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GigEカメラのコネクタ

GigEカメラのコネクタは、RJ45、M12 Xコード、iXの大きく3種類あります。それぞれの特徴が違うのでまとめておきます。

RJ45

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殆どの人が思い浮かべるイーサネットケーブルについているコネクタです。家庭やオフィスで使われているパソコン、ハブ、ルータはこのコネクタですが、コネクタの名前が「RJ45コネクタ」ということを知っている人は少ないようです。

抜き差しが簡単、沢山の通信機器で採用されている、安い、どこでも手に入る、速度を気にしなければ自作も可能なお手軽なコネクタですが、デメリットもあります。

デメリットの1つはコネクタのサイズのばらつきが大きいことです。安いことの裏返しではあるのですが、接触不良が起きやすい、挿入の遊びが大きいのでコネクタが通信中に動く、といったことが起きます。コネクタが動くと色々な現象が起きますが、典型的なのは通信速度が低下することです。

もう一つのデメリットは、防水性能、防塵性能がないことです。防水とか、防塵とか、産業用カメラに必要なのか?と思われるかもしれませんが、とても大切な性能です。産業用カメラはレンズ下向きで使われるケースが多いので、コネクタ面が上になります。カメラを長期間使っているとカメラの上面つまりコネクタ付近には埃が堆積します。この埃がコネクタ部分からカメラ内部に入り込んだり、湿気を吸ってコネクタを腐食したりすると、カメラが壊れてしまいます。

このコネクタは、そもそもオフィス環境用なんだろうなと思います。元々想定されない環境で使うので不都合が出てしまっている感じです。

M12 Xコード


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防水タイプのコネクタです。M12 Xコードは1000Base-T用のイーサネットケーブルで使われています。100Base-T用はM12 Dコードだったりします。主にヨーロッパの産業用カメラメーカで採用されていて、国内メーカでは見かけません。

勘合部分がM12のネジになっていて、8本のピンを十字に仕切る溝があります。この溝をアルファベットのXに見立ててXコードと呼んでいるようです。ピン数違い、溝形状違いで、Aコード、Dコードなどいろいろなコードがあり、電源ケーブル、イーサネット以外の通信ケーブルなど様々な用途で使用されています。

挿抜は大変ですが、きちんと勘合すればケーブルが動いても通信が乱れることはありません。防水、防塵もばっちり、ごつくて耐久性も高いです。

産業用途においてデメリットが無さそうなM12 Xコードですが、そうでもありません。まず、この「きちんと勘合する」というのが曲者です。勘合時に8本のピンと穴を合わせて挿入するのですが、ピンも穴も壊れやすく曲がった状態のままM12のネジを締めると簡単に曲がってしまいます。曲がってしまうと通信が安定しないのですが、外からは見えないので原因の特定に苦労する場合があります。

後、もう一つのデメリットは高価ということですね。まあ、これは仕方がないかなという気もします。

iX


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ヒロセ電機とハーティングが共同開発している、新進気鋭(?)のコネクタです。非防水ですが、産業用途で使うことを想定した小型で密集配置が可能なコネクタです。

なんといっても、小型であることが魅力のコネクタです。特にケーブルを挿し込む側のコネクタがとても小型で、ハブなどを小型化できます。振動に対する耐性を上げるためには、小型化・軽量化が必須なので可動部分で使う危機にとっては魅力的なコネクタです。

ただ、できてから日が浅いためあまり対応機器が多くないのがデメリットです。

あんまり、使ったことがないのでコメントが少ないです。(スイマセン)


イラストは

イラストは妻に描いてもらいました。良かったら妻のnoteも見に行ってください。


最後まで読んでいただきありがとうございます。


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