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これじゃ歴史嫌いになって当たり前!問題ありまくりの日本における歴史教育

こんにちは。
元大手進学塾トップクラス担当講師で、現在はニュージーランド在住の受験&国際教育コンサルタントのTakuです。

早速ですが、1つ質問です。

あなたは歴史の勉強、好きでしたか?
そして今は学生時代に習った歴史のこと、どのくらい覚えていますか?

この質問を投げかけると多くの方は、
このようにお答えになります。

歴史の勉強はとても辛くて嫌いだった。
今では習った事はほとんど覚えていない。

ひょっとしたらあなたも、同じだったりしませんか?

今回は海外に来て改めて知った、
日本の歴史教育の問題点について考えてみたいと思います。

流れよりも用語重視

日本人にとって歴史の勉強とは大抵、
受験に出るからしぶしぶ行うものになっている気がします。

年号やら人の名前やら出来事やら、
無駄にたくさんな覚えることが出てきて、
うんざりだったという経験もあるかもしれません。

実際入試問題に対応できるようになるには、
膨大な数の歴史用語を正確に暗記する必要があります。

これは中学受験、高校受験、大学受験問わず、
入試全体に見られる明確な傾向です。

そもそも受験対策を行っている塾のテキストや、
各種参考書は言うに及ばず、
教科書ですらその傾向ははっきりしていますよね。

そこで重要になるのは「正確な暗記」であって、
歴史の流れではありません。

しかし、本来歴史と言うものは、
過去に生きた人々のストーリーであり、
そこには明確な流れがあります。

歴史上に起こったすべての出来事には原因があり、
その出来事によってある結果が生まれる。

すなわち各出来事の因果関係をつかむことこそ、
歴史を学ぶ上でとても重要なステップです。


また、過去に生きた人々のストーリーには、
それぞれの人々の人生が現れており、
本来はそうしたものを味わうことも大切です。

でも残念ながら今の日本の歴史のカリキュラムでは、
そんなことを学ぶ余裕は1ミリもありません。


縄文時代から現代に至るまで、
余すことなく重要な出来事を暗記し、
素早くアウトプットする能力を鍛えなければいけない。

こんな暗記重視のカリキュラムの中で、
歴史好きが育つ方が難しいでしょう。

意味よりも暗記重視

先ほども少し触れましたが、
すべての出来事には因果関係があり、
それによって現代にも何らかの影響を与えています。

その歴史上に起こった出来事に対して、
その後の時代にどのような影響を与えたのか、
本来は分析をすることが重要です。

そのためには、それぞれの出来事を、
関わった様々な人々の人生にも触れながら、
深く考察する作業が必要になります。

そしてときにはその出来事が起こらなかったら、
その後の時代にはどのような影響が出たのかを、
推論することも有益です。

このように過去の出来事を振り返り、
自分なりに意味付けするプロセスを経て初めて、
歴史から学ぶことができると思います。


しかし、繰り返しになりますが、
今の日本の歴史カリキュラムでは、
そんなことをする余裕は1ミリもありません。

とにかく無味乾燥な出来事の暗記に重点が置かれており、
歴史の意味について考えることなど、
想定すらされていないようにも見えます。

このような覚えるだけの歴史の授業では、
もともと興味を持っている生徒以外が、
歴史好きになるのは無理と言うものでしょう。

肝心の近代史は時間切れ?

さらに意味不明すぎて理解不能なのが、
現代社会に指して重要ではない古代史には時間を割くのに、
肝心の近代史は時間切れになることが多い点です。

欧米の歴史の授業では、
近現代史に多くの時間が割かれています。

それは2度の世界大戦から戦後の歴史の中には、
現代の社会が抱える様々な国際問題の原点があり、
問題解決のヒントとなるからです。

しかし、縄文時代から順番に学んでいくことを重視する日本の教育では、
近現代を扱う頃には、往々にして時間がなくなり、
駆け足でポイントだけを説明する学校もあります。

この近現代史を十分に学んでいないという事態は、
日本人の国際問題理解に深刻な影響与えています。


実際に海外に出てきた日本人の留学生で、
現地で出会った学生の出身国との間に抱える問題について、
何の知識もないまま発言してトラブルになることもあります。

仮にもグローバル教育を施行するのであれば、
このような事態にならないような歴史教育のあり方を、
もう一度考え直す必要があるのではないでしょうか。

本質を考えていない歴史教育の結末

繰り返しになりますが歴史を学ぶということは、
私たち人類がこれまでいかに生きてきたのかということについて、
改めて振り返るということ
でもあります。

過去から学ぶという言葉がありますが、
歴史を学ぶ意味はまさにそこにあるはずです。

日本は歴史的にも近隣諸国と、
様々な国際問題を抱えています。

そして、こうした国際問題を解決するためには、
その問題の原因となった様々な出来事を、
正しく理解しておくことが前提となります。

そのためにも歴史を単なる暗記ではなく、
意味をしっかりと理解し考えることができる、
より本質的な学びの仕組みに変える必要があるはずです。

まとめ

歴史って覚えることが多くてめんどくさいよね。

そんな言葉が聞かれているうちは、
日本の歴史教育の問題は解決されていません。

地政学上も難しい立地にある日本にとって、
近隣諸国と抱える国際問題の解決は、
国の行く末にも大きな影響を与えます。

だからこそ、日本の歴史教育のあり方を今こそ改め、
1人でも多くの人が歴史に興味を持ち、
歴史の意味を考えられるようになってほしいと願います。

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