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ポスト資本主義の可能性を爽快に言語化してくれた本『ビジネスの未来』 一緒に資本主義をハックしよう。

ポスト資本主義、これからの未来について、考えれば考えるほどディストピアな世界しか思い浮かばない。もし、仮にユートピアな未来が待っていた時に、世界はどのように変わっているのだろうか? ということを想像したくても、想像できない。そんな時にこの『ビジネスの未来』はポスト資本主義の可能性、ポジティブな未来の可能性を爽快に言語化してくれた本である。

それなりに分厚い本ではあるけれども、これほどまでに端的に分かりやすく、言語化できるものなのか! と本当に衝撃的だった。まさに自分がそうなったらいいな、と言葉にもできずに漠然と思い浮かべていた未来をちゃんと言葉によって定義されているのは、本当にすごいと思ったし、美しい。

この本については、『超ミニマル主義』の著者である四角大輔氏と、『9割の社会問題はビジネスで解決できる』の田口一成氏の対談イベントの中で、四角氏が感銘を受けた3冊の中の一冊ということで紹介があった。ちなみに三冊のうち、ひとつは田口氏の本であり、もうひとつは斎藤幸平氏の『人新世の「資本論」』、そして、この山口周氏の『ビジネスの未来』であった。

他の2冊も読んだし、四角氏の本も読んだが、どれも僕の中では、おすすめできる名著である。おすすめできるというか、もうこの絶望だらけだと思っていた世界に光があることを知ることができ、勇気をもらい、希望をもらった本である。こんな考え方、こんなことをしている人がいるんだ! と。

そして、この本も僕の中では、そんな希望をもらえる一冊だった。特に日本は高齢化と少子化によって、もう経済は今までの形では成り立たなくなることは見え見えなのに、多くの人たちはそれを見て見ぬふりをして延命措置、もしくは、自分だけは大丈夫だろう、と楽観視(逃避)している中で、僕は、どんなディストピアな世界が訪れてしまうだろうか、それを避けるためにはどうすればいいのか、というのをずっと考えていた。

これほどまでに豊かになったのに、幸せな人は少なく、これからさらに高齢化、少子化で経済も低迷していったら・・・と思ったら、もう日本には希望はないのではないか、無理ゲーなんじゃないか、って思っていたけど、この本では、そうでない未来=明るい未来について書かれていて驚いた。

『人新生の「資本論」』も、未来を変える可能性をすごく感じたが、でも、明るい未来、未来の風景までは思い描くことができなかったが、この本を読むことで、ひとつの明るい未来の可能性を垣間見ることができた。ただ、単純な空想ではなく、データや歴史に裏打ちされている点もさすがとしか言いようがないけれども、かなり具体的な未来が想定されている。

明るい未来を無理やりでも想像しようと思っても、なかなか素敵な未来が想像できない中で、著者の構想力は美しいな、と思った。その未来が本当にやってくるかどうかはわからないし、それを実現するためには、「誰か」ではなく、「自分が」行動しなければならないとも書かれている。

心の奥底でこういう未来を描きたかったという未来が描かれているこの本。やりたいことが見つからずにこのまま終わってしまうのか・・・。もう当分の間は明るい未来がやってこないのか、と思っている方にぜひ読んでみてもらいたい本である。

きっとあなたが活躍する未来の光が見えるようになるのではないだろうか。ぜひこんな未来がやってくるためにも、僕も「資本主義をハックしたい」と思う。

このような素敵な本に出会えたことに感謝します。
そして、その恩返しはやはり「自分が」変わること。行動することですね。

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