くそつまらない未来を変えられるかもしれない、なら
「くそつまらない未来を変えられるかもしれない」という言葉だけで、なんだか興味をそそられてしまう。それくらい、僕もこれからくる未来がくそつまらないものになるかもしれないと思っているのかもしれない。
でも、その先が「投資の話」ということで、「ん? 資本主義をぶっ壊せ」という類の話ではないの? と思ってしまうところも、心がざわつく。それがいい。
しかも、この本を書いている著者は、パンクスなのだ。もうそのギャップが最強で(これは僕の勝手なイメージなんだけど)、もうこれは読んでみるしかない本だった。
書かれている内容は、とてもくだけた文章で、でも、とても読みやすくて、頭と心に入ってくる。さすが音楽家という感じで、文字のチョイスとリズムがいい。固いと思われる投資の話もなんだか、ポップな感じで楽しめる(著者はパンクスだけどw)。
でも、本当はそれくらい投資というのは身近なものなんだと思う。そして、僕たちは広い意味での投資をもっと知らなくてはならない。なぜなら、僕たちの日々の行動、日々の消費もひとつの投資なのだから。
どこかの商品を購入するということは、どこかの企業に投資していることでもある。その企業の商品を買う人がたくさんいればいるほど、その企業は利益を上げることができて、また新しい商品を市場へ投入することができる。
もしかしたら、あなたの地域になかった店舗が、売上アップによりあなたの地域にも店舗として現れるかもしれない。逆に利用しなかったお店はどんどんなくなっていくかもしれない。それがたとえ、どんなに自分のお気に入りのお店だったとしても。
僕は昔、期間限定でカフェを経営したことがある。いろいろな出会いがあり、そのカフェをきっかけにカップルが生まれたり、つながりが生まれたり、そこに来る人にとってはとても心地よい場所になったのではないだろうか。
でも、継続することはできなかった。もともと取り壊す予定の場所で1年間だけという話ではあったのだけれども、でも、うまく行ったら別の場所へ移転なんてことも考えていたけど、そんなに甘くはなかった。
その時に思ったのは、社会に本当に必要とされていないものはなくなってしまうということ。たとえ、お役所のサービスなんかはくそまじめで、くそつまらないものだとしても、それは多くの人たちにとって必要だから、それは残っている。
でも、どんなに面白いお店でも、それが社会にとって必要でなければ、それこそ、売上が上がらなければなくてなってしまうのだ。それをパンデミックで感じた人は多いのではないだろうか。
あの店がなければ、生きていけないと思っていた人も、でも、結局、行けなくなったら、行かなくなったら、なくなってしまうのだ。どんなにいい店と言われていようとも。
ちょっと話はそれてしまったけど、でも、そういったひとつひとつの行動が投資なのだ。買い物は投票だ、という言葉があるけど、買い物は投資、行動は投資なのかもしれない。僕たちはどこかの何かのサービスをいつも利用しているのだから。
そのことをとてもわかりやすく、噛み砕いて、パンクスの視点から書いてくれている。共感する部分は多い。やっぱり、どうやったら未来をよくできるか、というのは考えるし、でも、自分も豊かに暮らしたい。そのためにはやっぱりお金も必要になる。
みんながみんな自給自足で暮らせばいいという単純な話ではない。もう世界はそんなにも単純ではないのだから。だから、お金のことももっと知る必要があると思うし、お金から自由になるためにも、お金のことを勉強する必要があるのではないだろうか。
くそつまらない未来を変えるためにも、ときには投資の話をしよう。
A world where everyone can live with peace of mind🌟