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再び未利用魚を食して、大満足

約1年前、全国の漁港から魚を直接購入できる「SAKAMA(サカマ)」というサービスで未利用魚を購入して食しました。そして、100匹以上の同じ小魚を捌くというかなり過酷な思い出になりました。

とはいえ、未利用魚をまだまだ食べてみたい。
機会があればまたチェレンジするぞ、とふつふつ考えていました。

そんな矢先、Twitterのフォロワーさんから未利用魚の購入先を教えていただき、いてもたってもいられず早速注文してみました。

前回と今回の注文の違い

前回と今回の注文では、未利用魚を取り扱っている漁師に発注を行うという点では一緒です。しかし「SAKAMA」では、届くまでどのような魚がはいっているか完全なランダムでした。その結果、100匹以上の小魚を捌くわけになったわけです。
今回は、Twitter上で漁師の方の個人販売されていたものを購入しています。そして、その日販売している未利用魚を写真で公開されています。このため事前に大まかな内容がわかりました。

やはり事前に内容物がわかると、届く前に心構えができて大変嬉しいですね。これは個人販売だからこそ、小回りの効く販売ができるのだと思います。

そして、届く

TwitterのDMから購入したい旨を直接連絡したところ、爆速で返信をいただきスムーズに購入することができました。何もトラブルなく翌日には自宅に届きました。

事前に写真で内容を確認していたのですが、購入の決め手はサメのような個体が入っていたことです。

いざ、開封…!

発泡スチロールをあけると、魚が青いビニールにつつまれ底面には保冷剤が入っていました。水気も切られており、丁寧な梱包でした。

そして、やはりサメが入っていました。

開封してみると

魚の名前は、購入元の漁師の方に尋ねると全て教えていただきました。

下記の合計12種類が入っていました。

・イシモチ
・ウミタナゴ
・カレイ
・ナメタカレイ
・ヒラメ
・カジカ
・ケムシカジカ
・アジ
・ガザミ
・ウマヅラハギ
・ホシザメ
・カガミダイ

全体的に魚のサイズは、まな板の幅におさまるくらいで捌くのにちょうど良いサイズでした。この中で、ホシザメが約40cmと一番大きかったです。

カガミダイはサイズが小さく、ほとんど可食部がないので観賞用となりました。

下処理は迅速に

届いた時点で鮮度は全く問題なかったですが、内臓の下処理は一気にやってしまいました。まとまった個数の魚を買った時は、下処理をとにかく集中的にやるのが鉄則です。ある程度、下処理しておくとあとは冷凍しておくと別の日に料理するときに楽になります。

一気にさまざまな魚を捌いてみると、身質や骨格の違いが観察できて楽しいです。そういうことから未利用魚を購入することで、初めての魚を知ることができ好奇心を満たすことができます。

「ぼうずこんにゃくの市場魚貝類図鑑」で魚名で調べると、水産情報がまとまっていて便利です。

もちろん、上手に料理すれば手頃な価格で胃袋を満たせます。一石二鳥ですね。

ケムシカジカ
ぶよぶよした皮
厚みのある淡白な身が美味しそう

サメを捌いてみる

まさかサメをさばく日が来るとは思っていませんでしたが、ちょうど良い機会でした。サイズもちょうど家庭の調理場でさばけるほどです。

つぶらな瞳と口がかわいいですね。

注文してから受け取りまで約1日の時間が経ちましたが、よく言われるサメのアンモニア臭はどうなのでしょうか?
※あくまで私の都合で時間指定をしてもらい受け取ったので約1日後の受け取りとなりました。

サメといえば肝油ドロップを思い起こしますが、いざ腹をひらいてみるとどでかい肝臓がでてきました。ただ、内臓がとても臭かった。アンモニア臭かと言われると自信がないです。調理場にもわっと広がるような臭いで、これ嗅いだら、サメへの食欲をなくす方もいらっしゃるかもしれません。

他の魚の内臓は嫌な臭いはしなかったですから、サメは鮮度落ちしやすいのかもしれません。

薄茶色の臓器が肝臓

鮫肌もあってか包丁は入りづらいかったですが、身や骨は柔らかいです。なので、とても捌きやすいです。

淡白な味

調理方法は身をゆでて「ふかの湯ざらし」にして酢味噌で食べるということを考えました。しかし万が一に身が臭いと食べるのに難儀するので、徹底的に臭いをごまかせるよう唐揚げにすることにしました。

下処理は、日本酒につけこんで少し置きます。
あんなに大きそうに見えた身も骨をとってしますと、ちんまりした量になってしまいました。

日本酒で臭みをとったあと、鶏の唐揚げをつくる要領でニンニク、生姜、醤油で漬け込みます。

そして、油で揚げてしまえば安心です。

ガザミでもう一品

未利用魚が届いたその日は、ガザミでもう一品つくりました。ガザミはワタリガニのことです。

茹でると真っ赤に。

蟹味噌もしっかり入っていて、内子(蟹の卵巣)もはいっていました。身をすべてほじくりだします。

そして、カニチャーハンに。
味付けは塩胡椒と鶏ガラのパウダーを少々。

ガザミの煮汁であんかけをつくってあんかけチャーハンにしました。あんかけにはとろみをつけるため、蓮根のすり身をまぜています。

ガザミのあんかけチャーハンとホシザメの唐揚げ

ついに未利用魚をつかった夕食が完成しました。

左:ガザミのあんかけチャーハン、右:ホシザメの唐揚げ

あんかけチャーハンはガザミの風味・旨味がつまっていて、美味。文句なし。

そして問題のホシザメは、合格点の美味しさ。
身はほどける柔らかさ。ただ、ほんの少し酸味がありました。
ナッツみたいな香ばしさも奥の方に感じられましたが、これは唐揚げの衣の風味かな?
しかし、内臓近くにあった腹の肉は内臓の匂いが少しうつっていました。
ちょっと残念。とれたてで素早く内臓が処理すれば、そんなことは起こらないと思います。

満足な未利用魚の買い物

アジやウマヅラハギはフライ、カレイは煮付け、ヒラメはムニエルとバラエティーに富んだ料理で楽しむことができました。

これまで知らない魚を手に取って調べてみると新しい驚きも得られました。例えば、ウミタナゴが卵胎生なんて初めて知りました。
※卵胎生:体内で卵を孵化させ、のちに体外へ産み出す。

今回の買い物は送料込みで3800円でした。
総じて、良い買い物ができて良い体験ができたと心から言えます。

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