図1

物語に起伏をつける方法

自分の書く話がイマイチ盛り上がらない。
そんな悩みにぶつかったことはないでしょうか。

あなたがもし、起伏のある物語を書くには才能やセンスが必要だと思っているとしたら、それは思い込みです。
物語の起伏は、理論である程度つくれるものだと僕は考えています。

理論というと堅苦しいでしょうか。
コツと言い換えてもいいです。
そのくらい些細なことです。

本題

そもそも「起伏」とはなんでしょうか。

僕は、状況の変化に伴う物語のテンションの高低差だと考えています。

状況の変化とは?
たとえば、いじめられている主人公が、いじめっ子に打ち勝つこと。
たとえば、幸せの絶頂にいたカップルの片割れが事故で死んでしまうこと。

このような状況の変化は、テンションの変化をもたらします。
テンションとは、平たく言えば主人公の「楽しい」とか「悲しい」といった感情です。
そしてテンションの変化とは「絶望から幸福への転移」または「幸福から絶望への転移」とも言えるでしょう。

これを意識的に作ることで、物語に起伏が生まれるのではないでしょうか。


もう少し噛み砕きます。

あくまでもハッピーエンドの例ですが、おおまかに以下のような流れが起伏のある物語に必要な要素だと僕は考えています。

例① 「平穏」→「危機」→「努力」→「解決」
例② 「絶望」→「出会い」→「絆の発生」→「絶望の解消」

平穏が続いても起伏は発生しない、というのはわかりますよね。
絶望的な状況がいつまでも好転しない、というのも変化がないと言えます。

上の例で言う「危機」や「出会い」は、言い換えると「変化のきっかけ」です。
もしもあなたが物語に起伏を持たせたいと考えているならば、とにかく主人公の置かれている状況を変えるきっかけを織り込むべきかもしれません。

そして状況の変化に伴うテンションの高低差が大きければ大きいほど、物語は刺激的になります。

幸せの絶頂から、どん底の絶望へ。
どん底の絶望から、再び幸せの絶頂へ。

なるべく高低差を大きくできるように、シーンや場面を作ると良いと思います。

そしてもうひとつ大事なのは、「変化のきっかけ」を何度か引き起こすことだと僕は思います。
特に長い話を書くときはより重要です。
物語を二転三転させないと読者に飽きられてしまうからです。

何かが「解決」したのちに、また新たな「出会い」を発生させ、そこから「事件」に繋げる…とか。
ジェットコースターのように、希望と絶望を繰り返し配置すると、よりドラマチックになっていくと、僕は考えています。

画像1

逆に言うと「変化のきっかけ」を意図的に排除すれば、平坦な物語が書けるようになります。
平坦というと聞こえが悪いかもしれませんが、それも物語の在り方として決して間違っているわけではありません。

「変化のきっかけ」を上手くコントロールできるようになると、様々な作風の物語を生み出せるようになるかもしれませんね。

まとめ

物語の起伏とは、状況の変化に伴うテンションの変化です。
その「変化のきっかけ」を織り込むことで、物語に起伏が生まれます。

ただ、今回書いた内容は、かなり粒度が荒いです。
もっと詳しく知りたい方は、以下の参考文献をご一読ください。

『SAVE THE CATの法則』はハリウッド映画脚本の指南書です。
ハリウッド流の王道展開を理論的に解説してくれています。

あなたがもし、物語と呼ばれるものを創作する人ならば絶対に読んで損はないと思います。たとえ今すぐ読めなくとも、「起伏のある物語は理論に基づいて作れる」という事実だけでも覚えておくと、未来のあなたをすこしだけ楽にするかもしれません。

以上です。

綾部卓悦の情報

Twitterはこちら。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?