。 個人的に大好きな映画です。 第二次世界大戦。 主人公は、優しすぎるドイツ人の少年。 ウサギも殺せないと虐められ、 「ジョジョ・ラビット」と あだ名を付けられる。 彼の唯一の親友は 頭の中に住んでいる空想のヒトラー。 そのブラック過ぎるユーモアが 作品にエッジを効かせ、 おかしな笑いを生れさせる。 だいたいふざけた顔でやってきま

【物語る映画ポスター】ベイビー・ドライバー

映画ポスターが好きです。 映画の非公式ポスターのみで 作品を紹介するコーナーです。 天才的なドライビングセンスをもつ主人公。 ある借りを返すために 強盗の逃がし屋として使われる。 超おもしろい映画です。 主人公のベイビーは いつもなんだか孤独。 いつも耳に挿しているイヤフォンには わけがありました。 子供の頃の事故の後遺症によって ひどい耳鳴りを患っているのです。 以来ずっと、音楽でノイズをかき消している。 ベイビーが聞いている音楽を 同時に聞きながら物語が進む。

【物語る映画ポスター16】インセプション

他人の夢の中へ入ってアイデアを盗む。 本作は現実と夢の世界を行き来するSF映画です。 夢の中の夢、さらに奥まで進む。 ↑のポスターのように、 やや複雑な人物配置もありますが あらゆる仕掛けのおかげで わかりやすく楽しめます。 他人の夢の中はまさに迷路。 本作では「迷路」そのものが 重要な役割を持ちます。 ポスターにも「迷路」が描かれているものが 非常に多いです。 夢と現実という異次元をまたがっての 立場の違いをうまく表しています。 やはり迷路もある。 主人公が肌身離さず

【物語る映画ポスター15】007 スカイフォール

007シリーズは 素敵なデザインで仕上げられたポスターが 数多ありますが 今回はこちらの「スカイフォール」に絞って ご紹介いたします。 シリーズの中で一番好きな作品です。 冒頭の逃走劇シーンの最後、 ほんの少しのズレが、ジェームズ・ボンドを 落とすことになる。 007シリーズお決まりの、 オシャレなオープニングに入ります。 逃走劇→落下→音楽 までの流れが最高に鮮やかでしたね。 本作は、ジェームズ・ボンド自身の アイデンティティに触れて 深いテーマにまで入っていきます