『数値化の鬼――「仕事ができる人」に共通する、たった1つの思考法』を読んだ感想•要約など。
著者は『リーダーの仮面――「いちプレーヤー」から「マネジャー」に頭を切り替える思考法』と同じ識学の安藤 広大 氏。この本も前著とセットで読むべき虎の巻でした。
事業責任者や経営者など、事業の数値に責任をもつ人はもちろんのこと。業務を遂行する上で大きなヒントになる一冊です。
特に私のように「数字が大好き!」というより、感性やらセンスやら、言葉にできない曖昧な何かに惹かれがちな人は、よりいっそう目から鱗かもしれません。
それでは『数値化の鬼――「仕事ができる人」に共通する、たった1つの思考法』から、特に気になった箇所を3つ抜粋して備忘録noteとします。
まず「行動量」にフォーカスする。
PDCAという言葉がありますが、識学ではPに時間をかけないとのこと。つまり計画を立てる時間(PLAN)をミニマムにして、その代わりD=DO(行動)にフォーカスするそうです。
するそうです、というか、これは私自身が最近腹落ちしてnoteも書きました。
前提をすっ飛ばしていましたが、「数値化とはPDCAを回すこと」という言葉が事前に出てきます。つまり、4つの要素すべてにおいて数値化を行い、それを繰り返すことで改善して成果を上げる。この前提に立ったときに、何より行動することが大事だよーという話です。
わりと近い内容を書いたと思うので、私のnoteもぜひ読んでみてください。
とりあえず「真の変数」を1つ決める。
つづいては、「真の変数」の話。いきなりなんのこと?と思う人がほとんどだと思いますが、これにも前提があります。
前提をまとめると、これです。
目標にもっとも貢献する行動をKPIとしましょう。
KPIを数値化しましょう。
このKPIが「目標のための目標」です。
KPIを達成するためには、変数を発見しなくてはなりません。
ここでの変数とは、「仕事の成果につながる行動のうち、自分の力で変えられるもの」のことです。
おことわりを入れると、これは正確な引用ではなく、私自身の意訳が入っています。ただ、おおまかな意味は通っているはず。つまりは、「KPIを達成するために必要な“改善可能な行動(変数)”を発見して、それを伸ばしましょう!」ということです。
ただ、この“変数”というのは厄介ですよね。「あ、わたしが変数です」と名乗り出てくれるわけではないし、発見するといっても簡単な話ではありません。
なので、著書の中でも以下のような繰り返しの行動が必要だと言われています。
最初、変数はたくさん発見してしまう。
一番重要な変数は何かを探し続ける。
とりあえず「真の変数」を1つ決める。
それが「真の変数」なのか、確認を怠らない。
個人的には「2」がけっこう大事かなと。一度「これだ!」と思った変数を変えたり、必要であればKPIを変えることって労力がいるし、並大抵のことじゃないと思うのです。正直、私は全然できていないです。ここ、がんばります(あ、“がんばる”じゃなくて、これも数値化しないと!)。
「自分ではコントロールできないこと」があることを認め、それについて考えない。
変数の説明で事足りるっちゃあそうなのですが、改めて大事なことなので。
変数とは、自分の力で変えられるものと書きましたが、裏を返せば「自分ではコントロールできないこと」は変数ではないと言うことです。
このnoteでも、以下のように書きました。
世の中には大きく2つのことがあり、それは、自分の力でコントロールできることと、できないこと。後者については考えない。これが徹底できれば、成果を出すための変数に力を入れられますし、何より精神的にとてもヘルシーです。
これ、とても大事だと思います。
感想というか、よもやま
対極にあるものを理解する(あるいは理解しようとする)ことで、より双方を深く理解することってあると思うんです。
たとえばニューヨークに行って帰ってきて、東京の良さを知る、みたいな話です。
あと、すこしニュアンスはちがうけど止揚とかアウフーベンと呼ばれる、AでもBでもない、一次元上のCを発見することでABを内包する新たな解を得るみたいな話も然り。私は個人的に人生のテーマに、この辺りの話を設定してみたりしています(ex. Vannのテーマは、「境界線を深耕する」)。
そんな感覚をたずさえた私が本書を読んで思ったことは、数値化を極めれば極めるほど、より数値化がむずかしい感性やらセンスやらアートやらの要素がクローズアップされるんだろうな、ということ。そう考えると、どうでしょう。数値化に対してアレルギーがあるあなたも、「お、数値化してみようかな」となりませんか?
・・・むむ、なりませんかね。私はなりました(ぜひ一緒に)。
ありがとうございます!好きな本を買うか、旅に出ます。