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【ストリートバー開業記①:背景】新しくお店を作る理由と出店戦略

こんにちは。井澤卓です。

仲間とデザイン会社を経営しながら、会社のメンバーで飲食店"LOBBY"を経営しています。

昼はデザインの仕事をし、夜は自分達でバーに立つというスタイルで営業しているお店です。飲食経営素人で始めたお店ということで、日々の経験や学び、リアルな経営数字をnoteで公開しています。

ストリートバーLOBBYを始めて1年8ヶ月。
この度、2店舗目を作ることが決まりました!

既に物件を契約し、現在は解体の真っ只中。
春のオープンを目指して内装設計の準備をしています。

LOBBYでは開業に関わる全収支と日々の運営結果をnoteに記していますが、新店舗に関しては構想段階から作り上げる過程をシリーズにして書き連ねていこうと思います。

リアルな進捗、心境、数字計画等生々しい飲食経営の裏側を伝えていきます。店舗開業を目指す方々の参考になれば幸いです。

デザイン会社の僕達がお店を始めた理由

第一章では、なぜお店を作るのか、背景を書いていきます。

冒頭にあったように、僕達は元々デザイン会社です。
「将来的に空間を出発点にしたトータルプロデュース業を主軸にしたい」という目標のため、自社での実績にするべくLOBBYを作りました。

といっても形だけオーナーとして関わるわけではなく、理想のお店を作るために、僕達自身が日々お店に立ち、お酒を作り、サービスをしています。

飲食事業は会社の他事業と比べると利益率が低い上に、物理的に現場に立つ時間が長かったり、抱えるスタッフ数が多いため、マネジメントに相当なリソースがかかります。

会社の短期的な売上最大化のためには、時として重荷にもなる飲食事業。
お店を増やしたら、その労力が2倍になってしまい、デザイン業に割り当てる時間が減り売上が下がる可能性もある。

なぜそんな状況で新店舗を作るのか。
もちろん、「飲食が好きで、お店を増やしたい!」というのは一つの大きな理由です。

それ以上にこの決断を後押ししたのは、「自分達の目指す将来のために、なるべく早くやらなければいけない」という焦燥感でした。

クライアントに縛られない"自主制作"で実績を積みあげる

新たにお店を作る理由もやはり、会社としての中長期の戦略に基づいています。

お店を始めて1年8ヶ月、LOBBYを見てくれたことで依頼に繋がったデザイン案件は数多あり、案件獲得の面では当初の戦略が機能し始めています。

ただ、現状LOBBYはカルチャー層の一部が好んで集まってくるお店。一般的な認知は無く、知る人ぞ知るお店のままです。

僕達が将来的に目指しているのは、衣食住の総合空間であるホテルのプロデュースを手掛けること。
それを実現するためには、土地を保持し、それを活かす尖ったアイデアを持つ人々を探しているデベロッパーや資産家、企画者に認知される必要がある。

現状は全くこの土台に乗れていないので、だからこそ今自分達の空間を増やしていく必要があると考えています。

もちろんデザインチームとして、クライアントワークの実績を積み重ねていくことも重要です。
ただ、クライアントワークで100%自分達がやりたいことを実現することは難しい。だからこそ"自主制作"も並行し、自分達の考えや視点の表現を続けることは必要なことだと考えています。

1店舗だけではまだ実績と説得力が足りない。

日々この事実を痛感しているからこそ、まだ無理ができる30代前半のうちに、なるべく早く実績を増やさなければと思っています。

出店戦略(エリア・物件選定)

①エリア選定

そんな背景で2店舗目を出すにあたり、業態は既に運営しているLOBBYのストリートバー業態を継続することにしました。

ストリートバー:「誰でも入りやすい空間で、いつもより楽しくて美味しいお酒に出会える場」

(ストリートバーの業態コンセプトについても、LOBBYのnoteに詳しく記載しています。)

既に取り組んでいる業態に絞った方が立ち上げがスムーズな点と、バーと居酒屋の中間業態であるストリートバーのニーズを感じているためです。

僕達の業態はオーセンティックバーほど価格が高くないとは言え、1杯平均1,000円以上する嗜好品業態。
となると、飲み屋街でコスパ重視層が多いエリアではなく、空間やお酒の価値に対して対価を払うことに障壁がない人々が住むエリアが望ましい。加えて、食事ができる一軒目業態が豊富にあるエリアが良い。

さらに、今のお店から近いエリアとなると必然的に絞られ、今回は「中目黒、松濤、代々木公園、代々木上原」で探していました。

このエリアは地元客に支えられるエリアなのでコロナでの打撃も少なく、なかなか良い物件が出てこず。

3ヶ月もの間、毎晩物件サイトを30分はチェックしていたので、このあたりの物件情報にかなり詳しくなってしまいました。
店舗物件は、数ではat home(SUUMOやHOMESじゃないんです!)、面白い物件ではDIYPがおすすめです。

②物件選定

エリアが決まったら、物件の選定です。
自分達がやるなら、デザインとコンテンツを目的にわざわざ来るお店にしたいと思っていたので、大きな通りの路面物件ではなく、路地裏に位置する物件を探しました。

LOBBYもそうですが、通常飲食店では難しいと考えられる物件は家賃も圧倒的に安いです。目立たないため集客に苦戦する分敬遠されますが、逆にコンテンツ力やPR力があれば利益率が高い物件になります。

また、空間の非再現性や良い違和感を生むためにも、新築ではなく古い建物に拘っています。これも同様に、空間をアップデートして商業空間にするのは難易度が高いですが、上手くできたら意外性や驚きを産めるし、何より古い物件は家賃も低価格。

そんなこんなでこだわり条件満載で物件を探していたためかなり苦労しましたが、ようやく面白い物件を見つけました!
(ちなみに、3ヶ月探していたものの、内見した数はここ含めて2件だけです。不動産会社からはかなりの提案をもらいましたが、条件が明確だった分、事前情報だけで判断できたので無駄な時間は削減できました。)

決まった物件は代々木公園駅から徒歩2分、今回は2階建ての戸建て物件です。

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外観がイエローで特徴的な物件。形が三角形になっていて面白い。

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細い小道の先にあり、一目から一歩入らないと見つからないLOBBYと似た導線。

分かりづらいところにある物件はワクワクしますよね。

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古い物件ですが、中はきれいにリフォームされていました。これだけきれいだと解体するのが忍びない...。

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お風呂もあります。綺麗。

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と言いつつ、今週から解体スタートしました。
まずは一回スケルトンにしてみて、そこから内装を検討していきます。

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戸建ては図面になかった柱が出てきたり、予想外のアクシデントがあって内装プランニングが難しい。

でも、だからこそ独特の味があるので、上手く特徴として活かしていけるように計画を練っていきます。

住宅街の戸建てなので、通常飲食店にするのは難しい建物ですが、たまたまオーナーが飲食店を経営している人ということで理解がありOKに。

建物の形状も特徴的で、既視感ない新しい空間ができそうでワクワクしています。

第二章は物件の初期費用やビジネスモデルについて

以上、ストリートバー開業記①では、なぜ新しいお店を作るのか、背景について書きました。

次回は、気になる物件の家賃や初期費用、経営数字などビジネスプランについて書いてみたいと思います。
ランニングコストが見えてきたので、ここからはどう売上計画を立てていくのか。具体的な検討を始めていきます。

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