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FIREに向けてまず最初にやること - ライフプランを考える -

FIREに向けてまず最初にやるべきことは何でしょうか?
それはライフプラン(人生計画)を立てることだと考えます。
例えばマラソンでゴールの位置がわからなければ、走るペースを決められませんし自分が今どの位置を走っているのかわかりませんよね。
FIREも同じで、お金をいつどれくらい使うのか想定できていなければ、どんな投資をすればよいか、どれくらい増やせばよいかわからないですし、その投資を続けていて問題ないのかも判断できません。


前提

ライフプランを立てるときはあまり厳密になりすぎないほうが良いです。
将来のことはわかりません。立てた計画が変わるかもしれません。最初に完璧な計画を立てるのではなく、状況が変わる都度見直していけばよいのです。

[ステップ1] 現状の把握:家計簿をつけてみる

まずは毎月いくら使えて(収入)、そのうちいくら使っているのか(支出)を把握します。
この目的は将来にわたって必要になる生活費を見積もることです。また本記事では扱いませんが家計の見直しをするにも必要です。

現時点の支出はざっくりで良いので家計簿をつけてみてください。
コツとして、不定期で発生するものは月額に換算するか [ステップ2]で考えます。

  • 月額に換算するのに向いているもの

    • ある程度予測ができるもの:各種税金、年会費、保険料など

      • 年に1回なら12か月で割って月額にする

    • 比較的少額なもの

      • 7月に夏服を3万円で買ったら、夏の3か月着ると想定して7月8月9月に1万円ずつ使ったとみなす

  • [ステップ2]で考えるもの

    • 滅多に発生しないもの:結婚式や引越しなど

    • 金額の大きなもの:自動車や住居の購入など

家計簿をつけたら月にいくら使っているか集計してみてください。
月によってばらつきが出るため、ざっくり平均すればよいです。
また、どの費目に入れるか迷った場合は適当に決めて問題ありません。家計簿をつける目的は支出の全体像を把握することです。
以下は家計簿の例です。

$$
\begin{array}{|ll|l|r|} \hline
  & \bold{費目} & \bold{例} & \bold{金額} \\ \hline
収入 & 給料(手取り) &    & 30万円 \\ \hline
  & 水道光熱費 & 水道・電気・ガス & 1万円 \\
  & 通信費 & インターネット回線費、携帯料金、アプリ課金など & 5千円 \\
  & 保険料 & 生命保険、個人年金など & 1万円 \\
  & 自動車関係 & ローン、駐車場代、ガソリン代など & 2万円 \\
  & 教育費 & 学費、習い事など & 1万円 \\
  & 交通費 & バス、電車代など & 1万円 \\
  & 税金 & 自動車税、(自営業なら)国民年金など & 1万円 \\
  & 娯楽 & サブスク、ジム代、書籍購入など & 2万円 \\
  & 食費[自炊] & 材料費、惣菜など & 3万円 \\
  & 食費[外食] & & 1万円 \\
  & 日用品 & 洗剤、雑貨など & 5千円 \\
  & 交際費 & 飲み会、プレゼント代など & 1万円 \\
  & 被服費 & 洋服代、靴代、コンタクトレンズ代など & 5千円 \\
  & 美容系 & シャンプー、化粧品など & 5千円 \\
  & 医療費 & 診察代、薬代など & 5千円 \\
  & その他 & 月額に換算したものなど & 1万5千円 \\ \hline
\end{array}
$$

収支合計は24万円なので、30-24=6万円を毎月貯蓄できる(投資に回せる)ことが分かります。

[ステップ2] 夢の見える化:将来を妄想する

次に、将来やりたいことや目標を、特にお金に関わりそうなことに注目してピックアップします。
このとき、自分が何歳の時に実現したいか、お金がどれくらい減るか増えるかも併せて書き出します。例えば以下です。

$$
\begin{array}{|l|l|r|} \hline
\bold{イベント} & \bold{時期} & \bold{金額} \\ \hline
就職(手取り) & 20歳~60歳 & +25万円/月 \\
結婚 & 30歳 & -200万円 \\
→パートナーの収入(共働きを想定) & 30歳~60歳 & +15万円/月 \\
→世帯生活費 & 30歳~ & -5万円/月 \\
引越し & 30歳 & -30万円 \\
引越しによる家賃(増分) & 30歳~38歳 & -5万円/月 \\
昇進・昇給 & 30歳~60歳 & +10万円/月 \\
自動車の購入(ローン) & 31歳~36歳 & -5万円/月 \\
第一子誕生 & 32歳 & -50万円 \\
教育費、養育費 & 32歳~54歳 & -8万円/月 \\
第二子誕生 & 36歳 & -50万円 \\
教育費、養育費 & 36歳~58歳 & -8万円/月 \\
住宅購入(ローン) & 39歳~59歳 & -10万円/月 \\
昇進・昇給 & 40歳~60歳 & +10万円/月 \\
海外旅行 & 45歳、50歳、55歳 & -50万円/回 \\
役職定年 & 55歳~60歳 & -10万円/月 \\
退職金 & 60歳 & +1000万円 \\
年金 & 66歳~ & +20万円/月 \\ \hline
\end{array}
$$

