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【コラム】ペン回しを極めれば出版社から内定がもらえる

大手出版社と違って、バンバン本が出るわけではないので、こうしてたまに簡単なコラムでも書こうかと思ってます。
近頃、人前で話す機会が少しずつ増えてきましたので、自分の考えをアウトプットしておくのが重要かな、なんて思ったってのもコラムを始める理由の一つです。

就活系の記事はもう数ヶ月早く書いておくとよかったんですが、いいでしょう。今年の就職活動にまだ使えないこともないですし、来年度就職活動を行う人のためになればと思います。

さて、早速本題に入りますが、えっ! 出版社に内定をもらうためにペン回しをしないとダメなの?そんなの今から無理!
はい、おっしゃる通りですが、最後まで読んでいただければ納得していただけるかと思います。

では、どういったことか説明していきます。

自分は芸術大学出身で、いわゆる高学歴ではなかったんですが、何社か受けた出版社の面接通過率は100%でした。
じゃあ、何故かと分析したときにエントリーシートの趣味・特技欄に書いた「ペン回し」で他者と差別化が図れていたことが大きな理由の一つだと考えてします。

だから、「ペン回し」できないって。そうですよね。
なので、ペン回しを「その場で出来る特技orその場で何かしら提示できるもの」に置き換えて考えてください。

順番が違うことはありますが、筆記テストや書類選考を通過している時点で、「優秀な人」が面接に臨んでいます。
しかしながら、正直なところ「優秀な人」の中では履歴書の優劣ってあんまりつかないんですよね。
だから、採用側は面接をして人となりを見るわけです。しかし、面接は時間が限られています。自分のことを100%知ってもらうことは不可能ですし、面接官の記憶に残らなければ次の選考に進むことは出来ません。

そこで、最大限利用したいのが趣味や特技欄に書いてもらった「その場で出来る特技orその場で何かしら提示できるもの」です。

誰しもが、何かしらの趣味や特技があると思います。
それの見せ方を変えるだけで記憶への残りかたが変わり、平凡な面接を終えた他者との差別化が図れます。

私は、「ペン回し」の他に「ガーデニング」も書いていました。こちらの方が分かりやすいので趣味・特技欄を活かした場合と、活かせていないパターンで想定される流れ(実際はもう少し長くなりますが便宜上端折ってます)を挙げてみます。

・活かせてない場合
面接官「趣味欄にガーデニングとありますが」
自分「はい、シダ科やハオルシア属を中心に育てています」
面接官「(なんかよく分からないな)そうなんですね」
以降、面接官がよく分からないまま話だけが進む

・活かせている場合
面接官「趣味欄にガーデニングとありますが」
自分「はい、シダ科やハオルシア属を中心に育てています」
ここで、自分が育てている植物の図鑑を鞄から出す。
自分「ハオルシア属でいうと、例えばこういうのですね」
面接官「ああ、いわゆる多肉植物ってやつね(話の流れを想定して、用意しているなこの子)」
以降、面接官が内容を理解したうえで話が進む

どうですか? 上記の2パターンの状況を想像するだけでも全然話の運びが変わりますよね。
いやいや、ペン回しも出来ないしガーデニングとかも興味ないわ。って人のためにもう一つ例を挙げてみます。どんな趣味や特技でも使えるというのがわかるかとおもいます。

・活かせていない場合
面接官「特技欄にラグビーとありますが」
自分「はい。学生時代ラグビーをやってまして、(実績について)うんたらかんたら」
面接官「部活頑張ってたんだね。すごいじゃん」
以降、すごいというだけで実績の真偽は定かでないまま話がすすむ。

・活かせている場合
面接官「特技欄にラグビーとありますが」
自分「はい。学生時代ラグビーをやってまして、(実績について)うんたらかんたら」
ここで、鞄から自分が出ていた大会等のパンフレットや写真を出す。
以下略

どうですか。趣味・特技ひとつにしても、話の弾ませ方および相手の記憶に残るかどうかは、それらの提示方法で随分と変わります。

ただし、こうした趣味・特技欄に書いたことを面接に活かす場合、かならず自分が相手より詳しいであろうことを書くようにしてください。
相手のほうが自分より博識であることが想定されることを書くのはリスキーです。
例えば「読書」なんて書いた場合、版元の人間のほうが詳しい可能性が高いのは想定できますよね(そもそも出版社を受ける際に趣味に読書を書くと無条件で落とされると言われているほどなので、よほどのことがない限り避けましょう。読書(ペリーローダンシリーズ全読破中)とかなら別ですが)

そして、なお自身の外見から想定される趣味・特技より意外性があるようなものを自分のレパートリーの中から選ぶといいと思います。

ギャップがあるほうが印象に残りますからね。
自分がいままで周りから「こんなことできるんだ、意外!?」と言われてきたものをチョイスすると良いかと思います。

以上、駆け足で要点を述べるまでに留めましたが、出版社を受けようとしている人であれば理解していただけたかと思います。
私は、版元以外就職活動を行なっていなかったですし、版元の方は特に上記のような話の流れを作れる人間を好むので、出版社向けの就活対策として書きましたが、おそらく他業種の面接においても有用な手法だと思います。
この記事が、本を世に送り出す仕事に就きたいと思っている方のお役に少しでも立てれば嬉しいです。

最後に一つだけ注意点があります。
採用時から「編集」「営業」と部署が分かれる場合は、上記の話の運びをすると高確率で営業配属になってしまう可能性が高いです。
実際私も、前職では編集志望でしたが営業部配属となりました。
といっても、今こうして本を作っているので何が良いかなんてわかりませんけどね。

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