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#HALFTIMEアカデミー テクノロジーとスポーツについて

皆さまこんにちは。琢磨です。
タイトル講義に参加し、その備忘録と考えをまとめます。

今回は入場料収入が厳しい中、収益源として拡張が期待できる放映権についてのお話です。

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講演者は、KisweのWimさん。モバイルコミュニケーションでキャリアを積まれた方です。ライブイベントをモバイルを通してインタラクティブに楽しんでもらいたい!という想いからKisweを起業されました。
※NY時間朝7時と朝早くからありがとうございましたmm

KisweのURLを張っておきます。
(※が良くわからない可能性もあるので一緒に見ていきましょう…!)


Kisweとは?

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テレビではユーザーに対して一方通行に情報を届けてきたが、Kisweではモバイルを通してインタラクティブにパーソナライズ化された映像を配信することができる。クラウド上で配信映像/グラフィック/解説者/デザインを編集し、ユーザーに届けることができるのがKiswe。配信チャネルはfacebook、twittre、youtube、自社アプリ等に設定可能。
映像制作スタジオをクラウド上で完結させるため、スタッフはリモートで作業に取り組むことができる。つまり今のコロナ禍にあった働き方が実現できる。プロデューサー/オーディオ/ナレーション/タレントも在宅で制作でき、テレビレベルの画質で提供することができる。
テレビ放送ではスタジオに高額機器、多くのスタッフをアサイン、現場で収録と多くのリソースがかかっていたが、その全てをクラウド上で担うことで今までよりリーズナブルな配信の実現できる。

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「放送スタジオの役割をリモートで担えるよ!」の絵です。
Kisweでできること。例えば東京オリンピックの映像配信について、コロナにより各国のスタッフを日本に送ることができなくても、Kisweのクラウドを通して自国民へパーソナライズ化(母国語を話せる解説者、多視点映像の表示等)された映像をモバイル配信することができるようになります。
(※五輪の放映権周りは一旦置いておき)

オリンピックの競技配信で、キー局の解説者ではなく、その種目の現役選手が解説者をしてyoutubeで配信すればマネタイズも期待できます。
また同じ画面内に複数の試合を並べることも可能なため、例えば、ToToで賭けている複数試合を流しながら楽しむことができると、スポーツベッティングの楽しみ方が広がるのではと想像しておりました。


で、実際に何ができるの?

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KPOPのBTSライブ配信を担った際に、複数台のカメラアングルをユーザーが指定して視聴できるようにし、これが非常にウケた。つまり自分の推しをズームして常に見ることができる。またBTAがパフォーマンスをする目の前にファンウォールを設置し、ファンの反応を見ながら講演を行い、ファンとのエンゲージメントを計った。
スポーツ無観客試合の際に、ファンウォールを制作し、映像に映し出されたファンのリアクションを選手やクラブスタッフに届けることができる。届け方は表情だけでなく、チャットメッセージも可能。

ファンウォール、イメージとしては以下のインタラクティブ版。

ファンウォール(上図のデジタル観客)、実際にスタジアムやアリーナに運んで日本でも実現したいですが、制作費の原資をクラブ側が担うのは難儀なのでリーグ主導で実証実験的に取り組む動きが出てきたら面白いなと思います。恐らく2月の開幕以降も入場制限は続くわけで、会場に行きたくても行けない人がモバイルバーチャル空間で観戦することができ、そこでゲート収入を設ければ新たな入場料にもなるわけで。大変なのは理解ですが実現させたいものです…!

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バスケット、アメリカ対フランスの配信映像。
真ん中に観戦しているファンのエリア規模を可視化、右側にチャットでコミュニケーション、下部サムネが並んでいる部分は短尺動画を投稿でき、数秒で人がランダムに切り替わるシステム。一人でDAZN見るより楽しそうですよね。この空間自体がコミュニティ化していきそうな。

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放送サイドで制限されていたカメラスイッチングもKisweを介した配信であれば、スイッチングを自由に操ることも可能なため、観戦体験のさらなる広がりが期待できます。


