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番外前編 ビジネスコンテストにお門違いの卓球レディースが登壇

ここまで卓球レディースのnoteをお読みくださった方なら西村の人物像は容易に頭に浮かぶでしょう。
 
“引っ込み思案の中年女性”
 
YES.それに間違いありません。自分の意見を言わないことが美学とされる京都で生まれ育ち。自分の意見を言わないと生き残れない大阪で暮らす。
 
ゆえに日常生活もままならない主張力弱者。そんな私が昨年の夏からビジネスコンテストに登壇するようになりました。きっかけは……。
 
お金です。
 
事業を始めるにはお金がかかる。資金作りのため、賞金を稼ぐため、恥じらいを捨てて出場するようになりました。
 
普通に生活している人からしたらビジネスコンテストなんて縁のない世界ですよね。私もそうでした。説明すると、ビジネスコンテストとはビジネスプランの審査会のこと。入賞すれば賞金が出るので、どのコンテストにも全国から起業家の猛者が集まります。
 
受賞者の顔ぶれは、
グランプリ 馬龍、
隼グランプリ 樊振東、
特別賞 トルルス・モーレゴードといった感じ。
 
ようは常連なんですよ。何百何千という応募の中から選ばれるのはいつも決まった人。ワールドツアーの決勝で予定調和のカードに落胆するのと一緒です。どのコンテストも最終発表会の控室に入ると「あっ、馬龍だ! あっ、樊振東だ!」と浮足立ってしまうほど。ビジコン界の群雄がただならぬ上昇志向オーラを放って待機しています。
 
ところで、なぜこの控室の様子を知っているかというと……。
 
私もビジコンのファイナリストになったことがあるからです。えっへん。
 
第10話成「成果発表会に成果の土産なく登壇 前編」にも書きましたが、私はビジコンに出る数ヵ月前まではパワポの使い方も知らない、人前でしゃべることも億劫なおばさんでした。そんな私がトルルス・モーレゴード枠に入れる日が来るなんて……。中年からの我が成長に涙がちょちょぎれます。
 
何百もの応募サマリーの中から、なぜ「卓球レディース」の事業が一次書類選考に通過したのか? おそらく審査員の好奇心からではないかと分析します。
 
不動産関連、金融関連、美容健康関連、飲食関連……etc ありとあらゆる事業に目を通した審査員の目に飛び込む「卓球」の2文字は、真夏の練習中にレディース仲間が差し入れてくれる一本のヤクルトのようなもの。一時の清涼感と癒やしを与えたに違いありません。
 
二次プレゼン選考もしかり。
世界卓球2021で正統派の樊振東に謎の六角形ラケットでぶつかっていったトルルスくんのように、卓球あるあるネタという飛び道具で勝ち負けよりも価値のある爪痕を残しました。
 
その結果のファイナリスト。
いや~、嬉しいですね。
最終審査の案内のメールが来たときは「やったー!」と10センチほど飛び上がりましたが、その両足が地面に着いた瞬間、思い出しました。
 
私は舞台の上でまともにしゃべることができないシャイなおばさんであることを。。。(詳細は第11話 「成果発表会に成果の土産なく登壇」へ)
 
40年かけて培った性格を舞台の上で別人格に変えられるのは「ガラスの仮面」の北島マヤだけ。
 
おかげで本番の最終発表会では、あんな迷惑やこんな失態をかけたりさらしたり……。
 
つづきは後編へ。
 
 
 

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