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#HALFTIMEアカデミー スポーツマーケティング バーチャルスポーツ観戦の可能性について

皆さまこんにちは。琢磨です。
タイトル講義に参加し、その備忘録と考えをまとめます。

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今回も、Kisweについての講義です。
中でもバーチャル空間上でのファンエンゲージメントに関する内容がメインとなりますので、その具体的な手法について紹介していきたいと思います。

講演者は、KisweCEOのMikeさん。
NY時間朝7時、毎度のことながら朝早くからありがとうございましたmm

若年層にファンになってもらうには?

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若年層にリーチし、ファンになってもらうためには、帰属意識(=自分の居場所)を持てるようなコミュニティが必要。このようなプラットフォームは世界中を見渡しても存在しない。スポーツ界が直面している一番の問題は、観客来場が制限される中、ファンと会場をどう結び付けるか。そこにKisweは挑戦している。

TVやDAZNで試合を楽しむことはできますが、周りのファンとの一体感を得られなかったり、応援の声を会場に届けることはできません。
Kisweは受け身の放送配信ではなく、インタラクティブな放送体験を目指しております。帰属意識(=自分の居場所)が芽生える環境を提供することで、若年層ファンを集めることができる、と解釈しました。

Jリーグファンは40代以上の男性が多く、若年層を増やしていくことが課題です。帰属意識が芽生えるコミュニティをクラブ側がいかに提供できるか。横浜FCの20代限定ファンコミュニティのチャレンジはこういった時代背景へのトライと感じます。

インタラクティブな放送体験という観点では、ヤマハの「リモート応援システム」やマリノス「デュアルスタジアム by LINE LIVE」などの事例において、同じ方向性を目指していると感じます。

在宅にいながらも誰かと応援したい!共感したい!熱狂したい!」という想いは、若者だけでなくスポーツファン共通のインサイトではないでしょうか。


オンラインでの入場料収入

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BTSとのパートナーシップはコロナ前から取り組んでいた。
世界中にファンがいるが、全ての都市でのLIVE開催は難しい。そのためKisweでのライブ配信を通して「世界中にコンテンツを届けたい!」というBTSの想いを具現化した。

Pay per Viewは日本開催で実施した。視聴アングルはマルチカメラでファンが指定のカメラを選ぶことができる。(引きのカメラ、最前列、パフォーマーフォーカス、顔面のみ等)
ライトスティックボタンをつけ、応援の声をボタンを押すことで伝え、自分の存在をアピールすることができる。多いファンだと1,000回以上ボタンを押す人もいた。

Pay per Viewチケットは、初回は固定金額での導入でしたが、2回目以降は複数の価格帯のチケットを用意。VIP、4Kモデルなど、視聴体験に応じて価格帯を分けて入場料収入を創出いたしました。(価格帯は40$~90$)

ファンが好む視聴映像に応じて価格を分ける戦略は面白い。例えばJリーグで特定の選手を追尾した配信映像が、販売することも実現できます。バスケではゴール下からの映像、野球であればバッター視点からの映像とその幅は広がります。
エンタメだと、アイドルのLIVEで推しメンだけを追尾できたら、プレミアチケットになる可能性もあります。


インタラクティブな視聴体験

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応援ボタンを押した時に、ライトが世界地図にマッピングされる。これにより世界各地でコンテンツを共有していることを示すことができる。

カメラに映りたがるファンも一定層いる。そのため映りたがるファンには短尺動画を投稿してもらう形にした。(問題性のある動画投稿は運営サイドで削除を実施)

こういったファン投稿はスタジアム内LEDバナーへの掲載や放送網にも反映させることができる。またハイライト映像の編集時に反応したファンを組み合わせることで、よりリッチなハイライト映像が提供できる。

スタジアムにファンの映像を投影することで無観客会場にファンを呼び込みます。(※画像右上)
グランパスがスタジアムのバナースペースにファンの表情を映す施策をやってましたので、そのようなイメージです。

