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【コラム】なぜ出版を行なっているのか。

気がづけば前回の更新より半年が経ちました。
小社も今年の2月1日を迎え、三期目に突入いたしました。
ひとえにみなさまのおかげでございます。
心よりお礼申し上げます。

さて、有難いことにこの一年間で何件か講演に呼んでいただきました。

2023年7月1日 PURPLE『小さな出版社をつくってできること』
お相手は赤々舎 姫野希美 様
2023年12月26日 Study:大阪関西国際芸術祭vol3『釜芸、井戸を掘る』出版記念企画
お相手は詩人・NPO法人こえとことばとこころの部屋 上田假奈代様

あと、勁版会という関西の版元の集まりでも2023年の10月に『「ひとり出版社を立ち上げてわかったこと」―出版不況が叫ばれる今、増えつつあるひとり出版社の奮闘―』という演題で講演させていただきました。

お招きいただきありがとうございました。

このコラムの本題ですが、赤々舎の姫野様との対談の中で「どうして出版を行なっているんですか?」という問いを投げかけていただきました。その時にした自分の回答が今でもしっくりきているので、それについて簡単に書き留めておこうとおもいます。

出版社に勤める前から「人生一回やから、経験できることは全部やったろ」精神で、さまざまな環境や事柄に足を踏み込んでいました(なので、一貫性のない特技や趣味だらけになっているんですが……)
出版に限らずマスコミ職についていると、仕事として多種多様な人と知り合うことができます。いままで自分が知らなかった世界を覗き見ることができて、なおかつそれがお仕事になるかもしれない。そんな幸せなことないですよね。
なので、自分の知見を広げ楽しみながら働きたいという気持ちがあって出版社に就職したわけです。

もちろん本は昔からよく読みますし、今でも手に取りますが「本が好き」で出版の道を歩みはじめたというより「人が好き」という理由で出版に進んだのです。

併せて、世の中のお仕事で大抵のものは、どちらかが発注者でどちらかが受注者というパワーバランスがありますよね。「商業出版」においては片方が謙る必要もなく、イーブンな関係で一冊の書籍を二人三脚で作れるんですよ。
そうした職業って実はそんなにないんじゃないんですかね?いろいろ考えてみましたが出版以外に思いつかないです。
(商いをしている身としては決定的な欠点だとは自覚してますが、「お金を出してるんだから」「お金を出してもらってるんだから」というような関係性が苦手なんですよね)

もちろん、勤めているときもそういった働き方が出来てはいたんですが、専門出版社ということもあり活動できる範囲が狭かったので、もっと多くの人と関わりたいと思って独立しました。なので、はじめから総合出版社に勤めていたら独立していなかったかもしれないです。

詰まるところ一言で表せば、人生をオモロくするための延長線上に出版があった。という感じですね。本を作るのが目的ではなく、結果として本ができている。というとわかりやすいかもしれません。

美味しかったものを人に紹介したくなるのと同じように、オモロいことも人と共有したくなりますよね。
そうした、僕がオモロいと思ったことを今後とも読者のみなさまと共有できれば嬉しく思います。

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