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中高生のための無料オンライン配信を立ち上げた話 - タクトピアのオンライン実践記(1)

こんにちは、タクトピア代表の長井です。新型コロナウィルス(COVID-19)の影響による緊急事態宣言の延長期間に入り、都市部を中心として本格的なオンラインでの授業提供に入った学校さんも多いかと思います。これに先立ち、神奈川県の山手学院中学校・高等学校の時乗校長が主催されたオンラインイベント「生徒の学びを止めないために学校のオンライン化をどのように進めるか」が5月9日夜に開催され、100名を超える学校関係者が集い熱心な情報交換が行われました。学校での実践知の共有がメインでしたが、私も登壇者の末席に加えていただき民間企業の視点からオンラインプログラム実践の紹介をさせていただいたので、こちらにも記録を残しておこうと思います。

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事の経緯

忘れもしない2020年2月の最終週、3月に予定されていた数々の海外・国内研修の怒涛のキャンセルが始まりました。タイミングはさまざまでしたが、ある研修などは弊社のスタッフ2名がすでにボストンへ飛んで準備万端で待ち構えているところにキャンセル連絡が来て、寂しく帰国せざるを得なかったという事件もありました。

この後、結果としてすべての研修がキャンセルとなるわけですが、私たちが心を痛めたのは何よりも研修を楽しみにしてくれていた生徒さんの気持ち、でした。事前研修やITツールで交流を重ねていたこともあり、中止を聞いて落胆する生徒さんの声を漏れ聞いたり、「うちの子は中止連絡を受けてから部屋でずっと泣いています」といった親御さんの連絡を受けたりするたびに、行き場のないネガティブな感情が沸き起こり、社内の雰囲気はどんどん暗くなっていきました。

「このままではいけない」と思い立ち、休校期間となってしまった3月を生徒さんにとって学びに溢れたものにすべく、社内メンバーと新しい企画立案をし始めたのが3月の第1週。そこからいくつかのオンラインプログラムがリリースされることになりました。

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1. CHATOPIA!(ちゃっとぴあ)

全国の中高生を対象とした、Zoomでの無料配信プログラムです。プログラム名に入っているCHATは、英単語で「to talk to someone in a friendly informal way / 誰かと親しく、肩の力を抜いて話すこと」という意味があります。その名のとおり、タクトピアのラーニングデザイナーたちが代わる代わる進行役を務め、さまざまな話題を切り口に視聴者とのチャットでのやりとりも含めて気軽におしゃべりしていく形式を取りました。裏テーマは「余白」です。
・進行をガチガチに決めず、その場での思いつきや議論やユーモアを歓迎
・「ザ・勉強」な話題ではなく、視野を広げるきっかけになるような話
・正解を示すのではなく、正解からほどよい距離を取って話す
といった、いい意味でのゆるさをもったプログラムとしてスタートしました。

中高生があくまで主役なので、配信する話題も一緒に決めようと思い、3月9日(月)に「生徒会」と称した企画会議を実施してブレストをおこないました。その結果を反映しながら、3月中は平日毎朝に配信をおこない、4月以降は水曜日の夕方と日曜日の朝の週2回体制で配信を続けています。本日までに、全28回が完了しており、話題も多岐にわたっています。ちょっと取り上げてみると
・海外進路
・10代を変えた本
・ユーモアと文化
・英語トリビア
・真面目じゃない学び(海外編)
・全く新しい映画の見方
・地域の食文化を語る
などなど。どの切り口から入っても、新しい学びの気づきが得られそうではありませんか?(手前味噌全開ですが、自信をもってすべて面白かったと言えます)

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配信はすべてライブだったのですが、中高生の皆さんのリクエストをいただき、急遽アーカイブ(録画)を公開することになりました。ラーニングデザイナーの渡邉慎也(Shinya)が制作してくれたWebがコチラですので、これからCHATOPIA!を観てみたいという方はぜひアクセスしてみてください。今後の配信予定に関しては各種SNSでお知らせしています(FacebookInstagramtwitter)。各回の素敵なジャケットはラーニングデザイナーの北嶋友香(Yuka)のデザインです。

長期休暇期間中に研修を提供することが多いタクトピアにとって、これほど高頻度で中高生の皆さんと交流できる機会はじつは初めてといえます。中高生の皆さんからは「勉強がちょっとイヤになりかけてもCHATOPIA!に来ると不思議にモチベーションがあがる」「次の〇〇さんの回はいつですか?」など、嬉しいコメントを次々にいただいており、ラーニングデザイナー冥利に尽きる現象が起きております。また、学校の先生方が生徒さんに声をかけていただいて、みんなで参加→感想の共有と振り返りをおこなう、といった、ちょっとした課外授業のように活用いただいている例もあります。大変ありがたいことです。

数々の研修で生徒さんと面と向かってコミュニケーションすることに慣れているラーニングデザイナーたちも、オンラインで不特定多数のオーディエンスに向けて配信するという形式は大いなるチャレンジでした。意外に普通にしゃべっているようでも、回数を重ねるごとにノウハウが溜まっていって活かしている点もあります。これについては別の回で扱えればと思います。

思いのほか長くなりそうなので、今回はこれで終わりにします。次回もコロナ影響下でのオンライン実践事例をまとめます。

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CHATOPIA!(ちゃっとぴあ)アーカイブWebサイトはコチラから
http://chatopia.taktopia.com
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