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「あなたが主人公である」と説得する - 他者と働く 「わかりあえなさ」から始める組織論

たくさんの忖度や我慢の中で日々会社での業務に取り組んでいる方が多いのではないでしょうか?
本書は、人通しのわかりあえなさの原因を、それぞれが持っている合理性(=ナラティブ)が異なることに挙げています。人がわかりあえないことには性格や信条の不一致ではなく、それぞれのナラティブに基づく合理的なものです。対話によって相手のナラティブを受け入れることが「わかりあえる」組織を作る一手と説明しています。
タイトルに似合わず非常に読みやすいので、ビジネスパーソンに限らず、人間関係に一度でも悩んだことにある人なら誰にでもおすすめしたい一冊です。

怒りを感じたときは、まず自分と対話する

私はここ3ヶ月ほど常に怒っている状態だった。
「どうしてみんな目標に向かって頑張らないのだろう」
「なんで自分だけこんな仕事をしなくてはいけないのだろう」
「なんで、あの人は何も仕事してないのに自分より給料が高いのだろう」

こんな言葉が常に頭の中を支配して、直接的ではないが言論にも染み出していた。
本書では他人との「わかりあえなさ」を解消するためには最初の段階で自分のナラティブを外に置かなくてはいけないと説明している。
他人に対してネガティブな感情が生まれて、何かを変えてほしいと思ったときは、まずどうして自分がそのような感情になったのか気づき、分析する必要がある。自分自身のナラティブと向き合った後に初めて、他人のナラティブを受け入れる準備が整う。
私の職場の場合には
「どうしてみんな目標に向かって頑張らないのだろう」
⇛ 私が忙しそうにしてるから本当に効く施策を頼みにくいのかもしれない。
「なんで自分だけこんな仕事をしなくてはいけないのだろう」
⇛ 目標もあるし「無理するな」と周りから言いづらい状況なのかもしれない。
「なんで、あの人は何も仕事してないのに自分より給料が高いのだろう」

⇛ 給料の違いは今の仕事ではなく過去の実績で決まっているから仕方ない
といった風に自分自身で解消をすることができた。(最後のは微妙ですが)

相手を主役に仕立て上げる

会社のような営利組織の場合には、部署間で目指す目標が微妙に異なる場合があり、協業する場合には利益相反してしまい、仕事がうまく進まなくなることがあります。本書では売上を上げるために安定した既存製品を中心に売りたい営業部と新しい製品を売り出してほしい技術部の対立が描かれています。
対立する相手のナラティブを受け入れて、相手の能力や努力が、どれだけ貢献できるかを説明しましょう。相手を仕事における主役になることを説明しましょう。このときにあからさまに説得すでなく、こちらの弱みも合わせて伝えることで信頼関係を気づくことができます。

まとめ: 違和感を自覚していることが一番大事

日々感じる人間関係でのストレスを、感情で片付けるのではなく、「違和感を感じていること」を感じ取り課題の解決策を考えることが必要です。すべての違和感は合理性を持って生じていると考えれば、仕事はもっと楽になり生産性が向上するのではないでしょうか?
私自身は、これらを実践するために毎晩、違和感を感じたことを書き出して分析してみようと思います。


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