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②-1 音楽を創る時、ミュージシャンの脳内・周りで何が巻き起こってるのか/リセットされてしまった人生

1、2、3。
うん。3回だと思うんです。

人生をリセットさせられた回数は…

これは、
音楽と挫折とリセットボタンについてのお話です。

………………………………………………………………………………

居場所がない
ずっと居場所がない。
幼年の頃から、心の深い所で思ってた。
これを読むあなたには居場所がありますか?

居場所って一体何なのでしょう。
自分が選択して飛び込む所なのか
自分を嫌う人が一人もいない所なのか
同調圧力が蔓延らない所なのか
誰かが自分を認めてくれ、守ってくれたり、反対に自分が誰かを認め、守る、そんな関係性で繋がる所なのか
何かが発せられた時に、否定するんじゃなく対話する事で、お互いの価値、多様性を尊重する所なのか

明確な答えを選ぶより、考えながら、
居場所がある事の幸せを感じて、噛み締めて生きていたい。
そう私は思っています。

小さな頃
いつも泣いていて、人といるよりも蝶々を追いかけたり星を見たりするのが好きで。
義務教育という、未知の集団の中にある日いきなり放り込まれる強制システムに嫌悪感を感じ、駄々をこねては泣きわめき、幾度も母を困らせていました。
小⇒大とエスカレーター式囲いの中で、肉体は月日と共に形作られていくのに反して、私の精神はおぼつかないまま。
そんな最中に大好きな場所、大切な場所
突然それを失う事になった。
挫折
2文字で到底片付けられるはずのない、ダウナーで生きる事が苦しい日々を送る中に、突如としてリセットボタンは現れる。

▲▼第一リセットボタン▼▲

小学生、人見知り力を存分に発揮していた私。
少ない友達の中の一人がサッカーを習っていて、つられた私は輪に混ぜてもらい、サッカーに没頭していきました。
Jリーグが開幕したり、ワールドカップ出場を目指すカズやラモスや井原等の日本代表の姿に胸を焦がし、自分もプロのサッカー選手になるんだと息巻いて、夢を追う事に邁進しました。
しかし中学2、3年頃から楽しさを感じられなくなっていきました。
その要因の一つは、高圧的なサッカー部顧問や先輩に萎縮し伸び伸びとサッカーが出来なくなった為だと思います。
中学校のサッカー部内実力世界は、上下関係に厳しく、集団をブラッシュアップし続けるために顧問が気に入らないプレイヤーは排除されていきます。活躍出来ないと見込まれる学生達には「サッカー部で過ごす時間が勿体ないので他の部に移った方が良いよ。」と声をかけたりするのもしょっちゅうで。
こんなのは実力至上のスポーツの世界では、至極真っ当な話かもしれませんが。

しかし、まだ精神がおぼつかない私には、怒鳴り声や連帯責任を名目にした体罰の応酬、高圧的な顧問や先輩に抗う事は悪だと自然と認知させられる教育環境。
いわゆるその学校の「普通」 と呼ばれる世界では、うまく生きる術が見つかりませんでした。
当時は、なぜ自分はこの雰囲気に合わせられないんだろう。
なぜ皆に合わせる為に必死で頑張ってるのに、サッカーが楽しくないんだろう。
と、苦しんで自分を責めました。

2020年の現在思うのは、
私の根本に、全体主義による同調圧力や付和雷同、そんな類いに何故か反吐が出るほど嫌悪感を抱くし、自分や大切な人達の存在は守られるべきだし守るという、無意識のパーソナリティーみたいなものが働くからだと思います。
これはもう変えられない精神の軸だから、仕方ないみたいです。
自分に合う環境で生きる事が、私には幸せなんだと理解しています。
当時、その事を分かれたらな…

高校に入るもあんなに好きだったサッカーをする意欲がなくなり、とうとう熱は途絶え、ずっとそれだけに熱意を捧げてたものが目の前から消えた私は、
居場所を失いました。

塞ぎ込んでとぼとぼ歩く高1の秋 。

「ちょっとスタジオ来ない?」
友人が呼びかけてきます。

「へ?」

唐突かつ何を言ってるのかよく理解ができなかったけど、ふらりふらりと連れられ入った町田のstudio。
重苦しい取っ手のドアに手をかけ開け放つ。と、馬鹿にどでかい音が私の五体にぶつかってくる。
バンドだ。
当時は、ビジュアル系ブームに沸いた時代。
X LUNA SEA L'Arc~en~Cielと、何やら聞いたことがある曲がバカドデカ音でぶつかってくる。
初めての体験に仰天した私は、「うるせー」 と笑いながら声を発するもかき消されていく事に楽しさを覚えました。

しばらくこの体験を楽しんでると、
また友人が言った 「ちょっと歌ってみなよ」

「???」

意味が分からない。
私。マイクの前に立たされる。

イントロが流れた・・・。
この時ほど心臓の存在をありありと感じさせられたことはありません。

バクバク。
loopするバクバク。

確かL'Arc~en~Cielの"fiower"だったかな。
歌い出しの「そう・・・」
声を発するまさにその刹那に、
私は【第一のリセットボタン】を押されました。

窒息するかと思った。

真っ白の世界の中にいる。
滝のように重力に従う汗と呼吸を整えようとする必死さに
私は弾け飛びました。
他人の曲ではあったが、音楽を自らが奏でた。
眼前に新しい道が出来ていた。
そこに無防備にも立ち尽くす私は、決して聴衆(オーディエンス) ではなかったのでした。
無性に何かを発したいのでした。
「やっぱ良いねー。」 友人。ニヤリ。
つられて笑った。
私は笑っていました。

……………………………………………………………………………

あいつはどうして私を誘ったんだろう。
塞ぎ込んだ姿見て、元気付けようと思ったか。
以前から何となく歌うのが好きだった私を見ていて、バンドのボーカルを探していた時期だったので、そういえば歌うの好きそうだったなと思いついたか。
何だったとしても、あの日、私は音楽という凄まじい力で人生をリセットさせられてしまいました。
そして居場所が出来た。

何年も後になって、私の音楽は、私自身が救われる所から始まっていた事に気付きました。

ありがとう。
友人に多大なる感謝を込めて。

そして18年後
第二のリセットボタンが押された…

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