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書評「現代日本外交史」(中公新書)

今日は初めての試み、書評だ。

個人的に緊急事態宣言で一番困ったのが市中の図書館が休業してしまったことだ。読書ができない1ヶ月半ほどは歯がゆい思いをしていた。

緊急事態宣言が明けて図書館で予約していた本をやっと取りに行くことができ、最初に読んだのが中公新書の現代日本外交史である。
この本では海部政権から第二次安倍政権までの16政権における外交のあり方が解説されている。

ここで、私と政治の関わりについて軽く紹介しておくと、
私が生まれたのは1998年4月で当時は橋本内閣の時代だ。当然物心のついていない自分には何も覚えていることはない。
おぼろげな記憶があるのは小泉政権の時代で、イラク戦争や郵政民営化あたり。これが小学生入学前後くらいだ。
その後の第一次安倍政権から民主党政権、そして現在までは記憶がある。

親世代にとっては自分たちがリアルタイムで感じてきた世界の流れが、私たちにとっては歴史上の出来事のように感じる。不思議な感じだろう。
あと20年もすれば、新型コロナウイルス騒動の記憶がない大人が生まれてくる。時の流れは面白い。

日本の外交は日米同盟を基軸としながらも、時の政権や情勢によってバランスの取り方を変えてきた。北朝鮮に歩み寄りを見せた時代もあれば、中国との関係改善を模索していた時期もあり、北方領土問題が解決寸前まで進んだこともあった。
アジア共同体として脱アメリカの姿勢を見せたり、新興国支援の座を巡って中国と互角の争いをしていたり、本当に面白い。

今後の日本がどのような外交を繰り広げるのか、楽しみだ。コロナ後の対中国関係、日米同盟を巡る関係、対朝鮮半島、北方領土の行方、今後もニュースから目が離せない。

今行われている外交の意味は、現在の状況からだけでは読み解けない。歴史を知り、過去を知ることでやっと理解できる。この本はその理解の役に立つ本だ。新書で気軽に読めるのでぜひ興味があればご一読をおすすめする。

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