おもろいけどなんだか豪快には笑えない話
『おもろいけどなんだか豪快には笑えない話』
親父が亡くなって早4ヶ月が経とうとしている。
1月の後半頃、自宅に一通の封筒が届いた。
静岡県富士市の家庭裁判所からだ、
なぜか一瞬ドキッとしたが、いやいやなんもやってない。ってことで開封したら
『遺言書』の確認を行うから立ち会えるかどうかの内容。
なんか、行列のできる法律相談所とかでよく見てたけど本当にあるんだな~
この目で親父が残していった言葉を確認しに妹と立ち会うことに。
そして、先日行ってきた。
よそよそしく裁判所の中へ入り届いた手紙を出して
参加の手続きをする。
名簿的なものには見たことのない名前がすでにあり、
『あの~、この方も相続人の方ですかね?』と恐る恐る聞くと
『はい、そうです。』と
妹と顔を合わせ
でた~!笑
こういうパターン!と心の中でハモったと思う。
待ち合い室に行き、ソワソワしながらその時を待つ。
『藤村さ~ん』
きた、呼ばれた
重たい空気が流れる中、入室すると、
再婚していた奥さん、まぁこの人は前々から知ってるし、いて当たり前
そしてもう1人。
ん!?!?
誰だ!?!?
大柄な男の人
私語厳禁みたいな空気感だったので、特に喋らず軽く会釈。
なんか変な空間の中、やけに緊張する遺言書開封が行われた。
こんなものが入ってましたよ~
これは○○の書類ですね~
とか取り出していく
そして親父が残した遺言書がやっと姿を表した。
そこで内容をしっかり確認はさせてもらえなかった。
また後日コピーが送られてくるそうだ。
筆跡確認。
はっきり言って見せられてもようわからん。曖昧な返事をする。
まったく同じような感じで妹も返事をする。
大柄謎の男は
食いぎみに
『あ、俺全然わかんないんでいいっす』とあっさり。
えええええええええ!!!!
いや!!誰ぇぇぇぇぇ!?!?
ダウンタウンまっちゃんばりにつっこみたくなったが心の中でとどめた。
あっさりと15分程でその時間は終わり。
僕はその大柄謎の男の正体をつきとめるべく、勇気を出して声をかけた
『あ、どうも、いや~どちらからっすか?』笑
今思えばいきなりなんやねん!笑
緊張していたんだと思う
謎男:『あっ、自分、横浜っす』
えええええええええ!!!!
神奈川!!!!笑
ますます誰ぇぇぇぇぇぇぇ!?!?笑
『どういった感じなんすか、今日は?』笑
謎男:『あっ、息子です。お父さんの顔も知らないっすけど、なんか手紙きて……』
えええええええええ!!!!??笑
まじか!!!!笑
話を聞くと
どうやら親父は僕たちが生まれるもっと前に結婚していたらしく、早々なのか知らないが離婚して、子供もいたのだと
そして、その次男の方が大柄謎の男の正体だったのだ。
親父よ、プレイボーイやな、中々。
マスクをしていたので表情は目くらいしかわからないが、なんとなく親父の面影はある。
血の繋がりってすごい。
色々話してたらなんだか仲良くなって、
『飯行きません!?』って
うどんを食べに行った。
セルフサービスのうどん屋
好きな天ぷらをとり三人で席につき
いざ、実食!!!!
その時、とんでもない光景を目の当たりにした。
マスクを初めて外した謎の男。
親父に似てると思っていたが、顔面の下半分が見事に俺だった。
そして、改めて全てを総合的にしっかり見てみると
やっぱり俺だった。
妹からしたら急に兄が増えた。
そんな感覚だっただろう。
でもなんだか、初めて会ったとは思えない程の親近感を感じた。
血の繋がりってすごいな。
こんな出会いもありだな。
なんか複雑だけど、嬉しかったな。
めちゃくちゃいい人だったし、
親父~~
まさかこんな日がくるとはな~
あんたの息子に会ったぞ~
飯食ったぞ~
奢ってくれたぞ~
いい人だったぞ~
俺もあんたの息子だぞ~
みんな親父の顔だぞ~笑
血は争えねーなぁ~笑
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#親近感
#背丈は似なかった
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