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自分を大切にするための離婚

自分がなぜ今離婚を目前に控えているのか。
夫婦間で特段大きな問題なく、仲良くやってきたはずなのに、
なぜ自分から離婚を考えるに至ったのか。

離婚が頭をよぎる瞬間は何度かあったが、
そのうちの一つのきっかけは、誰かに優しくされたときだ。
誕生日のお祝いでも、壮行会でも、何気なく世間話しているときでも、
自分の奥さん以外に優しくされたとき、
そしてその優しさが奥さんから自分に向けられる優しさ以上に感じられたとき、自分はこんなに優しくしてもらえるんだ。そう感じることがあった。
時間を気にせず自分の話をじっくり聴いてくれる人と話しているときも、
自分のことを大切にしてくれていて嬉しい、そんな風に思うことがあった。

結婚してから年月が過ぎ、夫婦お互いが多忙になるにつれて、
自分の存在は後回しになり、奥さんの自分に対する優先順位が低いなと感じるようになっていた。
一方自分は、奥さんのことが大好きだったし、いつでも奥さんに対する優先順位をいつも一番に置いてきた自負があった。

自分は大好きで大切にしているのに、相手からは大事にされていない。
奥さんよりも、他の人の方が自分を大切にしてくれる。
これなら、自分のことをもっと大切にしてくれる人と一緒にいた方が幸せなんじゃないか。
そんな風に感じてしまうようになっていた。

離婚を目前に控えた今でさえ、自分は奥さんのことが大好きだと言える。
自分が離婚を切り出したのに関わらず。
でも、奥さんには人生でやりたいことが山ほどある上、自分のことはもう男としてみられない(もちろん大切な家族としてみてくれてはいるが)と、はっきりと言われている。

相手のことがいくら大好きでも、相手をコントロールすることは出来ない。
もっともっと自分を大切にしてほしい、そう伝えることはできても、
自分が思う通りに相手に自分を愛してもらえるわけではない。

相手のことを見返りを求めず愛し尽くしたら、いつか必ず愛は返ってくる、
そう信じる自分もたしかにいる。
でも、一度きりの人生、30代半ばに差し掛かったところで、
ただ時間が過ぎていくのを待っている時間は無い。

大好きな奥さんと別れる決断なんて、異常なようにも思える。
世間一般からみたら、幸せな結婚生活だといえるようなものかもしれない。
でも、世界のどこかに、自分のことを何の制限もなく、男としても、一人の人間としても、他の誰にも負けないほど大事にして愛してくれる人がきっといる。自分はその価値がある人間だ。そう信じている。

離婚が正しい選択かどうかはわからないし、
未来がどうなるか、今よりも良いパートナーと出会えるかなんてわからない。
でも、自分を大切にして生きるためには、自分をこれでもかというくらい大切にしてくれる人と一緒にいたい。
そして、それに負けないくらい自分も相手を大切にしたい。
そんな風に生きていきたい。

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