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リメイク 強いってどんな気持ちですか?プロローグ前編

ドスドス…

ガハ…ハア…ハア…

不良1「おら、サンドバッグ立てよ!」

不良2「まだ準備運動にもなってないぞ」

 橋の下、1人の少年は不良5人に囲まれ、殴られていた

〇〇(なんで毎日殴られてるのかな?)
  (この人達に何かしたっけ?)
  (誰も助けてくれない)
  (あぁまた拳振り上げて近づいてくる痛いんだろなあ、このまま死なせてくれないかな)

 ドン!少年の顔に拳がめり込む

すると昔の記憶がフラッシュバックする

〇〇『??のこと絶対!一生守るね!』

  『??を泣かせる奴は僕が倒して助けてあげる!』

??『ほんとに!?私、〇〇と結婚して〇〇のお嫁さんになる!!』

昔の記憶に〇〇は情けなくなり涙を流した

それを見たリーダーが興奮する

不リ「おおお!!!サンドバッグが泣いたぞ!!そんなに今のパンチに感動したのか!?この感覚を忘れないようにまだ練習に付き合ってもらうぞ!!」

 それから何十発もくらい無残な姿になった少年は気を失い屍のように倒れていた

ーーーーー

 長髪の綺麗な黒髪を靡かせながら土手を歩く少女

 ??「今日は風が強ぃ…前髪崩れちゃう」

 綺麗に整えた前髪を押さながら歩く

 目線を下げると橋の下にいる〇〇を見つける

 ??「〇…〇…?〇〇!?」

 少女は土手を下り倒れている〇〇に駆け寄り訴える

 ??「〇〇!〇〇!!」

 両肩を持ち揺すると意識を取り戻す

 〇〇「あ、、気を失ってたのか、、ありがとう。菜緒。大丈夫だよ。」

 分かりやすい作り笑いをする

 菜緒「何が大丈夫なの!?こんなに傷だらけになって!もうなーちゃんに話そ!このままじゃ〇〇死んじゃうよ!!」

 菜緒は瞳に涙を溜めて訴える

 〇〇「大丈夫、大丈夫、それより僕と一緒にいるところをアイツらとか学校の人達に見つかったら菜緒も危険な目に合っちゃうから離れて、僕は大丈夫だから。姉ちゃん達には内緒でね。じゃあね」

 〇〇は心配かけまいとずっと作り笑いをして菜緒に背を向け帰路を歩いていく

 その小さな背中に菜緒は叫ぶ

 菜緒「このままじゃ〇〇本当に死んじゃう!なーちゃんに話すから!」

 〇〇「…」

 〇〇は振り向きもせずただ歩いて行った

 ーーーーーー

 公園の前で〇〇の後ろを追うように菜緒が歩いていた

 菜緒「そういえば、ここでプロポーズされたな〜」
   「まだその返事もらってないな〜」
   「いつ返してくれるのかな〜」

 〇〇「…ごめん」

 菜緒「え?」

 〇〇「その…約束は…守れそうにない」

 菜緒「なんで…なんで!?」
 「一生守ってくれるって言ったじゃん!」

〇〇「っ!…今の僕の姿見て菜緒のこと守れる人の姿か?」
  「毎日訳も分からず殴られて、こんなボロボロになってる奴が守れる訳ないだろ!」

菜緒は何も言えず立ち止まる

〇〇「ごめん。本当にごめん。」
  「菜緒には俺より相応しい人がいるよ」

〇〇は菜緒に頭を下げる

その姿に涙が溢れてくる

菜緒「…もう知らない…〇〇なんて嫌い!」
  「大っ嫌いだ!!!」

菜緒の叫び声が響き走り去る

〇〇「…これでいいんだ…グス…菜緒が笑顔で幸せでいてくれれば僕はそれでいいんだ…グス…」

ーーーーー

〇〇「ただいま〜」

??「おかえり〜ってボロボロじゃない!誰にやられたの!?」

〇〇「なーちゃん、ただいま!ちょっとケンカしちゃってねハハ」

七瀬「青春だね〜って嘘でしょ?」
 「もうそろそろ本当の事話してや。その怪我はケンカじゃないでしょ?誰にやられたの?」

〇〇「…」

七瀬「助けを呼ぶのは恥ずかしいことやないし。もう我慢すれば済む次元じゃない。このままだと死んじゃうよ?」

〇〇「…もう死んでもいいよ。というか死にたいよ。未来とか希望は僕には無い!菜緒との約束も守れないし、僕には姉ちゃん達みたいな夢も希望もない!」

〇〇は走って外に出て行く

七瀬「〇〇待ちなさい!!」

??「どーしたの?」

七瀬「〇〇を追わなきゃ!久美!飛鳥起こして!あの子、自殺する気や!早く探さなきゃ!」

久美「え?〇〇が!?あすちゃん起きて!〇〇が大変なことになってる!!」

弟の名前を聞いた瞬間、目を見開き小柄の少女は寝起きに関わらずネックスプリングで起きる

飛鳥「〇〇がどうした!?」

七瀬「事情はあとで話すからまずは〇〇を探して!」

ーーーーー

さっき菜緒といた公園のブランコに座っていた

すると〇〇を見つけた七瀬が肩で息をしながら〇〇を優しく抱きしめた

七瀬「居た〜本当に死んじゃうのかと思って心臓バクバクだよ!心配ばかりかける末っ子だ!」

〇〇「ごめんなさい。」

七瀬「バカ」

軽く頭を小突く

あとから飛鳥、久美が駆けつける

飛鳥「〇〇!ってボロボロじゃん!?」

久美は人差し指を唇の前に出し静止させる

久美「あすちゃん、静かに」

〇〇「…なーちゃん…ごめんなさい…心配かけてごめんなさい…助けて欲しい…助けて下さい!心配かけてごめんなさい!」

七瀬「うん。やっと言ってくれたな。あんたは本当に優しい子だ。菜緒ちゃんを1人で守ろうとしたんやな?任しとき!久美からも菜緒ちゃんからも前から聞いてたから手は打ってあるし、〇〇がどこまでやれるか見届けてたんよ。悪かったな。こっちこそごめんな」

〇〇「え?」

七瀬「ん?」

〇〇「僕がリンチされてたのに今まで黙って見てたの?」

七瀬「だからごめんやん!〇〇が菜緒ちゃんの為にどこまでやれるのか試してたんよ」

〇〇「な、菜緒の為やないし!//なーちゃん嫌い!」

〇〇は近くにいた飛鳥と久美の元に行き抱きつく

飛鳥「ん?お!どした?なーちゃんに嫌なことされたんか〜??可愛いなぁ帰ろっか」

〇〇「なーちゃんに意地悪された」

飛鳥「それは大変だったね〜」

久美「〇〇が早く助けを呼べば良かったのに」

〇〇「姉ちゃんもなーちゃんと同罪だからね」

3人は和気藹々と帰路を歩いている中

フラれたショックで七瀬は真っ白になり、夜暗い中ブランコを揺らしていた

七瀬「き、嫌い?〇〇が私のこと嫌いって言った?」

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