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パリ2024自転車ロードレース男子

割引あり

先週の土曜日に行われたパリ2024の自転車ロードレースをTV観戦しました。

https://olympics.com/ja/paris-2024/sports/cycling-road

自転車ロードレース男子はパリ市内をスタートしてパリの郊外を周り、再びパリの市内に帰ってきて、最後は「モンマルトルの丘」を含む18.4kmの周回を3周してフィニッシュする273km。細かいアップダウンが多く、最後の周回のモンマルトルの丘からサクレクール寺院に向かう平均勾配6.5%で1kmの石畳の登りは、今大会の1番の勝負所となりました。こんな市街地でロードレースが行われるなんて夢のような話です。

自分は東京2020でレースの隊列の車を運転する機会に恵まれて、実際に当日レースコースを走りました。東京の区間は街中だったので人がとても多く、東京でも都内でレースが行われれば、パリと同じくらい、もしろそれ以上の人がレースを観戦したんじゃないかなと思いました。東京も坂が多いので、パリのようなコース取りもできそうですが、交通規制をしてしまったら都市機能が止まってしまうので、そんな簡単な話でもありませんが。

引用:olympics.com
引用:olympics.com

オリンピックは世界選手権と違い各国の枠数が少ないです。
国別ランキングで枠が振り分けられており、
1位〜5位   4人
6位〜10位   3人
11位〜20位 2人
21位〜45位 1人
で、さらにそこに世界選手権優勝者、大陸選手権優勝者が加わります。東京までは最大5枠だったのですが、このパリ2024からは男女ともに同じ参加人数にするというルールに変わり、男子は人数が大幅に減りました。この変更もレース展開に大きく影響したと思われます。

ロードレースは各チームの人数が物をいう競技で、1人だと展開を変えることができず、2人だとようやく作戦が作れるが心許なく、3人でようやく牽引までできるようになって(とはいえ牽引できるのは1人だけですが)、4人いればかなり作戦の幅が広がります。今回のレースを見ていると結果を出すには国別ランキングで上位に入っておかないといけない、と言わんばかりに感じられました。ただ人数が多いと展開を変える力があるので、周りのチームから頼られてしまうので、多いからこそ先手先手の展開も必要になってきます。いつものチーム戦のようにドンと構えていられないのがオリンピックの難しさでもあります。

今回の下馬評ではベルギーが本命と言われていました。ツールドフランスで活躍したレムコ・エヴェネプール選手を始め、ワウト・ファンアールト選手、イェスパー・ストゥイヴェン選手、ティシュ・ベヌート選手という構成。対抗がマチュー・ファンデルプール選手を擁するオランダですが、ダーン・ホール選手とディラン・ファンバール選手の3名での出場だったのでベルギーに比べると数的不利は否めませんでした。そこに他の4名出場のフランス、スロヴェニア、イギリス、デンマークがどう絡んでくるか。また、最終段階まで先頭にいることができれば、人数の少ない国でも強豪国の潰し合いの合間を縫うことができるので、どれくらいの国が虎視眈々と狙っているのかも注目でした。

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