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【岸辺露伴、動きます。】

『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』を観てきました。
漫画の『ジョジョ』『岸辺露伴は動かない』どちらも読んだことはありませんが、全然問題なく楽しめました。
ドラマは観ており、とても面白かったのでハードル上げまくって行きました。因みにドラマ版は見なくて大丈夫です。
岸辺露伴というキャラクターがどういう能力をもっているかさえ知っておけばOKです。以下ネタバレ全開で感想書きますので見る時はご注意を。

「今、心の扉は開かれる」

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圧倒的な「黒」を楽しむ。

今作は岸辺露伴が「この世で最も黒い絵」を求めて奔走するお話。
その絵は真っ黒だが、よく目を凝らすと何かが見えてくる。
映画館という光が遮断された空間だから黒の違いを楽しめる。
地下のシーンなどもあるのですが、そこも基本的に灯りはないのでとても暗いです。
でも目を凝らして壁を観ると、、、
この映画体験のためにお金払ったと思えば安いものだなと感じました

露伴のルーツを3つの時代で紐解く。

今作は大きく分けると3部構成になっています。
①ルーヴルでの怪奇現象パート
②露伴の青年期パート
③奈々瀬の過去パート

この構成がとにかく好きでした。
ドラマだと露伴という人物の今は見れるけど、過去を知る事が出来なかった。
今作で過去について少し触れることができ、さらには彼の祖先についても知る事が出来ます。
①パート目はドラマのノリっぽく、岸辺露伴の身の回りで起きる怪奇現象を解明していく。
ミニマムな話であり、正直ルーヴルである必要性は特にありません。
原作未読なので何とも言えませんが、別に青森県立美術館でも物語自体は成立します。
登場人物もフランスに縁のある者は特にいませんでした。

ただルーヴル美術館と岸辺露伴との相性が良いこと良いこと。
モナ・リザと露伴。サモトラケのニケと露伴。美しい。
フランス語話す露伴。レンズちっこいサングラスかける露伴。かっこいい。
まぁこのくらい語彙力皆無になるくらいには高橋一生さんハマり役です。

追い求めていた「最も黒い絵」には秘密があり、その秘密が②③パートに繋がってくる。
少年時代に出会った奈々瀬という女性。
ルーヴル美術館での事件が奈々瀬と何らかの関わりがあることは観てればわかるのですが、まさかそれが露伴の先祖と繋がっているなんて。
先祖と同じ道を進む露伴。芸術家として究極の美を追い求める。
同じ黒に魅せられ、同じ女性に魅せられ。

そんな二人が魅せられた奈々瀬。
木村文乃さんキャスティングした人誰ですか。
この人に紫綬褒章あげてください。
木村文乃さん黒髪が似合うこと似合うこと。
儚げだがどこか凛とした美しさ。
妖艶な感じもあり魅せられるのも納得です。

呪い。

終盤、「忘れて」と呟く奈々瀬に対して、「あの夏も僕にとっては必要な過去のひとつだ」と答える露伴。
過去(=呪い)の消し去るのではなく受け入れる事の重要性を説いている気がします。
これは泉が体現しているような気がしました。
父親を幼い頃に失った泉だが、辛い過去を受け入れ同じ場所で写真を撮ることで受け入れようとしている。
だからこそ彼女には仁左衛門も呪いは効かなかったのではと考えてます。
そんな彼女が諭すことで救われたエマも同様に、辛い過去を受け入れ忘れないようにしたらからこそ救われたのだと思います。


久々に邦画で観に行きたいと思えた作品でしたが楽しめたので大満足です。
ゆっくりと露伴のルーツを巡る、そんな映画でした。

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