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【ファンダメンタル投資の教科書】ファンダメンタル分析の初心者から一歩先へ

オススメ度(最大☆5つ)

☆☆☆☆

株式投資をやっている人であれば誰でも知っている事だろうけど、どの株をいつ買うかという判断をする上で、大きく二つの分析方法がある。
1つはテクニカル分析。チャートの動きを見てその後の動きを予測し株を売り買いする方法だ。一般的にデイトレードなどの短期投資に用いられる。
もうひとつがファンダメンタル分析。企業の業績や世の中の動きを予測し株を売り買いする。こちらは、主に長期投資に用いられる方法だ。
ちなみに僕は長期投資のスタイルで株式投資を行っているので、ファンダメンタル分析についてはよく勉強している。
この本は、そのファンダメンタル分析に関する解説書となる。

〜初心者から中級者になるための1冊〜

本書の難易度としては初心者から少しレベルアップしたい人向けだと思う。内容は主に四季報の使い方、決算短信の見方、各指標の使い方なのだけれども、どれも、基本的な用語からやや突っ込んだ内容となっている。はじめて株関連の本を読む人にはやや難しいかも知れないけど、僕のような初心者で「今勉強中です。」というような人には、読むページ毎に今までよくわからなかった用語について腑に落ちてきた。実際の四季報のページや決算短信の画像を使いながら解説してくれる、丁寧な解説書である。

〜PBRを使いこなせ〜

ファンダメンタル分析において、参考となる指標が多々ある。それぞれ何か、というのは各自調べていただくとして…笑
個人的に本書の著者が「自分はPBRを使う分析が得意だ」と書いていたのが印象的だった。
他の本や投資家の話では、PERやROEなどの指標について語られる事が多く、「PBRは使いたかったら使えば良い。」というような、割と下に見られている指標、という印象だった。
しかし、著者は「PBRは他の指標に比べ短期間で大きく変動する事が少ないので、ファンダメンタル分析では信頼性が高い。」と書いている。
今後、僕がPBRを用いるかどうかは別の話で、ないがしろにされていたPBRの有用性について詳しく説明・解説されているのは、実はあまり無いかもしれない。

〜情報量の多い四季報と決算短信を簡潔に〜

四季報や決算短信は初心者が目を通すと、一体何が書かれているのか理解が出来ず、読むことすらやめてしまう。四季報と決算短信がファンダメンタル分析で重要なのは理解しているが、問題は四季報と決算短信が理解出来ない事だ。

本書では、ファンダメンタル分析の観点からどの項目がどういう意味を持ち、そこからどのような事がわかるか、という点について丁寧かつ簡潔に書かれている。

この本を読んだおかげで、四季報と決算短信を眺める際の景色が大きく変わった。ただの数字の羅列から意味が浮き上がるようになってきたのだ。

四季報、決算短信の読み方を学びたい人にとっては本書は非常に有用だ。

ファンダメンタル分析を学びたい人は読むべき1冊だと思う。

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