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ドバレビメソッド①〜譜面に弱い人のためのソルフェージュ 「ドバレビとは?〜その誕生」

ドバレビメソッドとは

最初にズバリ結論から言ってしまいます。
これはピアノの黒鍵に「バビブベボ」という呼び名をつけたソルフェージュ(読譜法/唱法)です …ただそれだけであります。

ソルフェージュとは読譜や聴音などを習得するための訓練のこと。クラッシック音楽を基盤としているので中々奥が深く、特に大人になってから本格的なソルフェージュを学ぶのはかなり大変だと思います。

これに対して「ドバレビメソッド」はそんな大それたものではありません(笑)。今ある知識を応用し、ロックやポップスを演奏する上で「できたらいいなぁ〜」的な読譜力や音感をのばすためのひとつのアイデアです。


では一体なぜ「バビブベボ」なのか!?
どうやってここにたどり着き、実際数年にわたって独り密かにこの方法を試していた成果をこれからお話しします。
願わくばいつかこれが日本中に広まったらいいな…なんて夢も見つつ書いてみました。少しでも楽しんでいただければ幸いです。

こんな人に向いてます

この「ドバレビメソッド」は特に譜面に弱い"ギタリスト"や"ボーカリスト"の方に是非とも試していただきたい読譜法です。ギターやボーカルは必ずしも五線譜を必要としないため、一流のプロでも譜面の読めない人はたくさんいます。
しかし「やっぱり譜面は読めた方がいいよなぁ〜」と思っている方もきっと多いはず。

もちろんその他のパートにもおすすめできますが、すでに譜面を読むことに対して不自由を感じない方には必要ないかもしれません。
「へぇ〜、譜面が苦手な人ってこういう頭の中なのかぁ〜」
といった感じで、誰かに教えるときや、何かの参考にしてみてください。

私はギタリストですので、ここでは主にギターでの活用法を中心に話を進めて行きたいと思います。他のパートの方は適宜自分のパートに置き換えてみてください。
またリズム譜については一般的な読み方と同じですので、特に触れません。別途色々な書物を参考にしてください。

譜面に弱い"ギタリスト"の悩み

ギターを弾き始めてウン十年、これまで様々な教則本を読みあさり、練習もたくさんして経験も重ねてきましたが、いまだに解決できない大きな課題があります。

それは…「音を間違えないで弾くこと」

レコーディングでは間違えたら何度でも弾き直せるし、ライブではなんとなくごまかす術も身につけました。
でも一発勝負で完璧にキメたい!…そう思えば思うほど本番で頭が真っ白になりミストーンを出してしまうといった経験は皆さんもあるのではないでしょうか?

そんな長年の悩みを解決すべく、これは様々な試行錯誤した上でようやく見えてきた方法です。
まだまだ発展途中でもあり、これが正解とは言えないかもしれませんが、初心者のうちからこんな考え方で取り組めば上達への近道になるであろうし、中級以上の方でもし同じような悩みを抱えている方がいたら少しでもお役に立てれば幸いです。

ちなみにここでは譜面は苦手とはいえ「ドレミファソラシド」の音程間隔や簡単なコードの知識など、基礎的な音楽理論は身についているものとしてお話ししていきます。

ミスをする原因

ミスをする原因は色々あると思いますが、ここで問題にしたいミスは間違えた音を弾いてしまったり、音を忘れてしまったりすること。

すなわち

・譜面(音符)を読み間違えてしまう
・出したい音と弾いた音が違ってしまう
・そもそも何の音を弾けばいいのかわからなくなる

といった脳内的なミスに焦点を当てています。
その他、指がもつれたり、ピックを落としたりといった身体的な要因によるミスは練習を重ねて克服しましょう!

タブ譜の盲点

私は五線譜が苦手です。

しかし、ギターの楽譜にはタブ譜というものがあります。これは五線を6本線にして弦に見立て、音程をフレットの数字に置き換えたもの。ギタリストはタブ譜があれば五線譜は読めなくても全く問題なく演奏できてしまうのです。

↑ドレミファソラシドをタブ譜で表したもの

私はタブ譜なら簡単な曲は初見でも弾けます。仕事で五線譜を渡されたら、少し時間をもらいタブ譜に書き換えていましたし、自分で作曲する際も五線紙に線を一本追加し、タブ譜でメロディをメモしていました。

