【解説】農業に関する専門用語まとめ
拓真(@takumagr)です。
今回は、一見難しそうな農業用語について。
八百屋さんとか地域のおじいちゃんと話すときに、「オッ、こいつ分かってるやん」となりそうな用語についてゆるくまとめますね。
1.有機農業の対義語?「慣行農業」
有機農業って、オーガニックのこと?と思う方は多いですが、「慣行」という言葉を聞いたことがある人は少ないと思います。
「慣行農法」=ずっと続けてきた農法という意味。化学肥料、農薬、除草剤を使った従来の農法のこと。
別に対義語ではなく、有機栽培も無機肥料ではなく有機肥料を使うかどうかという話なだけです。しかし、ただそれだけではオーガニックと名乗ってはダメで、認定資材の使用や制限、認定審査を経なければいけないのです。ムズカシイ。
農家さんの中では有機か慣行かと区別されますが、あまり面と向かって「あなた慣行ですか!?」とは言いません。偏った知識のままに批判っぽく言ってしまうと、“有機栽培=正義 / 慣行=悪”みたいな構図になりやすく、「オーガニック信者め..」と舌打ちされるのが目に見えてます。けっこう繊細なところです。
2.面積単位「一畝/反/町」
これは一回まとめました、こちらの図になります。(参照:農家さんについて徹底的に語ってみた。)
昔、一石(武士一人が1年間で食べる米の量)=360歩(これも単位,一歩=1.8mくらい)とされていて、太閤検地の後に単位を統一することに。
そこで一石=一反=300歩となったそうな。
ちなみに1,000㎡=300坪。1町というと、かなりの面積になります。
おじいちゃんが「おらぁ4町歩もやってんだぞへへ」と自慢気に語る理由はこういうことです。
3.「自分の畑」のこと「圃場/園地」
圃場=その農家さんの管理する農地のこと。
ときには、「農園の土地」を略して園地とも言います。
こんなのはプチ知識です。先日お話しした若手農家さんでも「???」となっていたので、ふんふんというくらいでいいです。
使えても、おじいちゃんに合わせて使う感じでいいでしょう。
4.「二期作/二毛作」
この単語を使うときはあまりありませんが、お米をつくる稲作農家さんとお話するときに役立ちます。
二期作...同じ耕地に、同じ作物を年に2回栽培すること
二毛作...同じ耕地に1年間、2種類の異なった作物を栽培して収穫すること
二期作というと、かつては高知県や鹿児島県など、稲が好む温暖な地域で行われていましたが、米の供給過多(生産調整というお触れも..)や消費者の食味に関する意識の高まりなどから、今ではほとんど行われていません。
一方で、二毛作=裏作ともいえます。お米の収穫後は普通に畑をしたり、レンゲソウなど緑肥効果のあるマメ科を育てて田んぼに鋤きこんで土に栄養を与えることも。
5.旬にも3種類「走り/盛り/名残り」
これはけっこう大事。今は一年中食べられる野菜が多くなってきましたが、それでも旬のものは絶品です。例えにあげると、夏に美味しいオクラにも旬がこのように分かれているのです。
「走り」...旬のはじまり。瑞々しさや青くさい味わいで、未熟で安定していないが、値段は初物の希少価値から高めになることが多い。
「盛り」...旬真っ最中。収穫量も安定して値段の変動も少なく、安くなる。栄養価も旬の中では一番高い。
「名残り」...旬終わりかけ。水分が減って美味しくなくなるものもあるが、中には円熟したコクや深みを味わえるものも。
「走り」とは、その季節にはじめて収穫され市場に出回りはじめたもののこと。和食文化のある日本には初物は縁起がいいという考え方や、新しいものを先取りすることを粋とする風習があり、それは「初カツオ」や「鮎漁解禁日」「新茶」などの「はしりもの」に象徴されています。
「盛り」は、季節の食べ物の一番美味しい盛りの時期のこと。獲れ過ぎてしまうために価格が低くなり、出荷する量を調整する(豊作貧乏)ことも。
「名残り」は、旬が終わりかけているもののこと。「来年もまた美味しく食べられますように」という願いを込めて名残り惜しみながら食べるという、日本人の食べ物への感謝の心をあらわしています。なんて素敵な文化や。。
6.「早生/晩生」
「わせ」と「おくて」と読みます。
こんなん読めへんやん普通って人も多いのも頷けます。なんせ、よく見かけるのは、タネのパッケージやみかんの特売場くらいですから。。。
実は作物にはそれぞれの品種ごとに、旬があるのです。
みかんを例にとって説明すると、こんな風に。
なんかちょっと聞いたことあるでしょ。
これは品種が違うもので、パパッと育つものが極早生だったり、じっくり時間をかけて育つものが晩生だったり、という違いです。
極早生は、ちょっと青っぽい感じ。まだ甘みが乗らず、僕たちにとってサッパリと感じられる品種。極早生の走り~盛り~名残りと始まると、早生の走り、中手の走り~..と時期が移ろっていき、濃厚な甘みが特徴の晩生に入ります。
ただ、これはぶっちゃけ好みによるもの。
極早生の名残りが好きな人もいれば、晩生の走りが好きな人もいます。
お近くの柑橘農家さんに聞いて、試してみてください~~。
おわりに
6つ程まとめてみましたが、いかがだったでしょうか。
これで農家さんにドヤ顔で話しかけることができます。
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