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出版社の立ち上げ方(法人設立まで)

法人の設立から2ヶ月半が経ちましたが出版社という箱を作るのが大体終了したので、順を追って書き留めていこうかと思います。

「ひとり出版社」を立ち上げようと思っている方にスケジュール感を掴んでいただければ幸いです。
ただし、前回の記事で少し触れた様に専門的な知識を多少有した上での進行でしたので、恐らくこれから述べるのが最短として捉えて更に余裕を持って準備すると良いかと思います。

結論から述べますと、実際の登記自体は約1週間で済ませることが出来ました。
しかし、それと同時に進行しなければならない事柄(融資)がありましたので、併せて経験談として紹介していきます。なお、托口出版は「株式会社」ですので、個人事業主として開業なされる方や合同会社を設立される方は以降の通りではありませんのでご留意ください。

「出版社を立ち上げたろ!」
と決意を固めたのち、第一に考えを巡らしたのはお金のことです。
貯金から事業に用意出来るお金は300万円だったので、これでは少し心許ありませんでした。
というのも、出版業界の流通の仕組み上、一般的に新刊売上の回収は半年以上先になるからです(出版業界の仕組みについては諸先輩方が各所でご紹介いただいておりますので省いておりますが、要望があれば別途詳しく解説します)。
ですので、事業開始と同時に融資をお願いすることにしました。
そのため、融資を最も受けやすいであろう(主観が入っています)「株式会社」での起業を選択しました(個人事業主・株式会社・合同会社等の違いの説明は省きます)。

しかしながら、恐らく多くの人は誰もが銀行で簡単にお金を借りることが出来ると考えているのではないでしょうか。
そうは問屋が卸しません。この融資のハードルは中々高いものです。
出版社に限らず多くの新設法人が、この辺りの知識がないまま設立した後に、資金繰りに困って早期に倒産している事例が多いようです。

というのもお金を貸す側の立場になれば明白ですが、立ち上げ当初の何も実績がない相手に貸してちゃんとお金が返ってくる保証があるのか? と疑問を抱くのは当然ですよね。

ちなみに、主にお金を借りる先として主に下記の3種類があります。
・銀行(プロパー融資……銀行が直接貸してくれる)
・銀行(保証協会付融資……銀行がお金を貸す際に保証協会が保証してくれている融資)
・日本政策金融公庫
この中で私が利用したのは「日本政策金融公庫」という政府系の金融機関の創業融資です。
持ち家等の担保があれば、恐らく他の融資も選択肢に入ったかとは思いますが、そういったものがなかったために、日本政策金融公庫を選びました。
どうして日本政策金融公庫が創業融資をしてくれるかですが、お金を稼ぐ会社が沢山できれば国も豊かになるからです(大雑把な解説で申し訳ないです。詳しく知りたい方は日本政策金融公庫ホームページをご覧ください)。

なんだか、起業指南みたいになり始めてしまったので切り上げますが、日本政策金融公庫からお金を借りる準備を設立の準備と同時に開始しました。
というのも、まっさらの状態の方が融資されやすい傾向があると考えていたからです。お金が無くなってからでは融資が難しくなりますからね。
そこで、私は商工会議所へアポイントを取りました。もちろん、日本政策金融公庫に直接相談することが可能ですが、経験上ですが創業支援を行なっている商工会議所を通じて日本政策金融公庫への融資をお願いするほうが良い判断したのです。
そして、どういったものがあればスムーズに話が進むのか分かっておりましたので、あらかじめ事業計画書を自分で作成していきました。
これの作成が恐らく大変ですので、追々私が実際に作った事業計画書を参考にアップしようかと思います。

さて、作成した事業計画書を持って商工会議所へ行き日本政策金融公庫の融資を検討しているとの旨を伝えました。通常であれば、何度か相談して日本政策金融公庫との橋渡しが行われることかと思いますが、こちらが全て問題なく用意しておりましたので、たまたま一週間後に空きがあり、日本政策金融公庫との相談が決まりました。

