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オンライン英語学習が未来のリーダーを育てるポテンシャルの高さ - タクトピアのオンライン実践記(3)

こんにちは、タクトピア代表の長井です。このnoteでは、もともとオフラインを得意としていた弊社が、コロナ影響下でオンラインでのプログラム提供に乗り出した記録を書いています。過去2回は、中高生のための無料オンライン配信「CHATOPIA!(ちゃっとぴあ)」について書きました。

3月第2週から開始したCHATOPIA!ですが、実はそれよりも早くオンラインへのシフトに踏み切ったプログラムがありました。それが「ハイブリッド型放課後インターナショナル LinguaHackers(リンガハッカーズ)」です。今回は主にLinguaHackers(以降、リンガと略します)の奮闘と、それを通じて垣間見えた、アフターコロナのリーダー育成におけるオンライン学習のポテンシャルについて感じたことを紹介します。

1.そもそもLinguaHackersとは

リンガはタクトピアの英語教育エキスパートである嶋津幸樹がリーダーとなり立ち上げた英語学習プログラムです。英語検定3級程度〜の中高生を対象に、4技能型の総合的な英語力を習得します。いわゆる反転授業方式を取り入れており、オンラインで情報のインプットと宿題をおこない、オフライン(教室)でスピーキングを中心としたアウトプットをおこなうという形式でした。教室を長時間確保する必要がなくなるので固定費が下げられ、月謝も安くでき、学習者としても好きな時間に勉強ができるというwin-winな方法でした。地方格差なく全国に世界標準の英語学習を広げたいという思いから、東京だけでなく山梨、大阪、岡山、長野など順次拠点を増やしていました。

開発者・監修者の嶋津幸樹は地元山梨で高2で塾を起業、24歳で売却、IELTS 8.0を獲得し、オックスフォード大学・ロンドン大学(UCL)の修士課程にダブル合格、ロンドンで在学中にタクトピアへ入社(これぞリモートワークですね)、帰国後に世界で最もイノベーティブな教育を実践する英語教師に贈られるPearson ELT英語教育ティーチャーアワード2017を受賞、著書7冊、などなど、どう見ても生き急いでいる英語教育の猛者です。こんなピカピカの経歴に見える彼でも「どんなに4技能テストのスコアを良くする努力をしても、現地では役に立たなかった」という苦い思い出がありました。これからの世代の若者には同じ轍を踏んでほしくない!という強い思いから、日々呼吸をするように英語学習プログラムを生み出し続けています。彼の波瀾万丈なライフヒストリーが出版されますのでぜひ手にとってみてください!

さて、「4技能テスト(世界ではIELTSとTOEFLという二大巨頭があります)のスコアが良くても、実践では必ずしも役に立たない」という彼の問題意識は、リンガのプログラム内容にも表れています。その一つは「英語"で"グローカルなトピックを学ぶ。内容に意義があり面白いから勉強するし、意見を言いたくなる」というものです。たとえば地球環境やメガシティのような規模の大きな話から、健康や身体といった身近なものまで、多種多様なトピックが用意されています。特定のトピックについて徹底的に学ぶことで、知識教養のみならず、語彙や言い回し、自分なりの意見形成、はては問題解決のアイデアづくりまで訓練することができるのです(下の写真はアイデアの最終発表の指導をする嶋津と私。NHKの「おはよう日本」に取り上げていただきました)。その他に動画素材の活用、コードスイッチング理論による第二言語の活用などありますが、ここでは割愛します。

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2.オンライン実施の隠れたメリットが即座に判明

そんなリンガですが、いままでは「とはいえ、生徒さんはオフラインが楽しいから学習するんだろう」という理解をしていましたし、実際アンケートでもそのような傾向が出ていました。それだけに、今回のコロナショックにより「教室で集まってプログラムができない」となったときには、社内でも暗い雰囲気が立ち込めました。「しかたがない、教室でやっていたプログラムをオンラインに切り替えよう」という、半ばネガティブな動機により切り替えを決定しました。

