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映画『PERFECT DAYS』を観て思った日常の新鮮さ

主演の役所広司がカンヌ国際映画祭で最優秀男優賞を受賞し、アカデミー賞では国際長編映画賞にノミネートされた映画『PERFECT DAYS』を観てきたので、その感想と観ながら感じた日常の新鮮さについて綴るます。
ネタバレについては有り無しどちらの派閥でもないが、これから観る人も多くいると考えられるので、映画.comにあったあらすじ以上のネタバレはしない。
ちなみに、コナンは工藤新一である。
以下あらすじ。

東京・渋谷でトイレの清掃員として働く平山。淡々とした同じ毎日を繰り返しているようにみえるが、彼にとって日々は常に新鮮な小さな喜びに満ちている。昔から聴き続けている音楽と、休日のたびに買う古本の文庫を読むことが楽しみであり、人生は風に揺れる木のようでもあった。そして木が好きな平山は、いつも小さなフィルムカメラを持ち歩き、自身を重ねるかのように木々の写真を撮っていた。そんなある日、思いがけない再会を果たしたことをきっかけに、彼の過去に少しずつ光が当たっていく。

https://eiga.com/movie/99306/

感想

あらすじにある通り、この映画はトイレ清掃員おじさんのモーニングルーティン、休日ルーティンがひたすら繰り返されるのだが一日一日の細かい差を描く表現が非常に秀逸だと思った。
これ以上書くとネタバレを書いてしまう気がするが、おそらく1ヶ月くらいだと思われる時間軸の中で、変わらない物と変わり続けている物の対比が印象的に描かれていた。(8番出口の感想みたいである。)
これらことについては次のパートで触れる。
感動の種類としては『プラダを着た悪魔』が近いと思った。
じーーんと来るタイプ、明日からも頑張ろうみたいな。

日常の新鮮さについて

前述した通りこの映画に出てくるトイレ清掃員おじさんは毎日同じようなルーティンを送っている。
朝起き、歯磨きをし、植物に水をやり、着替え、外に出て空を見、缶コーヒーを買って出勤する。
※これらの場面は予告にも映っていたのでネタバレではない
同じようなルーティンを繰り返す日常の中で、トイレ清掃員おじさんはいつもとは違うものを見つけてはニコニコしている。
唐突に筆者の自分語りを始めるが、筆者は"同じような日常を送るなんて嫌だ"というマインドで生きている。
そのため、聴く音楽のジャンル, 昼ごはん, 家に帰る道などを定期的に変化させている。
このようなマインドの根底には刺激への欲求があると考えられるが、これが若さによるものなのか、そういう性格なのかはいまいち分からない。
ただ、一つ言えるのは、この映画に出てくるトイレ清掃員おじさんと筆者のマインドは相反するものではないということである。
トイレ清掃員おじさんは変わらない日常を観察することで変わったもの、新しいものを見つけようとしているのに対して、筆者は環境を変えることによって変わったもの、新しいものを見つけようとしているのである。
筆者の実践している環境を変える方法は色々未定な若いうちだから出来ることとも言え、年を重ねるにつれて難しくなってしまうかもしれない。
SDGsでないのでヨーロッパ辺りから怒られるかもしれない。
トイレ清掃員おじさんの実践している方法は刺激こそ大きくないがサステイナブルである。
ということで、読者の皆さんには周りを観察する時間を日常に取り入れることを提案したい。
いつも髪ボサボサなバイトの先輩がやたらオシャレしている日があるかもしれない。
人生経験が少ないので例の解像度が低いが、いつもの日常に楽しさを感じられるようになることは、今後の人生を生きる上でのライフハックになるであろう。
同じタイプの教訓を与えてくれる映画として『アバウト・タイム』がある。
おすすめなので観てほしい。

終わり。


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