初対面でもポートレート!
プロになって間もない頃。
ブライダルの現場では、新人でもいきなり一人で撮影させられることは当たり前です。人見知りの私にとって、自然な笑顔を撮る事はおろか、会話を弾ませることが難しかったので、はじめは上手くいきませんでした。場数をこなして試行錯誤していくうちに慣れてくるわけですが、経験の中で感じたコツの中で、
ポートレート撮影初心者の方向けに
”初対面での撮影で大切なこと”
を3つのポイントに絞ってnoteに綴ります。
初対面ポートレートでなくても、人見知りの方はコミュニケーションの参考にして頂ければと思います。
第一印象が大切
撮影はコミュニケーションです。
コミュニケーションは、あいさつと自己紹介から始まります。
いきなり挙動不審になってしまうと第一印象は最悪ですので、あらかじめ話す内容は決めておいて、はっきりと言えるようにしておきます。
「元気な挨拶+覚えてもらいやすい自己紹介」
これを、”満面の笑み”で
人の第1印象は3秒で決まるといわれていますので、元気なあいさつに加えて、笑顔を意識しましょう。その後は笑顔の維持が難しければ無理する必要はありません。とにかく、第一印象が大切です。
印象の良い自己開示をしたら相手の名前も聞いておきます。
撮影中に名前呼ぶことができれば、お互いの心理的距離は近づきます。
大切なのは、自分から自己開示をするということです。
自己開示を先に行う方が単に印象が良いだけでなく、相手からも自己開示が期待できます。
これは書くまでもないですが、清潔感は気にしましょう。
プロの撮影現場でもたまに、ヨレヨレの服装・体臭がきついなど、清潔感のないカメラマンがいますが、写真はセンスが良くても印象は最悪です。
何度も書きますが、第1印象は大切です。
その後の撮影も上手くいきます。
会話はカメラを使う
モデルさんとの会話を盛り上げる必要はありません。
(出来るならそれに越したことはないですが)
モデルさんが考えていることは、
カメラマンが面白いかは関係なく、良い写真を撮ってほしい。
そして良い写真とは、
カメラマンが撮りたい写真ではなく、モデルさんが撮ってほしい写真。
カメラマンの自己満足だけでは良い写真とは言えません。
WIN-WINの撮影になるよう、モデルさんの好みもしっかり把握しましょう。
これを会話だけで探ろうとするのは至難の業ですが、簡単な方法があります。それは、
撮った写真をその場で見せる事
フィルムカメラだと困難ですが、デジタルカメラでの撮影がほとんどだと思いますので、いくつかのパターンで撮った写真をその場で見せましょう。良いと思った写真にはリアクションがあるはずです。モデルさんからリクエストがあればこの時に具体的なイメージが聞けるでしょう。お互いのイメージを共有することで安心感が生まれるだけでなく、場も和みます。
ちなみに、写真のパターン(引き出し)を増やすにはとにかく多くの写真を見て、どうやって撮っているかを想像することで養えます。ただし、基本的な撮影技法を勉強した上で。
自然な表情を撮る
素人相手に初対面で自然な表情、イメージ通りの表情を撮る事は難しいです。
突然ですが、
皆さんのスマホにある、良い表情の写真は誰が写っていますか?
おそらく、恋人・友人・家族といったところでしょう。
モデルさんと、恋人・友人気分で撮影できるコミュニケーション能力があれば良いのですが、人見知りにとっては困難です。陽気な人を取り繕って、楽しい写真を撮る事はできるでしょうが、長続きしませんし、不自然になる事さえあります。
そこで私は、あえて直接のコミュニケーションを諦める事があります。
どういうことかというと
撮影現場にいる、友人・恋人と会話をしてもらいます。
その隙を狙うのです。
念の為、会話のお題はあらかじめ用意しておきましょう
”恋人同士であればお互いの第1印象は?”とか
”昨日何食べた?”など、簡単なことで良いです。
必ずと言っていいほど自然な笑顔が撮影できます。是非試してみてください。
しかし、現場に誰もいない場合もあると思います。
その時に重要なのは、
緊張を和らげることです。
大きなカメラを向けられることは非日常ですので、どうしても緊張してしまいます。”撮られている”という意識をそらす必要があります。
意識をそらすためには、他の何かに集中してもらうと良いです。
例えば
・その場でジャンプしてもらう
・しりとりをする
・好きなタレントの話をする
・自撮りをしてもらう
など、なんでもOKです。
特に、自撮りをしてもらうと、モデルさんがどういう角度で撮られたいかもわかって、その後の撮影の参考になります。
間違っても
”はい笑って~”
などという指示はしないようにしましょう。
もれなく作り笑顔になります。
会話や動作の中で自然に切り取りましょう。
まとめ
好印象な自己開示をして安心してもらう
写真を見せてお互いのイメージを共有
緊張を和らげて自然な表情を引き出す
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