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大人の"読む力"

読む力、とはすなわち「そこに書かれていることを正確に読みとる力」と、考える人が多いだろう。

では、「正確に読みとる力」とは何か。
もちろん、意味を知り、文章の前後の関係を交えながらその文章の意図するところを理解する、というのもひとつだ。しかし、大人の"読み"にはそれに加えて「書いた人が何を伝えたいのか、何を考えて書いているのか、を読みとる力」も必要である。

仕事で触れる文章というのは、プロが書く文章ばかりではない。社内の通知や報告書、外部からの提案書やメール、時には顧客からの声など、仕事をする上で読む文章の書き手は、普段から文章に慣れている人間が書いているものではないことがほとんどである。

それらを読む人は、文体が支離滅裂であろうと、文法がおかしかろうと、それを書いた人間が何を伝えたいのかを読みとらなくてはならない。
その文章から、本人が言いたいことは何なのか、時にはそこから喜怒哀楽の感情も読みとり、適切な対応をとることが仕事では求められるだろう。

さて、では誰が書いた文章でも正確に書き手の意図や考えを読みとれるようになるにはどうすれば良いか?
結局のところ、遠回りで近道となる方法しかなく、いろんな種類の文章に触れることだ。

本を読む、というのももちろん良いのだが、加えて、あえてネットで素人(書くことを仕事としていない人、という意味)が書く文章も読んでみるといい。
ありがたいことに(!?)ネット上には駄文が多くある。すごくクセのある書き方もあるし、文法が無茶苦茶な文章もある。
中には感情を掻き立てるような文章もあるが、そこは冷静になって、そのような文章からその人の人となりや何を伝えたいのかを考えてみると良い。結局のところ、文章に上手い下手はあるが、それよりも言葉は何かを相手に伝えるための手段である、という前提を忘れてはいけない
仕事においては、読みにくい文章を書く人を真摯に対応しなければいけない時もあるだろう。
しかし、そこは文の良し悪しではなく、相手がどんな人物で、どれだけ真摯に対応しなければいけないか、そして、どのような処理が必要なのか、それを読みとり判断する力が必要なのだと思う。


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