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【街宅建】追跡・晴海フラッグ。ほんとうに投資マネーに沈むゴーストタウンなのか!!

宅建ダイナマイト合格スクールのおーさわ校長です。
今回は宅建&不動産ネタで記してみます。

NHKオンデマンドで視聴「追跡・晴海フラッグ」

NHKオンデマンドでの番組説明を引用します。

2024年6月7日放送
首都圏情報 ネタドリ!
追跡・晴海フラッグ なぜ“投資の場”になったのか。

ファミリー向けの住まいとして東京都が整備した晴海フラッグ。しかし、すでに入居が始まった1000戸あまりの登記簿を調べると、4分の1以上を法人が取得。転売や賃貸など、投資目的で利用されていることが明らかになった。なぜ、こうした事態に至ったのか。新たな証言から晴海フラッグが“投資の対象”となっていった経緯が見えてきた。さらに、取材で浮かび上ってきた分譲マンションの販売方法をめぐる“ある疑問”とは。

https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2024138662SA000/

「宅建&不動産ネタ」としてはすばらしいコンテンツです。
もしご視聴できるようでしたらぜひ。
「配信:2024年6月24日まで」とのこと。

ネット上でも「早くもゴーストタウンだ」という話が飛び交う晴海フラッグなんだけど、まぁ実際に行ってみっかと。

とはいえ、前の案件が渋谷区の代官山(←こちらもゴーストタウン化ネタ・笑)だったので、さっそく「晴海フラッグまでどうやって行くか」問題にぶち当たる。

今日(令和6年6月14日・金)は真夏日だしなー。
晴海フラッグの最寄り駅は都営大江戸線の「勝どき駅」で、そこから歩いて20分だ。
たしかに「20分(道路距離80mにつき1分)」は適法な表記なんだけど、ちんたら歩くから(今日は真夏日だしね)、30分かなー。
途中で水分補給も必要だろう。

なので、鉄道はあきらめ、路線バスで行くことに。
晴海埠頭行きの都営バス。
東銀座から乗車。
ついでだから晴海埠頭まで行ってみた。
ただいま絶賛、こちらも客船ターミナルを建築中。

すっかり空き地になってるターミナル跡
夕方なので少し涼しくなりました。

ほんとに人がいない

ものすごい人気の晴海フラッグは、「完売完売」という騒ぎだったのにね。
夕方5時過ぎの風景。生活感なし。ある意味かっこいい。

どちらかというと、バイクで走り回りたい衝動に駆られる道路状況。

ご存知のとおり、そもそも中央区晴海5丁目の「HARUMI FLAG」は「オリンピックの選手村」で、オリンピック終了後に改修されたマンション群だ。

ご覧のとおり、大手デベロッパーが入り乱れてのすっごいマンション群です。

画面左。いまだに超高層タワーマンションを建設中。

キーワードを拾ってみると

  • 分譲19棟

  • 賃貸4棟

  • 約5600戸

  • 1万2,000人の街に

ファミリー向け物件が謳い文句で、たしかに「85㎡が最多」です。

東京都が主体となる市街地再開発事業による「新しい街づくり」なんだけど、5000戸以上のニュータウン開発なんて、ひさしぶりに聞きますよね。
さすが東京都。
人口減少なんて、どこの話だ。
究極の一極集中、人口もどんどん増えていて、いうなれば「一人高度経済成長期」を存分に謳歌しているわけでございます。

晴海フラッグを語るうえで外せないのが、こちらもご存知のとおり。
「激安の売り出し価格だった」ですね。
激安と言っても8,000万円くらいですが。
平均価格が8,000万円で、周辺相場から見れば激安なんだってよ(ヤケクソ・笑)

なんで激安で売り出せたのか。

土地の価格を押さえたからでしょう。
ちなみに晴海フラッグとなっている敷地は、もともとは東京都の公有地で、埋め立てなどで約540億円の公費を投入しての造成だった。

そこに、例の東京オリンピックでの選手村を建設することになった。
まずは建物(今のマンション群)の建設を急ぐ。
とにかく間に合わせないとね。

で、オリンピックが終わったあとの、よくある「負の遺産」になることは避けたい。
「東京オリンピックの夢の跡を消したい」というと、えらくかっこいいけど。
夢の跡が「いつまでも残る悪夢」と言われ続けるのも役人としてはイヤだろうしね。

ならば、激安で売っぱらっちまおう。
・・・身も蓋もないけど、たぶんそんなこっちゃないっすか。

もちろんマンション自体の販売主体は民間の大手デベロッパーで、番組でははっきり言ってないけど、おそらく都は土地代を激安にして彼らに卸したのではなかろうか。
一説によると相場の10分の1くらいだとか。
土地代が安かったので分譲価格も安めに設定できたというワケか。

なので完売完売の大騒ぎ

おかげさまで、オリンピックの夢の跡は、きれいに解消だ。
完売完売。
でも誰が買ったかと言うと、出ました、投資目的の法人ら。
転売ヤーのみなさんです。
相場より安い良質な物件→折からのマンション高騰という世情→転売益が見込める。
誰でもわかる。
賃貸によるインカムゲイン(家賃収入)も、とお考えの方もいるけど、ちょっとそれはどうかな。
のちほど軽く書いておきます。