書き出しができたら、それらを表にまとめます。
MicrosoftのExcelやGoogleのスプレッドシートなどを使ってみてください。
上記の例を表にまとめたものを以下に掲載しておきます。

[ステップ2]ライフプラン(Googleスプレッドシート)

上記リンクと添付ファイルは同じものです。Googleをお使いの方はリンクからアクセスして見ることができます。また、メニューから「コピーを作成」すれば、自分のGoogleドライブにコピーできます。Excelをお使いの方は添付ファイルをダウンロードしてお使いください。

表の見方は

  • 4行目:ライフプランを検討し始めた時点での貯蓄額

  • 5~10行目:収入の内訳

  • 11行目:毎年の収入合計

  • 13~25行目:支出の内訳

    • 13行目は、[ステップ1]で算出した支出を用いています(24万円x12か月=288万円/年)

  • 26行目:毎年の支出合計

  • 28行目:その年の貯蓄額

    • この行だけは前年までの累計(前年からの貯蓄とその年の収支の合計)になっています

今回の例では28行目を見てみると、

  • 現役の時は、何とか貯蓄がマイナスにならずに生活できそう

  • 88歳で貯蓄が尽きる

自身の現在の年齢や貯蓄額、収支に合わせてカスタマイズしてみてください。
もし収支がマイナスになってもこの時点では気にしなくて問題ありません。

[ステップ3] FIREのシミュレーション:投資をすることでFIREできるか

いよいよFIREに向けたシミュレーションをしてみます。
シミュレーションには3つのパラメータ(数字を変えてみる)を考えます。

  1. 貯蓄(資産)のうちいくら(何%)を投資に使うか

    • いざというとき手元にお金がないと困ることもあるため、全額を投資に使うのは危険です。資産の一部は貯蓄として確保しておきましょう。

  2. 投資でどれくらいの利益(利回り)を目指すか。

    • 投資経験がないと見積もるのが難しいですが、自分の目指す利回りを考えてみてください。

      • 株式や投資信託の長期投資で4%前後は目指せそう?

      • デイトレーダーなら20%も夢じゃない?

  3. 何歳で仕事を辞めるか

    • FIREしたい年齢を決めます。

ステップ2で用いた例でシミュレーションできるExcelファイルを以下に掲載しておきます。

[ステップ3]投資のシミュレーション(Googleスプレッドシート)

30~32行目のC列の値を色々と変えると、34行目に各年齢での資産残高が表示されますので試してみてください。

例えば投資に回す割合を80%として利回り4%で運用すると、50歳でFIREする場合は56歳には資産が無くなってしまいます。これではFIREできませんね。55歳の場合は資産は減らないようですが、もっと早くFIREしたいですね。
一方利回り20%で運用できれば41歳でFIREできそうです。

[ステップ4] FIRE実現に向けて:人生の優先順位をつける

ステップ3でみたように、現実的な利回り(4%)ではFIREできないことが分かりました。
ではどうすればFIREできるでしょうか。
お分かりかと思いますが、FIREするには以下を考える必要があります。

  • 収入を増やす

  • 支出を減らす

  • 投資に回す割合や利回りを上げる

それぞれに対する例を以下に書きますが、自分の人生で何を重視するかを考えて取捨選択してみてください。

  • 収入を増やす

    • 本業を頑張って昇進、昇給する(成果を上げる、スキルを磨く)

    • 給料の良い会社に転職する

    • 副業に取り組む

    • 結婚する(パートナーと共働きを想定して収入源を増やす)

    • 親の資産をあてにする(相続する)

  • 支出を減らす

    • 家賃の安い家に引っ越す

    • 固定費を見直す(例:携帯料金を格安プランに変える)

    • 食費を見直す(例:外食を減らす)

    • 自動車を買わない

    • 家を買わない(価格によってはトータルで賃貸より安くなる場合もあります)

    • 子供には奨学金を使ってもらう

    • 子供はあきらめる

    • 結婚をしない

  • 投資に回す割合や利回りを上げる

    • デイトレーダーになる

    • 空売りに挑戦する

    • レバレッジをかける

    • (私も勉強中です。よい方法があれば教えてください)

参考までに、45歳でFIREするために取捨選択してみたシミュレーションを以下に掲載しておきます。主な変更点は、

  • 本業を頑張る(昇給して、35歳には手取り660万円達成)

  • 副業をやる(60歳まで続けるサイドFIREを想定)

  • 生活費を切り詰める

  • 第二子はあきらめる

[ステップ4]45歳でFIREするシミュレーション(Googleスプレッドシート)

資産(33行目)を見ると、極端に資産が減ることもなく安泰ですね。もし投資していなかったら(27行目)、60歳には資産が枯渇するのでやはり投資は必要ですね。

まとめ

FIREするためにはまず人生の計画、ライフプランを立てましょう。
そして何歳でFIREできるのか、FIREするためには何を取捨選択するのか考えましょう。

注意点

今回のシミュレーションはざっくりとした試算です。詳細に分析したい場合は、各自で工夫してみてください。

  • 例えば年金は収めた金額によって変動します。FIREして国民年金に加入した場合は、定年まで働いた場合(厚生年金)よりも少なくなる場合が多いです

  • インフレも考慮したほうが良いです。将来物価が上がった場合、生活費もより多く必要になります

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