「建築」=「設計」?

今回は、地方大学の建築学科を出た私が建築学科について感じたことについて紹介します。建築学科についての知識があまりない人にも分かりやすいように書きましたので、是非ご覧ください。


突然ですが、皆さんは「建築」という言葉を聞くと、何を想像しますか?

いろいろなイメージが湧くかと思いますが、建物の設計や図面を引く「建築士」を想像する方が多いのではないでしょうか。即ち、「建築」=「設計」に近いイメージを持っていると思います。私も大学に入るまではそうでした。


しかし、一口に「建築」といってもその中には様々な要素が詰まっています。例えば建築学科で学ぶ分野に分けるなら、次の6つに分けられます。

「意匠系」=建築物の設計、デザインや建築史など。「建築」と聞いて、まず浮かぶイメージはこの分野。

「構造系」=建築物の構造についての分野。昨今地震の多い日本では特に求められる。

「環境系」=部屋の中の音や光、熱などについての分野。目に見えないが快適な建築物を作るためには重要。

「材料系」=建築で扱う木や鉄骨コンクリートなどの材料そのものの性質などについての分野。地球環境問題への配慮も求められる。

「都市計画系」=建築物が集合した都市についての分野。土木学科に含まれる場合もある。

「防災系」=災害と建築の関係についての分野。建築物は災害時に身を守る盾になるが、命を脅かす矛にもなり得る。

私の卒業した大学では、このような分け方がされていました。この他にも、大学によっては異なる分野や異なる分け方があると思います。


つまり、「建築」にはさまざまな分野が内包されており、それぞれが結びついて1つの建築物が形作られていると言えます。

例えば、ショッピングモールについて考えてみます。ショッピングモールについて先ほどの6つの分野に分解して考えてみると、

「意匠系」=外観はどうするか。内装はどうするか。各店舗の配置。エスカレーターはいくつ? など

「構造系」=なるべく広い空間を作りたいけど、どう柱を配置したらいいか。耐震性は問題ないか。など

「環境系」=吹き抜けの音の反響どの程度が良いのか。この照明じゃ眩し過ぎないか。など

「材料系」=どの塗料を使えば健康的にも美観的にも問題ないか。どの材料が適切か。など

「都市計画系」=そのショッピングモールによって周辺地域にどのような影響が出るか。交通渋滞など。

「防災系」=災害時にどのように利用者を避難させるか。

のように分けられると思います。



<まとめ>

デザインだけでなく,様々な観点を全てを持ち合わせて建築物を作る行為が「建築」といえます










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