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第2話 苦境を乗り越えるオリジナルの儀式とは?

ウェブメディアを立ち上げようと、勢いよく起業塾に入ったものの、何から手をつけていいかまったくわからない。そんな苦境オブ苦境に立たされた起業不出来家・西村が思い出した恩師のある言葉とは?

時を経て届いたクローバー先生からの金言!

そう、私は苦境に立たされた時、ある儀式を行います。それは、過去に好きだった人の顔を順番に思い出すメディテーション。現実逃避の一種です。幼い頃、「和室で寝るのが怖い」と泣いた私に、母親が「好きな人の顔を思い浮かべたら眠れる」と教えてくれました。友達ゼロの私は、幼稚園で唯一口をきいてくれる男子の顔を思い浮かべると、その夜、障子に映る怪しい影に恐れることなく眠れたのです。それから中学生になるまで、私は羊ではなく、頭の中に好きな人を登場させて入眠するようになりました。中学生になると、クラスメイトが「公民の教科書を後ろから読むと、ためらいなく爆睡できる」と教えてくれたので、即効性が高い教科書逆読メソッドに切り替えましたが……。

とにかく、漠然とした不安を解消するには、好きな人の顔を思い出すのが一番。脳内のトランプをめくって、次々とKINGを登場させます。幼稚園で同じ組のハートくん、中学時代に憧れたスペード先輩、高校時代に初めて告ったダイヤくん、そして、家庭教師のクローバー先生。そのカードを開いた時、最初の授業で教わったあることを思い出しました。

「子曰く、由よ、汝に之を知ることを誨えんか。これを知るをこれを知ると為し、知らざるを知らずと為す。是れ知るなり」

クローバー先生は、中国の思想家・孔子の教えを引き合いに出し、英語の勉強を始める前に、英語の全体像を把握しようと提案。「勉強ができる人間は、自分が何を知っていて、何を知らないかということを知っている。そのためにはまず、全体像を知ることが大切だ」と。なんちゅーカシコ。やっぱ国のお金で大学に行ってる人はちゃうなー。惚れてまうやろ、とJKの私は心の中でスタンディングオベーション。先生が並べた字面のカッコ良さに酔いしれ。その本意に触れることなく受験を迎えるとは、この時、知る由もありませんでした。
今、先生の倍の年になって、その意味がようやく理解できる。いや、その可能性がある!!!

時を経て先生からの金言が降りた私は、買ったばかりのノートを開き、ウェブメディアの全体像を思うままに描くのでした。

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