ペイシェントボイスカフェ(腰椎椎間板ヘルニア・下肢静脈血栓・高血圧症)

【日程】
2023.9.3

【ゲスト】
菅原 豊太郎さん

【イベント紹介】
患者と医療を繋ぐ活動の一環である。
薬剤師他、医療関係者が患者さんの実際のお話しを聴くことで、患者視点や想いを知り、臨床における薬剤師の発想を広げてコミュニケーション能力向上へ繋げていただくことを目的にしている。
また、参加者同士の交流の場としても機能している。


自己紹介

先月39歳に
生まれは東京都足立区
1-2歳くらいに埼玉県草加市にお引っ越し
歯科医師として勤務
趣味は旅行、農業もやりたい

2021年より高血圧症
2023年に腰椎椎間板ヘルニア>入院手術、運動麻痺のため下肢に静脈血栓ができた

患者になった大病院に入院した全身麻酔で手術した
経験を全てお話しします。
医療従事者でもあるが、患者さんの立場になって
「こういうことが困るのだ」と身に染みた部分があった
>医療従事者と共有し、【気付き】を経て臨床現場に向け患者さんが医療を受けやすくなってもらえたら!

【腰椎椎間板ヘルニアとは?】

人口の約1%が罹患(割と広く知られている)
0.05%が手術を受ける>腰やお尻、足に痛みやしびれ
背骨があり、椎体と椎間板が交互にあり、どこが出っ張るかで症状が変わる
髄核が飛び出て神経などを圧迫する

検査:MRIやCTなど
腰が痛い→手術するというイメージだった
20人いたら19人は保存療法(手術を選択される人:➀運動障害、保存治療でも痛みが持続、尿や便が出にくい)
➂は緊急手術
2-3ヶ月で自然治癒

【治療経過】

今年の1月3日
急な腰痛→少しすると痛みは引いてきた
 ▼
放置>4ヶ月の間は日常生活で忘れていた
 ▼
5月3日、3連休初日
昼寝から起きたら、目が覚めたら激痛(起き上がれず、痛くて動けない)
トイレに行きたくないから、飲食物を1日半絶食
翌日4日立ち上がれたので、休日診療している整形外科へ

5/4にAクリニックへ
>腰椎椎間板ヘルニアです、と診断
>ヘルニア大きいから手術だね~と(落胆した)

5/6にBクリニックへ
>どうにか保存療法へ相談したら、保存療法でやってみようか、になびく私

内服
メコバラミン、ノイロトロピン、ワントラム、プリンペラン、スインプロイク
その後、プレガバリン(Bクリニック)

翌週:
腰痛はほとんど感じなくなる
右足のしびれ、運動麻痺が出てきた
右足を出しても、左足を右足の位置まで出せない(いわゆる引きずって歩いている状況)
通勤途中で痛みが出て怖い
当たり前の【歩く】ことができなくなった>怖い、という感情が出てきた
家に帰るのが怖かったので、診療室に寝泊まりしたことも
高齢の方も多いと思うが、自分の診療室にどういう思いで来てくれているのかと思った(ありがたく思った)
患者さんの歩き方を見るようにもなった

Bクリニックへ通った
2週間前と比べ、足の動きがおかしい(理学療法士からお話し)
もしかしたら手術の適応なのかもしれない、と
このときには、全然治る気配もないし、もう手術なのだろうなという気持ちだった

中殿臀筋」がとても弱っている=手術と言われる
右足が全く上がらず
MRI、レントゲン撮影>ヘルニアが巨大だと

オペ室のコンディションが一番良いから今日オペをやらないか?と>2時間後手術に
生理機能検査:
足の血栓がはんぱないと>足が麻痺して動いていなかったため
手術は3時間半
(5つの管に繋がれた>こんな感じなんだな、という想い)
(血抜きの管>何となくじわじわ背中が痛い、着替えや寝返りの時が地獄)

足の症状
術後から入院期間中
痺れが半分以下に
必ず廊下の手すりにつかまって運動

退院後1週間療養期間
左手に杖>すごく自然に歩けます(理学療法士と相談して)

仕事復帰
だんだん良くなってきていることを実感
杖を持っていると、皆さん避けてくれるから助かる
7月に入ってから、運動機能自体はあまり気にならなくなった

退院後
○禁止事項➀
前かがみ:またヘルニアが飛び出してしまうから
落としたものが拾えない
>跪くか、マジックハンドやトングの使用を
 ▼
かがめないから、趣味の農業もストップに

○禁止事項➁
座り込み:体重が腰にかかるから
(椅子ならOKだが、低すぎる椅子はNG、深く沈み込むソファもNG、浴槽もNG、あぐらや正座もNG)
(茶道もNG)
>座り込みできないことがやっかい