幸い受講者のご家庭からも「こんな時期でも継続してくれるなら」とご理解をいただき、オンラインでのセッションを始めたのが3月4日。そこから、たちどころにオンラインのメリットが実感されはじめたのです。

ざっと挙げると
・教室でやるより、一人ひとりの顔がよく見えてインタラクションが濃い
・周りの雰囲気に飲まれずグループワークやペアワークができる(Zoomのブレイクアウト機能の活用)
・もともと離れた場所にいる(例:大阪と東京)生徒さんも交流できるようになった
・移動時間や移動費が必要なくなるので、圧倒的に見学希望が増えた
・教室への移動時間や夜間の治安を懸念していたご家庭が、むしろ「オンラインで受講できるなら」と申込みをしてくれた
・お客様だけでなく、講師以外の開発スタッフも気軽にクラスの様子を見ることができ、開発へのフィードバックがスピードアップした
・オンラインでも分かりやすいワークの指示を心がけることで、プログラム設計の標準化が進んだ
などです。

もともとオンライン学習に詳しい方なら「ほら、前から言ってるやん!」とツッコミを入れたくなるような内容だと思いますが、それほどまでに私たちはオフライン独自の学習効果を信じて疑いませんでした。今回のコロナというきっかけによって、ひとつout of the boxが実現できたわけです。

さらに副次的効果もありました。生まれついての英語教育者である嶋津は、「浮いた移動時間を使って、新しいプログラムを生徒に届けたい」と考えLinguaLive(リンガライブ)を構想しました。こちらは上記のセッションと違って、いわゆる生配信をおこなうものです。生徒の発言を促すインタラクションは上記のようなセッションでおこなうため、こちらは逆にインプットの量を増やす目的で開発されました。ちなみに下の写真は、嶋津から「これ買いたいマジお願い」と突然メッセンジャーでおねだりされたLinguaLive用の本格的な照明器具です。

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3.次世代リーダー育成プログラムとしてのさらなる進化のために

そんな経緯で急速にオンラインシフトを進めてきたリンガですが、教室(オフライン)がなくなったりLinguaLiveが新しく付け加わったりと変化が大きくなってきたため、一度学習コンテンツの体系を整理することになりました。ゴールは変わらず「世界に羽ばたくグローカルリーダーへの成長」とし、実践で使える英語力(4技能)とグローカルスキル(3技能)をあわせた「7技能」の習得を学習目標として置いています。

※ちなみにグローカルスキルの3つこそ、嶋津が留学中に悔しい思いをした「英語4技能だけでは足りなかったチカラ」をまとめたものです。内訳としては「対自分力(メタ認知、目標設定・振り返り)、対他者力(議論、協働)、対社会力(知識・教養、批判的思考、意見表明)」があります

コンテンツについては、大きく3つに分けて整理することにしました。
1. Lingua Interactive(リンガインタラクティブ。バイリンガル講師による1回2時間・月2回の参加型オンライン授業)
2. Lingua Home(リンガホーム。自主学習用コンテンツ配信&ライティング添削)
3. Lingua Live(リンガライブ。嶋津幸樹による毎週1回2時間の生配信授業)

この3つをグルグルとサイクルしながら学んでいくことで、学習ゴールを達成していきます。前述した講師や嶋津のほか、自主学習用には自動で採点と解説がついてくるシステムや、専門知識をもってライティング添削をしてくれるスタッフなど、多種多様な工夫でチーム一丸となって開発・運営を進めています。

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4. LinguaHackersが未来のリーダーを育てるプログラムである3つの理由

ここまで、英語学習プログラムとしてリンガのオンラインシフトの話をしてきました。ただ、世の中にはオンラインの英語プログラムなど山ほどあります。最後に、なぜリンガが特別であり続けられるかを、3つの観点から述べたいと思います。