かくして、「ファミリー向けの良質な物件で、家族が安心して生活できる新しい街」という理念は霧消し、大げさにいうと「カネの亡者らの巣窟」となったのでありました。

番組によると
分譲2690戸のうち、転売・賃貸491戸(5月末)
分譲2690戸のうち、943戸は住民票なし

だそうです。

どれくらい売りに出ているか、賃貸に出ているか

実際に調べてみました。
例の、業者が使うアレで。

まず「晴海5丁目」で検索してみたら125件。
業者のみなさん、「HARUMI FLAG」やら「晴海フラッグ」やら登録名称がバラバラです。

なので、うち「HARUMI」で106件。
「晴海フラッグ」だと10件。

最高値は2億円超え
最安値で9,000万円くらい
みなさん、安く買って高値で転売しようとがんばってらっしゃいます。
これ自体は通常の経済行為なのでどうということはないんだけどね。

次に、どれくらい賃貸に出ているか。

賃貸だと、晴海5丁目でなんと336件。
そんなにあんのかい。

HARUMIで300件
晴海フラッグで48件

業者によって『HARUMI FLAG SUN VILLAGE B棟(晴海フラッグ)』というような載せ方をしていたりするのでダブルカウントになっている。

賃料80万円(共益費4万円込み)から24万4,000円(共益費1万9,000円込み)という感じ。

でもさ、晴海フラッグって陸の孤島(埋立地の孤島という言い方もあるみたい)なので、交通の利便性がね。

転売利益を狙って、つまり、一発当てようと山っ気をもって晴海フラッグを買った「転売ヤー」は、まぁいいとして、「賃貸で収益を」というようなことは、ちょっと考えたほうがいいかも。

というのも、賃貸の人って、なんだかんだやっぱり「利便性」を重視しますもんね。
とくに「所有したくない」「しばられたくない」「人生はタッチ&ゴー」という、今どきの面々だと、より一層、そうかもね。

これから長く続く「不確かな時代」を生き抜くためには身軽さが命だ。
逃げ足も確保しておきたい。

となるとだ。
そんな交通の便がどうのこうの、相場に引っ張られて高値の家賃のとこにどうのこうのというような物件や場所じゃなくてもさ。

たとえば、品川プリンスホテルのイーストタワーで1ヶ月20万円くらいだから、持たない生活&便利な生活をしたい人は、究極の賃貸物件「ホテル暮らし」がいいんじゃなかろうか。

だってさ。
清掃・ゴミ回収も勝手にやってくれるし(ホテルだもんね)、リネンの交換も勝手にやってくれるし(ホテルだもんね、しつこい)、タオル交換に至っては毎日だ(ホテルだもんね、くどい)。

なので、個人的な見解として、晴海フラッグでインカムゲイン(賃料収入)を狙うにはちょっと厳しいのでないかと。
家賃が高いので借り手がつかない。
そもそも物件価格が高騰してて、それに引っ張られての家賃だから、どうしても高値にするしね。
どうなんだろうか。
なので、「収益物件として」というようなセールストークはNGかもしれん。

ではさきほどの転売ヤーのみなさん、キャピタルゲイン(転売益)狙いはどうか。
これもさ「高値でも買う=価値があると思っている」という人がいるうちに仕掛けといたほうがいいかもしれない。

正直なところ、転売ヤーのみなさんの心配ごとは「いつ値崩れするか」なんじゃなかろうか。
つまり、不動産ブームが去る日、東京の不動産バブルが崩壊する日はいつか。

日銀が金利を上げた瞬間、ではなかろうか。

投資マネー(投資目的で買った人たち)も動揺はあるだろうが、もっと露骨に動くであろう投機マネー(完全にマネーゲーム)の連中は、ブームの陰りが見えた瞬間、あっという間に引くだろうからね。

・・・ってういうか、この空気感、どっかで味わったなーと。
ヒリヒリ感というか。
そうなんです。
平成4年ごろ、ワタクシが20代後半で体験した不動産バブル崩壊の瞬間の、そのときの空気感(ヒリヒリ感)に似てるかなーと。

RCサクセションの「雨上がりの夜空に」の歌詞に

こんなこといつまでもぉ〜
長くは続かなぁ〜いぃ〜
いい加減明日のことぉ〜
考えたほうがいい

RCサクセション「雨上がりの夜空に」

ってあるでしょ。
当時のオレたち(←若い衆(粋な感じで「わけーし」と読んでね)だった)も、夜な夜な世の中を遊び回りながらも「でもこれっていつか崩壊するよね」といいつつ、清志郎さんのシャウト歌唱をマネて、この歌詞の部分をノー天気に歌っていたのでありました。

あはは〜\(^o^)/

あのとき、オレたちの世代だと、不動産バブルが崩壊しようか経済がどうなろうが、じつはあんまり「知ったこっちゃない」状態だったが。
あ、オレたちはなにに関心があったかと言うとだ、まことに身も蓋もなくて恐縮この上ないが、ジュリアナのお立ち台のホディコンだ。

みなさんもいっしょに予想しましょう。

まぁこれも遊びの範疇なのですが、みなさんもいっしょに「不動産バブルの崩壊時期」「マンションの投げ売りがはじまる時期」を予想してみませんか。

もしよければこちらのフォームで「値崩れ時期、わたしの予想」という件名でお寄せください。

でね。
みなさんから寄せられた予想は、ある一定期間、ワタクシが厳重に保管しておきます。
そして、実際に投げ売りが始まった時期以降、「答え合わせ」をしてみたいと思います。

いつかなー。

そんなこんなで、今回はNHKオンデマンド「首都圏情報 ネタドリ! 追跡・晴海フラッグ なぜ“投資の場”になったのか」を視聴してからの現場取材で思ったことあれこれを記してみました。

最後までおつきあいくださいましてありがとうございます。

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