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2-20 教育実習だよね? その6

 東京学芸大学に在学中に感じたことなどを綴っています。

 前回は

 事件を起こしてしまった自習期間でしたが、その中でも指導案の作成は怠りなく進めました。負のイメージを払拭するためにも、如何に良い授業が出来るかを目指して、全体を構築します。

 世界史の実習生と話していると、インドの歴史をやっているとの事。何か共通している点があるのではと思い、話を詰めたところ、それぞれの授業でコラボ出来るのではないかとの結論になりました。

 指導案をすり合わせ、倫理・社会では世界史の導入部分を、世界史では倫理・社会の復習を組み入れた指導案を作成しました。それぞれの教科担当の先生も、面白い試みだと認めてもらい、授業で実践してみました。

 最初は世界史での実践です。ここでは私は見学する立場で、担当する実習生の授業の実践を観察します。

 世界史の実習生がインドの歴史の変遷を宗教を交えて指導します。仏教の部分は私の指導案が叩き台になっていて、実際に指導する時にどう生徒の反応があるのかが分かり、参考になりました。

 私の実践は、世界史の実践より遅れて始まりました。最初の授業は、実習2週目の終わり頃でした。教壇に立つと、今日から仏教について2コマ分行うことを告げて、先ず板書を始めます。

 当時はOHPがやっと普及した程度の環境でしたので、基本は板書です。ここで大きな文字で生徒にインパクトを与え、説明を始めます。文字の大きさにびっくりした生徒にすぐに説明する事で、印象を強くする方法を取ったのです。

 何度か世界史の実践を見学していたので、仏教の導入部分の歴史的背景はスムーズに説明できました。意図通り生徒が結構食い付いて来るのが分かります。やった!と、その時は思いましたが、授業が終わって準備室で我に帰ると、やり過ぎだったかなと反省もしました。

 次のクラス以降では、若干抑制気味に授業をしましたが、反応は悪くはなく、このペースで1コマ目の授業を終えました。教科担当の先生から苦笑されながらも、こういうスタイルも良いのではないかと認めてもらい、2コマ目の仏教の思想に関する授業の指導案の作成に取り掛かる事になります。

 授業を担任する様になってから、嬉しい事に準備室に生徒が訪ねて来る様になりました。やはり倫理・社会は苦手な生徒が多かったのでしょう。どう勉強すればいいのか分からないから教えてほしいとの事。

 そんな生徒には、倫理・社会は覚える教科じゃないと説明しました。私自身も暗記が苦手だった事を話し、暗記をしなくてもストーリーとして理解すれば、自然と身に付いて来る教科だからと諭しました。

 また、参考書よりも思想に関連した本をとりあえず1冊でもいいから読んで見る事を薦めました。それが理解できれば自信が出来ると思ったからです。

 当時教えた生徒もすでにアラフィフに達しようとしています。このアドバイスが、生徒達の人生に少しでも役に立っている事を願っています。

次回は


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