1つめは、リンガが「自律的な学習者」を育てるよう設計されている点です。これまでの実践経験のなかでも、ぐんぐんとチカラをつけていく生徒さんは「英語というより内容が面白くなっちゃって、関連する動画や記事のリンクを辿りまくっている間に英語が上達した」という現象が共通しています。つまり重要なのは、クラスや宿題における勉強内容を充実させるだけでなく「勉強以外の時間も、勉強と思わずつい英語に触れてしまう」くらいのモチベーションを提供できるかどうかです。リンガのプログラムが素晴らしいのは、内容に興味を持ってもらうための工夫や、英単語にまつわる面白い語源の話、関連する記事や動画へのリンクの紹介など、その気になれば永遠に学び続けられるような環境を提供すべく日々開発を続けていることです。嶋津をはじめメンバーたちのこれまでの研究の蓄積が、これでもかと唸りを上げてコンテンツに投入されています。

今回のコロナウィルスの影響は、まだまだ続くと予想されます。学校も分散登校などの措置により、すべてを先生が直接教室で教える形態から自学自習の時間を織り込んだ形態にシフトしていくでしょう。その状況下で「先生が教えてくれなきゃ勉強できない」と言い続けるのか、自分で進んで学ぶことができるのか。この態度の差は将来の成長速度に大きな違いを生むでしょう。

2つめは、アフターコロナの世界では英語によるオンラインでのコミュニケーションスキルが大変重要になってくる、という背景です。例えば、小林慎和さんの書いたアフターコロナに関する記事では「リモートトラスト remote trust」という概念が提唱されています。

オンラインを通してリモートで会うだけでも信頼が得られ、大きな仕事を進めることができるチカラがあれば、瞬時に世界を相手に活動することができるわけです。そう、「リモートでありながら英語で自分を表現し、意見を伝え、協働するチカラ」さえあれば。東南アジアでさえ片道4〜6時間、欧州や米国であれば9〜12時間、アフリカなら24時間程度も移動時間と体力を削る代わりに、リモートで事を進められるチカラがあったなら、それは莫大なアドバンテージになることは間違いありません。LinguaHackersが目指しているのは、そうした未来の環境での活躍まで視野にいれた能力の獲得なのです。

もちろん、オフライン(対面)でしかできないことも残ると思いますし、オフラインでの交流能力も依然として重要ではあると思います。しかし生活の前提が間違いなく変わるこれからの時代、いまの若者に本当に役立つチカラを提供するのが教育業界の責務ではないでしょうか?

3つめは、上記2つを備えた「全国に散らばる同世代の仲間ネットワーク」です。すでに述べたように、リンガでは本来別々の教室で受講していた生徒さんが、オンラインでは同じセッションに参加し、意見を述べ、ペアワークで議論をしています。定期的に地球環境や人口問題などのビッグアジェンダを世界の視点から学んで、英語でディスカッションしている日本全国の若者のコミュニティを想像してみてください。そして、そのコミュニティが10年後、どんなポテンシャルを秘めているかを。控えめに言って激アツじゃないでしょうか。この点は、同じオンライン学習でも個別学習型のサービスでは決して手に入らないものです。安宅和人さんの新著『シン・ニホン』では、これからの日本で求められる人材のタイプとして「起爆人種」「参画人種」「応援人種」を挙げています。この世界でイノベーションを起こすには、ひとりではなくコミュニティやチームでの協働が必要なのです。リンガは、こうした文脈でも若者の成長に大きく貢献できると考えています。

だいぶ長くなってしまいましたが、リンガはこうして完全にオンラインへの移行を完了しました。これからが本当の勝負です。上記のような未来、学びのゴール観、ワクワク感に共感いただける方は、ぜひ無料体験にもお越しいただければと思います。みんなでこのコロナ時代をさらなる成長のためのバネとしていきましょう!

以下は2020年5月中の無料体験のスケジュールとお申込みのフォームです。少しでも興味のある方はぜひご参加ください!お問い合わせもお気軽に、お待ちしています。

7月の無料体験授業スケジュール(Lingua Live)

7月の無料体験授業スケジュール(Lingua Interactive)

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