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ドバレビメソッド⑥「スケールを歌う/ドバレビ楽譜」〜譜面に弱い人のためのソルフェージュ

ドバレビメソッドとは
これはピアノの黒鍵に「バビブベボ」という呼び名をつけたソルフェージュ(読譜法/唱法)です …ただそれだけであります。

以前の章はこちら↓から
 
①「ドバレビとは?〜その誕生」
 >②「これまでに提唱された色々な階名」
 >③【重要】「その利点と完成形!」(←初めての方はここからどうぞ)
 >④「そのおぼえ方」
 >⑤「固定ドと移動ドの使い分け」

アルファベットで表した完成形

実際にドバレビメソッドをどのように使うと便利なのか?
そしてどんな素晴らしいことができるのか!?を解説いたします!

色々なスケールを歌おう

このドバレビメソッドを使えば様々なスケールが階名で歌えるようになります。
頭では理解していてもいざ「そのスケールを歌ってみてください」…と言われて即座に歌える人は少ないでしょう。それが可能になり、スケールへの理解度もより高まります。

ナチュラルマイナースケール

ナチュラルマイナースケール(別名:エオリアンスケール)は「ドレミファソラシド」を「ラ」からスタートさせたもので「ラシドレミファソラ」である…とおぼえている方も多いと思いますが、例えばKey=Cの「ドレミ〜」を「ラ」からはじめるとKey=Amとなり、基音が変わってしまうのでメジャースケールと比べてどの音がどう違っているのかということがよくわかりません。

しかし同じルートからはじめて並べてみればこのスケールの構造がとても理解しやすくなるはずです。
ここでははじまりの音(基音)を「ド=C」に統一して説明します。

Cのナチュラルマイナースケールにドバレビ〜で階名をふってみましょう。五線上では「ミ」「ラ」「シ」にフラットがつき、それぞれ「ビ」「ベ」「ボ」に変化していることがわかります。
並べて表すと「ド・レ・・ファ・ソ・・ド」です。

以下、その他のスケールの一例をあげておきます。さらに各自で色々なスケールを試してみてください。

ドリアンスケール

このスケールは「ドレミファソラシド」を「レ」からはじめたものと同じ音程間隔になっています。

「ド」から並べ替えると「ミ」と「シ」がフラットして「ビ」と「ボ」に変化。「ド・レ・・ファ・ソ・ラ・・ド」となります。

ナチュラルマイナーとの違いは6度(ラ)の音が違うだけ。この違いが明確にわかると思います。

リディアンスケール

このスケールは「ドレミファソラシド」を「ファ」からはじめたものと同じ音程間隔になっています。

「ド」から並べ替えると「ファ」がシャープして「ブ」に変化。「ド・レ・ミ・・ソ・ラ・シ・ド」となります。

「Vu」の発音はここでは「ブ(Bu)」としましたが、「プ(Pu)」と発音すればより「ファのシャープ」という意識が強まると思います。このあたりは各自のやりやすさに応じて臨機応変にしてください。


コードの構成音を理解しよう

次はコードトーンをドバレビ〜に分解してみましょう。

まずは3和音から。
CメジャーコードをCマイナーコードに変化させるとこのようになります。

Cメジャー「ドミソ」/Cマイナー「ドビソ」

さらに4和音に挑戦してみましょう。

Dm7は白鍵だけで弾けますが、DM7に変化させると黒鍵が2つ入ってきます。このあたりがスムーズにわかるようになれば、もうドバレビ階名は便利に使いこなせてくると思います。

Dマイナーセブン「レファラド」/Dメジャーセブン「レプラパ(レブラバ)」

他にも是非色々なコードで試してみてください。


メロディーを階名でおぼえよう

子供の頃にやったように五線譜のおたまじゃくしにドバレビで階名をふってみましょう。

譜面を読むのが苦手な方ははじめは時間がかかるかもしれませんが、一度書き込んでしまえばあとは楽です。そして楽器で弾く時は必ず頭の中で「ドバレビ〜」を歌いながら弾いてください。階名でおぼえることによって、音を間違えることはかなり減るはずです。

下記楽譜はクラシックギターの登竜門とも言われる名曲「禁じられた遊び」(原題:Jeux interdits)の冒頭メロディーにアルファベットで階名をふってみた例です。
「ソ・ソ・ソ/ソ・ファ・・レ・ド/ド・・ソ/ド・ド・ド/ド・・ソ・ファ/ファ・ソ・」といったように、もちろんカタカナでも構いませんが、アルファベットの方がカタカナよりも早く書けるし、慣れれば圧倒的に読みやすいので是非試してみてください。

参考音源↓(キーはEm、譜面と違います)

もちろんタブ譜に書き込んでもOK。
結局のところおたまじゃくしは苦手なままでも十分自分の弾いている音がかなり理解できてくるはず。タブ譜で単なる数字をなぞって弾いていた時よりも格段に音楽的な演奏が実感できると思います。

とにかくドバレビ階名を頭の中で口ずさみながら弾くことが大事。はじめは少し戸惑うもしれませんが、馴れてくるとメロディーと指板がリンクし、ミストーンもなくなってくると思います。


★超便利!五線を使わないドバレビ楽譜

そしてこれがドバレビメソッド最大の活用法と言っても良いくらいの便利な使い方です!!

先ほどの「禁じられた遊び」のメロディーをアルファベットの文字だけで表してみましょう。
「S S SS F ViVi R D D Vi S/ D D D / D Vo Ve/ Ve S F/ F S Ve」
リズムがシンプルな曲なのでこれだけでも十分わかりますね。

しかしさらにリズムも書いておきたい場合は…

誰もが知っている曲「ハッピー・バースデー・トゥ・ユー」を例にしてみましょう。

下記ようにアルファベットの上にリズムを表すハタをつけるのです。

五線譜を使わないドバレビ譜

※注)あえて黒鍵を使いたかったため、Key=Fの固定ド読みで記譜しています。
(移動ド読みの場合は「♪ソーソラーソーレードー」となります)

・2分音符や全音符は丸で囲む
・オクターブ上の音にはハタに矢印をつける(オクターブ下なら下矢印)
・休符記号はそのまま使用可能

もはや五線譜やタブ譜がなくてもこれだけで表現できてしまうのです!

このように簡単なメロディーならばノートの端っこやメモ用紙にもササッと書けるのでとても便利!
あくまでもメモ書きとして自分がわかれば良いので、小節の区切り線や細かいニュアンスの書き方は独自のルールを決めて自由にカスタマイズしてみてください。


⑦「日々の練習&脳の話」に続く

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