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またファン映像をA対Bチームで分けて掲載し、エンゲージメントの量を競うことができるように。遠隔でも熱量を可視化できれば、会場にいなくても十分に一体感を楽しめそうです。


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ファンウォール(左図)に世界中での盛り上がりを可視化。
世界中のライト(=ファンの反応)を表現することで、自国のライトが小さくても世界規模で一緒に楽しんでいる=帰属意識が芽生え、若年層の熱狂する場の創造!です。


スポーツライブコマースの可能性

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LIVE配信と同時にオンライングッズ販売することもできる。
AJRのコンサートでチケット購入者の約4割もの人がグッズを購入。
デジタルステッカー/スタンプ等のデジタルグッズも展開し、リアルなグッズだけでなく収益増のアップも実現させた。

スポーツ界に適用すると、デジタルグッズは投げ銭に近い形だったり、オンライン上でのアバターが作れれば、アバター用のデジタルグッズを販売することができます。
また「~~選手、通算100ゴール」がリアルタイムで達成されたタイミングで、その選手のオリジナルユニフォームを即座に画面上で販売できれば、即日購買を促すことができます。
※MDを扱うベンダー次第ともおっしゃってましたが…

チャットに応じてグッズの表示を変えることもできるので、視聴者の好みにパーソナライズ化された販売手法が実現できます。

スポーツライブコマースはアウェイチームにとってはグッズ収益拡張のビッグチャンスとなりそうです。


スポンサーアクティベーション

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例えば家で観戦中に、デリバリークーポンを表示させることで、会場で生まれるはずだった消費行動を起こすことができます。(画像真ん中ゲータレード)
またハットトリック達成のタイミングで、スポンサーからお得な情報もらえたら、購買確率を高めることができます。ただの看板広告ではなく、試合コンテンツの一部と化したスポンサーアクティベーションの可能性が広がります。

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効果検証においても視聴者データを取得することができ、中でもテキストメッセージによる感情分析機能があるため、スポンサー掲載されたタイミングでの反響を、フィードバックすることができます。


最後に

Kisweはファンエンゲージメントに注力しつつも、将来的には一人ひとりに適したパーソナライズ化された視聴体験を目指しております。
様々な産業が日本でもパーソナライズ化に向かう中、スポーツ視聴においては一方的な情報配信の形がまだまだ主流です。(TVやDAZN)
※コロナ禍でZoomウェビナーを使った配信や、youtube、LINELIVEでの配信を通してインタラクティブな配信が増えてきているのは事実です。

一方でKisweのトライを見ていると、

・複数視点から自分好みの映像を選ぶことができ
・チャットに応じて最適なグッズが表示され
・無関係でない、マッチングされたスポンサーが表示される

といったパーソナライズ化された視聴体験がすぐそこに来ているのではと感じます。

また若年層から愛されるサービスになるためにも帰属意識が芽生えるコミュニティ空間のニーズを感じます。コンテンツを一人で消費するのではなく、共感を得ながらコミュニティ内で消費する。20代以下の方々はバーチャル空間上での居場所をデフォルトで求めいる、と捉えた上で、マーケティング戦略を考える必要があると思いました。
だからこそ、可能性のありそうな技術のインプットは常に続けねば置いてかれる。マーケターはくそ忙しい中情報も仕入れつつアウトプットも出していかねばならないので非常に大変ですね!
※これが好きじゃないとスポーツマーケターは無理とすら言えそうです。

今後、NBAワシントンウィザーズがKiswe配信を実施予定のため、お時間ある方は是非ご視聴ください。こういうのは実際に体験してみないとその可能性を肌で感じられないので私も体験しますmm 


次回は翌週「ビジャレアルのスポンサーシップ 」。
久保くんいなくなってしまいましたが、ヨーロッパチームのスポンサーシップに触れられる貴重な機会となりそうで、すでに楽しみです。


第一回、第二回の講義は以下のnoteでまとめておりますので、ご参考までにご覧になっていただけますと幸いですmm



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