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さて【お金】の話をしようか:双極性障害

僕は28歳の社会人です。
23歳のときに双極性障害Ⅱ型を発症し、今もこの病気と付き合っています。

・過去note:闘病記録 ま と め


そんな中、僕が闘っていたのは、
【病気の問題】だけではなく【お金の問題】です。

僕はこの病気と付き合う中で、
銀行残高は306円、所持金は245円という状況まで
経済的に追い込まれたことがあります。

①お金が体調にどう影響したか
②僕が使った社会制度

この2点について記事に残しておこうと思います。

赤裸々にリアルに。

※制度だけ確認したい方はまで飛ばしてください。

■継続して働けない。だから貯金がない。

12月の寒い冬、障害起因で体調悪化。退職。
収入が無くなりました。

何回繰り返すんだろう。

再発は4度目、休職は3回、転職は1回。
継続して働けた期間は、最長で8ヶ月。

休職・退職するたびに
貯金を切り崩して生活してきました。
故に、貯金は本当に僅かでした。

貯金がない僕は、収入を失えばすぐに経済的に困窮します。


家賃・水道光熱費・通信費・・・
固定費を払い、あっという間に貯金は底をつきました。

交際費も無ぇ。

『気晴らしに食事行こうぜ!』

お誘いありがとう。でも、そんな余裕はない。

次第に友人の誘いを断ることも申し訳なく感じ、
誰かと連絡を取ることすら当時は苦しく感じました。


食費も無ぇ。

食材を買う余裕もなくなり、
ほぼ毎日白米だけで生活する日が続きました。

これはまだ良かった。

しばらくすると、お米も無くなり、
1斤98円の食パンで数日過ごす、
海苔をゴマ油で焼いて食べて過ごす、
何も食べない、みたいな日が増えました。

最初はうつ症状が重く、食欲もなかったので気にならなかったのですが、
回復し食欲が出てくると、常にお腹が減っていて
本当に辛かったです。

精神疾患は脳の機能に起因する病気、
脳はもちろん「栄養素」が足りないと十分に機能しません。

回復のためには「栄養」が必須なのです。



通院費も無ぇ。

※!!大事!!※
これは、
『自立支援医療制度』など
を使えば回避できたりします。


みなさんは絶対に活用してください・・!
支える方も是非知っておいてほしい知識です・・!

https://snabi.jp/article/107

運動不足・栄養不足に陥ると、【思考力】が鈍り、
(ただでさえうつ症状も出ているのに)
冷静な情報収集や、行動選択ができなくなってきます。

通院日が来ましたが、
『あぁ、交通費すら無いや。もうダメだ。終わりだ。』
と、速攻で諦めモードになってしまいます。

闘病で最も大事な【服薬】がここで途絶えることになってしまいました。
(これが原因で治療が長期化します)


安心感なんてあるわけ無ぇ。

翌月の家賃はどうしよう。
いつ水道ガスが止まるだろう。
スマホ代が払えなくなったら連絡どうしよう。
奨学金の返済ができてない、取り立てとか来るのかな。

毎日が不安で不安でいっぱいでした。

”夜ベッドに入ると”
この不安はピークに達し、
心臓がドクドクと強く脈打ち始めます。

動悸が激しくなり、
不安が高まり、
様々な過去の記憶や、
様々な未来への想像がよぎり
感情が昂ぶってきます。

とにかく苦しく、
とても眠れるような状況ではなくなります。

夜を迎えることが怖くなり、
ベッドに入らず、
面白いYoutubeを見続けて、
”眠ることから逃げる” こともよくありました。

当然ですが、生活サイクルが狂い始めます。
僕も1ヶ月ほど昼夜逆転気味の生活から抜け出せなくなりました。

俺ぁこんな人生嫌だ。


これまでの闘病で病識が深まっているからこそ、
『自分が現在どれほど回復から遠い場所にいるのか』
自分が一番よくわかっていました。

【睡眠】【栄養】【運動】【服薬】
寛解に最重要なこの4要素が全て狂っている。

解決に向けての能力も、お金も、手元にない。

『あぁ、あんなに頑張って積み上げた生活を、
 僕はこうして失い続けるんだ』

『もう無理だ』
『もう、いいや』
『もう、、、闘えない』

ここまでやってくると、いわゆる希死念慮に近いものが出てきます。
まぁ僕はそんな勇気もないので、
結局よぎって終わりなのですが。

でも思い返すとやはり危ない時期でした。
よく踏みとどまった、と褒めてあげたいです。

つらかった。
でもよく耐えた。


■お金問題を解決しよう

体調悪化のピークを超え、
ようやく情報収集ができる脳の状態に戻ってきました。

お金問題をなんとかするために、
僕が今使える社会制度を調べはじめました。

ここで全てをまとめるには膨大すぎますが、
少しでも参考になるようにご紹介します。


■失業手当(保険)