ちなみに、基本的にこの時点までに開業場所を決めておく必要があります。おそらく、自宅での開業を考えている方が多いかと思いますが、賃貸の場合は契約時の条件により事務所利用出来ない場合がありますので良く確認してください。
私の場合は、自宅の近くに空きオフィスがありましたので、直接交渉して賃貸契約を結びました。オーナーも知った間柄だったので柔軟に対応していただけました。
地元で出版社を立ち上げる場合のメリットの一つですね。
どうしても事務所を用意出来ないといった方は、住所だけを借りることができるバーチャルオフィスや、レンタルスペースなどがありますよ。ただし、「信用」の面では劣るかと思います。

本店所在地(事務所)を用意する際には、まだ法人が出来ていませんので個人の実印が必要です。持っていない人は作成しておく必要があります(後に法人の設立にも必要です)。

それでは、日本政策金融金庫および商工会議所との相談日も決まり、法人の設立に着手しました。

まず、一番初めに行ったのが法人印の作成です。こちらは最終的に法務局に届出を出す際に必要ですので、それまでにあれば良いです。便利な世の中になったもので、早いところだと中2、3日で出来ます。後々必要な印鑑も併せて作っておくと良いでしょう。
・認印(角印)……必須
・銀行印……必須だが法人印との兼用可
・法人実印……必須
(・その他、住所等のゴム印)

同時に名刺も用意しておきたいですよね。後から作り直すのが面倒なので、私の場合はホームページと会社用メールアドレスもこの時に作成しちゃいました。ドメインはGoogleで取得しSTUDIOというホームページ作成サービスを利用することにしました(合計で3000円程度でした)。

あとは、信用面を考えて固定電話番号も欲しいですよね。NTTで番号を取得する方もいらっしゃるでしょうが、私は03Plusのサービスを利用しました(取得初月1万円程度でした)。
市外局番から始まる電話番号を取得できるだけでなくFAX番号も取得出来ます。もちろん03Plus で固定電話とFAX機を利用することも可能ですが、私の場合「ひとり出版社」ですので自前の携帯電話で両者とも受信出来るプランで契約しました。何より外でも電話を取れるのとFAXをPDFでやり取り出来るのが魅力です。

随分遠回りしましたが、肝心の法人登記です。私は「マネーフォアードクラウド 会社設立」を利用しました。流れに沿って内容を埋めていくだけで必要な書類が簡単に出来ます。
他にも「弥生のかんたん会社設立」や「freee会社設立」といったサービスがあるので、自分が使いやすいサービスを用いると良いでしょう。
会社設立に関しては、もうこれらを使っていれば何も説明することはないかと思います。私からの補足はスケジュール感だけですかね。

大まかな流れとしては、①登記事項の決定→②定款の作成(ほぼ自動作成されます)→③定款の認証(公証役場に出向く必要があります。予約制のため日がかかる場合があります)→④登記(法務局)のこれだけです(→登記書類が受け取れるようになる。混雑具合にもよるが私の場合は一週間でした)。

一番初めに会社設立に1週間かかったと申し上げていたのは、この①→④のことです。

出版社を立ち上げようとの志を持たれている方であれば、難なく出来ることかと思います。どうしても、苦手だという方は司法書士(定款作成については行政書士も可)に相談すると良いでしょう。

同時に色々と説明したので、わかりやすく時系列で再度紹介しておきます。

1日目……不動産仮押さえ、事業計策書作成
2日目……商工会議所へ相談、その後ホームページ・名刺・法人印の作成、固定電話番号の取得、定款の作成
3日目〜5日目……法人印等受け取り、ホームページの作り込み等
6日目……定款の認証
7日目……法人登記、日本政策金融金庫および商工会議所との相談

これ以降は、一週間後に取得できるようになった登記関係書類を手に入れてから、各所(税務署、府税・市税事務所、年金事務所(および国保喪失のため市役所区役所))に法人として必要な手続きを行います。会社設立サービスを用いていれば必要書類が自動的に作成されますので特に触れません。併せて融資についても同時に進めていきます。

以上で法人登記まで済みましたので一度区切ります。
どなたかのお役に立てれば嬉しいです。

日本政策金融金庫
https://www.jfc.go.jp

全国の商工会議所一覧(日本商工会議所)
https://www5.cin.or.jp/ccilist

マネーフォアードクラウド会社設立
https://biz.moneyforward.com/establish/

弥生のかんたん会社設立
https://www.yayoi-kk.co.jp/services/kigyo/setsuritsu/index.html

freee会社設立
https://www.freee.co.jp/launch/index2.html

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