○禁止事項➂
その他:自転車(一番腰に負担がかかる、と)
スポーツ禁止:野球やゴルフ6ヶ月
風呂以外、コルセットを3ヶ月着用(腰が曲がらないように)
腹筋など筋力が弱くなるので、それ以上はコルセット外す
2kg以上のものを持たないように(ほとんどものを持つな、と言われているようなもの)

【薬剤師との関わり】

~病院薬剤師~

担当制で1人(8日間の入院で3回くらい)
初回:薬の説明
血栓→リクシアナ
血圧→バルサルタン20mg(採用品が40mgで半錠に)
疼痛→アセトアミノフェン200mg(毎食後・寝る前 2錠ずつ、結構出るな、と感じた)
>担当の人は歯科医師であることを知っていて、自己調節しても良いと言われた
>寝る前はほとんど飲んでいなかった

リクシアナ
>抜歯するとき、ちょっと緊張する
まさか自分が飲み始めるとは思わず、落胆した
今は血栓がないので、飲まなくなった
 ▼
最初の1錠飲んだあと>何となく頭痛が・・・、術後の発熱、ふらふらする気がする(眠くなっているだけ)
 ▽
指導せんのおかげで
お通じで赤く滲んでいた
腸管出血>黒色便(鮮血便なら少し違うよ、と)
薬剤師の説明で安心した

退院するとお酒OK
>飲み忘れて寝てしまった
 →気付いたときにすぐに飲む
バルサルタンと一緒に飲んだりした(指導せんのおかげで2回分を一緒に飲むことを避けた)

~薬局薬剤師~

薬局薬剤師1
リクシアナ
→胸が苦しいんですか?
 >狭心症かと思ったのだろう(怪訝な顔をしてしまった)
血栓の説明をしたが???みたいなリアクションだった
患者との対話において、もう少し話しを聞くというところをした方が良いのではないか

薬局薬剤師2
バルサルタン
うちにはディオバンしかありませんと言われた
>シートの大きさや色の違いに不安になった
本当に同じものを飲んでいるのか!?と不安になった

【質疑応答】

○ご家族とのお話。突然のことで、どう家族お話しをして理解を得られたのか?
 ▽
妻、長男(2歳)と暮らしている。激痛の時は、ひたすら叫びました。ヘルニアの事情を説明し、育児を任せてしまった。今妻が妊婦なのに、落としたものを拾ってもらうなど、非常に情けなく申し訳ない気持ちで一杯だった。

○抜かれた血は、自己血に回す?
 ▽
抜かれた血がどうなったかは分からない。今度聞いてみる。

○半錠を出されてそれでも良いのかな?同じ薬でも大きさなどで不安になった、と。結構そういう不安はどのくらい起こるのですか?
 ▽
まず薬剤師さんからの説明は丁寧にあったのは前提。初めての入院で神経質になっていたのもあるかもしれない。バルサルタンについては2年以上同じものを飲んでいたのに、PTPから出したときが違って、違うものを飲んでいる感覚・印象があった。そんなに気になるかと言われると、そのときは気になったが、一週間もすればそんなに気にならなくもなってきた。

○ぎっくり腰を3度経験している。ものを取れなかったり、這っていけなかったり。椎間板ヘルニアとの区別は?
 ▽
ぎっくり腰とヘルニアの違いまでは分からない。
ぎっくり腰は腰の捻挫、椎間板ヘルニアは神経圧迫による痛みやしびれなので全く違うモノです(参加者より)。

○痛み方はどんな痛みの違いがあるのでしょうか?
 ▽
バーンと来る痛みでした。動けない、という感じ。

○職場の方はどう整えた?
 ▽
手術になるだろうなという雰囲気があった。頼みのBクリニックでも言われたから、患者さんの引き継ぎはした。自分が戻ったらやりますリストや歯科衛生士に振れるものは振ったりした。最低限の仕事の振り分けはしました。

○いろんな姿勢がダメという話しはあったけれど、ついやってしまうことはあると思う。資料で制限リストはもらった?
 ▽
資料はもらった。一覧表をもらった。

○今の状態は?
 ▽
外出や、階段の昇降は問題ない。体の元々の堅さはあった。今も定期的にリハビリには通っている。ふくらはぎの症状が強い。筋力が弱っているので、片足立ちして延びて下げて、アキレス腱伸ばしなどをやっています。腹筋や背筋もコルセット解除になっているので、開始しています。
ダイエットは夕飯の炭水化物を減らし、タンパク質を増やした。


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