【概要】
離職した人が”再就職するため”の支援制度です。

「就労への積極的な意思がある」
「就労できる心身の状態である」人が受給対象です。

※僕は後者を証明するために医師の就労許可書が必要となりました。

【金額】

退職前給与の50%~80%くらい

【受給までのプロセス】
ハローワークで申請→認可→支給 というプロセス。す
・申請から認可に約1ヶ月。
・認可から支給に早くて1週間、ながくて3ヶ月。

※つまり、早くても1ヶ月位はかかると考えたほうがいい。

【期間】
短くて90日、長くて300日

【その他】
障害を持っていると『就職困難者』という適用を受けることが出来、
適用されると期間が300日まで伸びます。
(診断書が必要)

■自立支援医療制度

【概要】
継続的な治療が必要な方のために、
治療に掛かる医療費を軽減する公的な制度です。

【金額】
医療費、薬代が1割負担になる
上限額以上は支払いが免除される
※申請時に登録した病院・薬局のみ適用される

【期間】
更新月に更新すれば継続利用可能

【受給までのプロセス】
役所で申請→その場で認可→その日から使える
※医師の診断書等が必要

【その他】
申請さえ終わればすぐ使えるものなので、
早く活用されることを勧めます!

■障害者手帳

【概要】
障害を持つことの証明になるもの。
様々な福祉サービス、社会サービスを受ける際や、障害者雇用枠で仕事を探す際に必要です。

【メリット】

様々な社会的メリットがあるのですが、
お金に関わる代表的なものを掲載します。

・交通費の割引(JRやバス、航空機など)
スマホ代の割引
・NHK受信料の免除
・公営住宅の優先入居
・様々な税控除
・ディズニーランドのチケット割引
 etc….

【受給までのプロセス】
役所で申請→認可と交付(約3ヶ月)

交付まで時間がかかる・・!
活用するなら早めに!

【その他】
・手帳があると『障害者雇用枠』での転職活動が可能になります。
働く環境の選択肢が増えます!

■生活保護制度

※僕は生活保護を受け、負のスパイラルから脱出しました。
 消費者金融などから生活費を工面する前に検討するべきかと思います。

【概要】
健康で文化的な最低限度な生活を守るため、
生活に困窮したとき(理由は問わない)、困窮の程度に応じた必要な保護を行う制度。

【条件】

※受給には審査があります
受給条件はかなり細かいので詳細はリンク先を見てください。

【金額】
◯支給額は事情によりかなり異なります。
僕の場合は退職前給与の50%ほどでした。
他に手当等を受けている場合、必要分だけが支給されます。

◯その他のメリット
・医療費・薬代が自己負担なしになる
・水道基本料金の免除
・粗大ごみの処分費の免除
・公営住宅の使用料減額、共益費の免除
・転職活動に関わる交通費の支給
・様々な減税、免税
 etc…

【受給までのプロセス】
役所で受給できるか確認→申請・認可→支給

※僕の場合、申請日の翌々日に認可され支給を受けました。

【その他】
受給条件を満たすか、申請時にかなり細かく確認があります。
申請用紙の記入も大変で、僕は申請に2時間程かかりました。

加入している保険や、親族の状況など、
プライベートなことも包み隠さず申告する必要性があるため、
どんな情報が必要か、役所にまずは電話で確認しておくことをお勧めします!

◯正直、申請には心理的抵抗があったのですが
僕が行った役所では、とても真摯に対応してくださり、
自然にプライベートな情報を話すことができました。
(担当者さんには守秘義務があります)
失業手当よりも支給までがかなり早く、
もっとはやく相談すれば良かった・・・と思っています。


■最後に


【お金】も心身の健康を支える大事な要素です。
僕はそれを身をもって経験しました。

お金はとってもとっても大事です。

日本は、お金に困窮した人を支える社会制度が沢山あります。

知識さえあれば、
自分の身を、大切な人の身を守ることが出来るかもしれません。

知識がないだけで、
失っている健康があるかもしれません。

自分の経験が誰かに役立つことを願って。




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