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変えたいきっかけ。

人生を変えたい。モテる自分に変わりたい。成功者になりたい。

何かを変えたい!と思うきっかけは人それぞれ違う。他人にとってはどうでもいいきっかけも、当の本人にとっては大きかったということもよくあるのだろう。もちろん、その結果変わろうとしても何ら変化も生じないことだって多い。そして良くも悪くも変わらぬ明日を迎えていく。

僕は20歳からライブハウスに行くようになった。当時付き合っていた社会人の彼女の付き添いで行ったのが始まりで、たまたま目当てのバンドの対バン相手にハマってしまった。

僕はライブで手を挙げたり、リズムに合わせて揺れることが苦手だった。見様見真似で動いてみるけど、どうやってもレゴの関節数を超えることが出来ない。諸々の音痴というより、リズムに乗っている自分が恥ずかしいと思っていたのだろうと今は思う。もちろん、今現在はそんなの気にせず、最高に楽しんでいる。

ここから先、ライブハウスが人生を変えてくれました!音楽って最高だね!という話をしたいわけではない。

僕はその彼女と結婚し、離婚した。

いろいろ教えてもらう側だった自分だが、音楽を教えてくれたことは大きかった。

テレビで見ることの無いアーティストと見つけ、今でいう「推し」へと昇華させていく過程がライブやライブハウスという場所にはある。その場所に通う回数が増えれば経験が増え、知識が増えていく。そして同じライブは二度とない。といったような、人生初の「エモ体験」に陶酔していったのがきっと楽しかったのだろう。そして確かに生活が少し豊かになった気がした。

15年以上経った今も、変わらずフェスにいったり、アーティスト個別のライブに行くことはある。ただそれはどちらかというと瞬間的な楽しみを重要視しているのであり、単に音楽を聴くことが好きになっていて、楽しむ方法がライブであるというのが合っていると思う。前のような人生が乗っかる感じは無い。

改めて言うことではないが、ライブやフェスイベントは本当に楽しい。心地よい音楽もさることながら、アンプから飛び出る音が体を突き抜けていく感覚は、自分が何者であるかをどうでもよくしてくれる。言い換えれば、ストレスが吹き飛ぶのだ。

ただ正直、好きになるきっかけが別だったらと思うときがある。今はお互い別の家庭を持ち、別の人生を歩んでいるのだからもう他人なのだけど、当然消えない過去でもある。このきっかけは、話す相手によっては言い出しにくい。別のきっかけでハマっていたらと考えると、胸がチクっと痛い感じはあるのだ。

生きてると、大なり小なり変えたい過去があるのは普通のこと。

僕にとってはこれが「変えたいきっかけ」なんだなと思う。
まだまだ青い、そんな男だことで。



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