バーチャルサイクリングレース

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ベルギーのサイクリング大会が中止となってしまい、Kisweのアセットを活かしてバーチャル空間でのサイクリングレースを主催。選手の走行データをクラウドにアップしバーチャル空間内に反映。普段リーチが難しい、若年層の視聴拡大につながった。

バーチャルサイクリング内にスポンサーが露出されていますが、今回は準備期間が14日間しかなかったことから、オフライン大会でスポンサー予定だった企業を投影。仮にバーチャル空間とオフラインの同時開催や両立が実現すれば、バーチャル空間内でのスポーツ大会にスポンサーする企業も出てくるでしょう。そしてKisweを使えばパーソナライズ可能なため、国によってスポンサーを変えることもできる。世界が広がり過ぎました…


リアルタイムに反響を分析

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BTSライブの際、チャットコメントのポジネガ分析をリアルタイムで表示。どの箇所をファンが好きかを数値化した。感情がどのくらいポジティブかを分析することで、どの曲が人気だったかも可視化できる。これはコマーシャル(広告)を放映した時にポジネガを計測することも可能であることを示している。

BTSライブに関しては200ヵ国から参加があったようで、今後もアリーナに足を運ぶことが難しいファンは、バーチャル空間を生業にライブエンターテイメントを楽しむのでは、と。リアルとバーチャルでハイブリットに楽しみ、収益もリアルのみならずバーチャルでも稼げれば収益増も見込める。まさに音楽業界に待ってました!なソリューションだと言えそうで、世界的に人気のあるアーティストであればなおさら恩恵を受けることができそう。

スポンサー掲載の効果をリアルタイムで可視化できる視点も面白い。スポンサーへフィードバックにお困りのクラブも、目に見える数字が提供できると心強いです。

BTSとKisweの取組みは以下もチェックしてみてください。

また配信を通して取得したデータはクラブやリーグへ還元し、マーケ戦略に活かせると。facebook等のソーシャルプラットフォーマーはデータ開示をしてくれないことが通常なので、分析データを共有いただける点もKisweは素晴らしいなと思いました。
nowでアジア戦略に取り組んでいるJリーグ。例えばチャナティップ選手所属のコンサドーレ札幌と組んで、タイを中心としたアジア方面への配信環境を確立できれば、視聴者データを活かして今までと異なったアクティベーション策を打つことができるかもしれない。そんな可能性を感じました。モバイルを中心としたアジアマーケットへの配信は、Jリーグを発展させて行く上で大きなポイントになると想像します。


最後に

twitterを観ながらDAZNで観戦していても何か物足りない。そういった方々がコロナ禍で多かったのではと想像します。Kisweを通じた配信により、演者や選手とインタラクティブに。またみんなと共感を得ながら観戦できる視聴空間は、新たな観戦体験の世界観として大きく期待できると考えます。

また入場料収入も完全に戻ってくることが期待できない中で、バーチャル空間での入場料、スポンサー掲載、アバターをカスタマイズできるグッズ提供(マーチャンダイジング)を実現できれば、コロナ禍において収益増の希望が見えるのではと思いました。

一方でこのような最先端のテクノロジーを実際に導入することが難しいクラブが大半ではと想像します。リソース不足、ハンドリングできるか不安、クラブ最優先課題にマッチしてない、など…
最先端のテクノロジーを使うことが、真にクラブやリーグの課題を解決するものになっているか。テクノロジーを駆使することはあくまでhowの部分なので、根本課題を見誤ると提案サイドとクラブサイドの溝は平行線のままだろうなとも感じます。

つまりここにスポーツビジネス人材ニーズが詰まっているとも!
英語ができる、仮説とヒアリングを通して真の課題を見出すことができる、未開のプロジェクトをマネージメントできる、ロジックと勝ち筋を描いて企画を通す。(結構レベル高いですね…大変だ)

まだまだ手探りな環境下ではありますが、知らないと実現することは不可能なので、インプットを増やすことは続けつつ、世に生み出していくことにもコミットしていきたいと思います。

次回は翌週「スポーツマーケティング(ファンエンゲージメント) 」。

第一回「チケットセールスについて」の備忘録と考えは以下をご参照ください。


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