産業用3次元センサについて
こんにちは~組み込みエンジニアの滝象540です。
産業用3次元センサは製品の立体的な形を測定でき、製品の検査、整列・梱包、組み立てなどで使われています。用途自体はGigEカメラと同じですが、立体的な形の情報がないと行えない作業で3次元センサが使われています。
産業用というよりは、研究開発中の試作用ですが、Intel製3次元センサRealsenceが良く知られていますね。
工場で3次元センサを必要とする用途は多いはずですが、GigEカメラほど普及していない印象です。何でですかね?自分なりに考えて見ました。
・通信規格の整備はあと一歩
・データ形式の規格整備が不十分
・計測方式が色々ありすぎて専門家でないと選べない
・3次元センサが高価
通信規格の整備はあと一歩
3次元センサはイーサネットやUSB3.0でパソコンと通信します。「基本的な通信はGigEカメラやUSBカメラと同じで、そこに3次元センサ固有の通信が追加されている」というパターンが多いと思います。
3次元センサ固有の通信はメーカ毎に違います。共通規格まであと一歩という感じです。
データ形式の規格整備が不十分
3次元センサから出力される形状データは、メーカ共通のフォーマット(形式)はありません。
ポイントクラウドという標準的なフォーマットがありますが、データサイズが大きくセンサからパソコンにポイントクラウド形式でデータを送ると、データ転送に時間がかかり過ぎます。そのため、「別の形式」でデータをパソコンに送り、パソコン側でポイントクラウド形式に変換しています。
この「別の形式」が厄介です。
この「別の形式」は、センサメーカ毎に違います。そのため、3次元センサ毎にパソコン側にデータ形式を変換するソフトが必要です。その上、「別の形式」の詳細が非公開の場合もあります。3次元センサを使う前に、心が折れそうです…。
データ形式が共通になると、一つのパソコンソフトでどのメーカの3次元センサでも使えるようになり更に使い勝手が良くなると思います。規格団体の皆様、よろしくお願いします!
計測方式が色々ありすぎて専門家でないと選べない
計測方式もTOF、LiDAR、ランダムドット、位相シフトなど色々あります。今のところ群雄割拠な感じで、どの方式が優れているということはなく、計測方式毎にメリット、デメリットがあります。
計測方式によって向き不向きがあるので、用途にあった方式の3次元センサを選択する事が大切です。計測方式の違いに加えて、同じ方式の3次元センサでも性能に差があるので、結局のところ、実際に3次元センサを使って評価するのが確実です。
3次元センサが高価
GigEカメラと比べると、かなり高価です。そのため、入念に下調べをしたり、センサを借りて事前評価したりして、購入を決めるケースが多いように思います。また、形状データの処理には高性能なパソコンが必要になるので、その分も費用がかかります。
イラストは
イラストは妻に描いてもらいました。良かったら妻のnoteを見て行ってください。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?