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日本酒をスイスイ飲むと、乙女は鬼になる説

ようこそ。今日はのんべいのお話です。

なぜなのでしょうか。お酒を飲むと無性に食べたくなるラーメン。
しめのラーメンは美味しいですよね。

と言いましても、飲んだのは昨夜。居酒屋からまっすぐ帰ったのですが、1日経ってもラーメンが頭から離れない。ということで夕飯は豚骨ラーメン。

昨夜は家の近所にある居酒屋さんへ。外で食事をとりたい気分。でも、小雨が降っていたので遠出する気になれず、どこか近くで…と思い出した。

そうだ、あの扉のあいたお店に行こう。

ちょいと一杯のつもりで飲んで

大通りの道沿いにあり、いつも入り口の扉を開けていて、中の様子が分かる。こじんまりとしたお店で、店の前を通るたび、いつか行こうと思っていたが、今日がその時だ。

5~6名くらいが座れるカウンター。4人テーブルが2つ。そこが埋まると設けられるビールケースの特別席がある。女性のマスターとアルバイトらしき女の子、2人でテキパキと切り盛りしている。

傘立てに傘を入れて中に入る。両端はすでにお客さんが座っており、カウンターの真ん中へ。

後ろのテーブルは、白髪のおじいちゃんらと女性、また夫婦らしき方々ですでに賑やかだ。

黒板とテーブルにあるメニューを見ながらしばらく悩む。日本酒もいくつかあって気にはなったものの、最近飲み過ぎているので、今日はちょっと控えておこう。

とりあえず、小ビールで乾杯。お刺身を食べて焼酎へ。一夜干しも頼む。

しばらくすると「遅くなった~!」と言って勢いよく女性が入ってきた。

アルバイトらしき若い女の子が「遅いよ~!遅刻、遅刻」と言う。

遅刻ってことはこの女性は従業員なのかな?
でも、私の横に座ったしね。どういうこと?
しばらく掛け合いに耳を傾けていたが、よくわからない。

そうこうしていると、注文した一夜干しがやって来た。思ったよりも身が大きい。こりゃ食べ甲斐があるな。と言うか、このサイズにしてとっても良心的なお値段だ。
良い注文したな~と思っていると、隣から女性に「それ、美味しそうね」と話しかけられる。

何だか賑やかでフランクなその女性。

話をしてみると、お店のオーナーとのこと。

聞けば、このお店はもうすぐ10年になるらしい。
「こんなに続くとは思わなかったし、コロナとか大変な時期もあったけど、よく続いているよね。」みたいなことを他人事のように仰る。

美魔女ではなくおとめ

私は一夜干しをつつきながら焼酎をすすり、その女性オーナーの話を聞く。

若いアルバイトらしき女の子はマスターのお嬢さんとのこと。
中学生の頃から知っているのに、最近は色気だして(ピアスや髪の色など)と、笑いながらおちょくる。

マスターの右隣には大阪から来ているという単身赴任中の男性が座っていた。その方も巻き込んで、近所の飯屋の話、飲み仲間、フルマラソンの話やらなんやらで盛り上がる。

飲んでいる焼酎がなくなったが、一夜干しはまだ半分。
今の気分は焼酎ではないな~。結局、日本酒を頼んでしまった。えへ。

日本酒は固定ではなく、なくなったら新しいお酒、と言う感じで常時入れ替わるそう。「一番辛いのください」とお願いすると、出てきたお酒「鬼乙女 幸(おにおとめ さち)」

若竹  鬼乙女 幸(おにおとめさち)

おお(笑) すごい商品名だ。
怒らせたら鬼になるんだろうな。ラベルのおねいさん、角生えてるし。つの隠し、されてない笑。可愛いけど、鬼なんだろうね。でもって、名前は「幸」なのね。

結局、鬼だけど乙女で、幸せになれるのか、幸せになれないのか…
なんてくだらないことを考えながら、継がれたグラスから一口。
うん、「美味しい」。怒らせなければ「幸せ」でいれそう。

後ろのテーブル席のおじいちゃんらが帰ったタイミングで、オーナーと単身赴任の男性とわたし3人でそこへ移動。そこへ、先ほどおじいちゃんらと飲んでいた女性も再び戻ってきて加わる。

一夜干しを再びつつき、鬼乙女をすすって、今度はこちらの女性のお話を伺う。この方、オーナーと15年来のお友達とのこと。おじいちゃんは80歳くらいでなにかの先生だったか、地主さんだったか忘れてしまったが、お金持ちのおじいちゃんのようだ。そのおじいちゃんとも飲み仲間の様子。

このお友達の方、なんと還暦を超えているという衝撃の事実。肌もきれいで本当に60歳を超えているとはとても見えない。
現代の食生活、化粧品、美容医学のなせるものか…。隣に座り、穴が開きそうなくらい、まじまじと眺めてしまう。

しかも、昔プログラマーをしていたそう。今でも仕事はしているが、会社の若者たちに対するモヤモヤが止まらないそう(笑)。 私もお姉さん方に近い年代であるし、ザ・昭和の輩なので、うんうん、言いたいこと、本当にわかりますと頷く。

スイスイ スーダララッタ

盛り上がってお酒もすすむ。オーナーがマスターを「〇〇ちゃん」と呼ぶ。
何度か聞いて確信。「わたし、マスターと同じ名前です。」
聞くと、なんと漢字も一緒。マスターと被るので別のあだ名にしようと、オーナーから「〇〇子」と名付けられた。

私は、コンフィデンスマンJPの長澤まさみさんが万札をマネーガンで飛ばしまくる様子が頭に浮かび、心からそのあだ名に満足した。

「一番辛口なのください」に始まり、「その次に辛口なのください」、「その次の次に辛口なのください」と調子に乗って飲み上げ、もう限界だ。

徒歩5分もかからない家に帰れなくなりそうなので、お会計。
また来てね~と、おとめ達に見送られ、横断歩道をわたる。

楽しかった。

おかげで今日は夕方まで二日酔い。ラーメンが染みる。
頭の中で流れるのは植木等のスーダラ節。


分かっちゃいるけど やめられねぇ

ア ホレ スイスイ スーダララッタ
スラスラ スイスイスイ…


てへへ。
てな感じで、本日はおしまい。


ここまで読んで頂き、大変ありがとうございます。
またお会いしましょう。

追伸 : 後日、別の居酒屋で聞いたが、店のオーナーと名乗った女性は、その界隈ではとても有名なただの常連さんでした(笑)

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