このようにとても便利なもので、ギターが弾けるようになったのもタブ譜のおかげと多大なる感謝をしております。
ところがいつまでもタブ譜だけに頼っていると大きな盲点があることに気がつきました…

それは
「自分の弾いている音が何だかわからない」
ということ。

ギターの指板を視覚的におぼえていて、音程とは関係のない"ただの数字"として捉えているので、その音が「ド」なのか「ミ」なのか、はたまた「3度」なのか「5度」なのかというような概念をまったく無視してフレーズを弾いていたのです。
これがいつもいつもミストーンを出してしまう最大の原因なのではないかと考えました。


ドレミでおぼえた幼少時代

子供の頃「きらきら星」を「♪ドドソソララソ〜ファファミミレレド〜」とドレミ(階名)で歌いながらおぼえました。
これがいわゆるソルフェージュ(読譜法)の原点です。
この曲ならばおそらく百発百中、間違えないで弾ける自信があります。

↑「きらきら星」

同じように童謡の「かえるのうた」や「チューリップ」など、ドレミで歌える曲はどれも確実に弾けますよね?
(もちろんギターの指板上で「ドレミファソラシド」をおぼえていることが前提ですが)

ドレミの問題点

子供の頃はそうやっておぼえられていたのに、それがいつの間にかできなくなったのはなぜでしょう?
…それは学年が上がるにつれ、音楽の教科書に♯や♭が出てきたからです。

ピアノで言う黒鍵は「ミのフラット」とか「ソのシャープ」などと呼ばれ、白鍵のドレミのように一文字で表す言葉がありません。

例えば「♭ミ」でも階名で歌うときは「ミ」と発音し、脳内で「♭」をつける。他人に言葉で伝えるときは「ミのフラット」と言うのが、なんとなく学校で教わった方法で、一般的に譜面を読める人もそういった考え方だと思います。

しかし当時ピアノはもちろん、リコーダーもろくに吹けなかった私にはそのことがどうしてもチンプンカンプンで、音楽は大好きなのに、いつも音楽の成績は悪かったのをおぼえています。

このように曖昧で♯や♭に決定的な読譜法がないことが、日本の音楽教育の中ではいまだにグレーゾーンになっています。
もちろん上記のやり方で、まったく不自由ないという方は沢山いると思いますが、色々な教本でもこの先に触れているものは少なく、これで五線譜が苦手になってしまった人も多いのではないでしょうか?


黒鍵に名前をつけよう!

ならば♯や♭のついた音(=黒鍵の音)に一文字で表せる名前をつけたらどうだろう!?
ふと考えました。
「あいうえお」みたいに単純で「ドレミファソラシド」と重複せず、おぼえやすく、言いやすく、書きやすい言葉。
(ちなみに「あいうえお」は母音なのでめちゃめちゃ言いにくい)

そこで思いついたのが”鼻詰まり”の発音。鼻が詰まっていると「こんにちは〜」が「ごんでぃぢば〜」となりますね。
鼻が詰まっていても言えるということは、濁点はとても言いやすい発音なのではないかと考えました。
しかも何か一行で統一してしまえばおぼえやすいし、都合の良いことに黒鍵の数と同じ5音ではないですか!

とりあえず「ダヂヅデド」はすでに「ド」が重複してしまうので除外。
残るは「ガキグゲゴ」「ザジズゼゾ」「バビブベボ」の3つです。

この中でも「バビブベボ」はサザエさんに出てくるイクラちゃんの名台詞「バブ〜」や、「ビビデバビデブ〜」といった魔法の呪文でも使われているように圧倒的にキャッチーで言いやすい。

さらに「ハ行」は「パピプペポ」といった変化系も持つ唯一の存在。何かの時に使えそうだし、五十音の中でも異色を放つこのハ行の濁音に決定しました。

「ドレミファソラシド」の間の黒鍵に当てはめていくと

「ド バ レ ビ ミ ファ ブ ソ ベ ラ ボ シ ド」

名付けて「ドバレビメソッド」!おぉ〜なかなか悪くないですね。

しかし、そうこう思案しているうちに実は先人達も黒鍵に名前をつけていた例が沢山あることを知りました。
「なんだ〜、すでにあるのならばそっちを使えばいいじゃん…」
と思い、独自に思いついた「ドバレビメソッド」は一時封印してしまったのでした。


ドバレビメソッド②「これまでに提唱された色々な階名」へ続く


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