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今ここに心が在る

昨日の夜はなかなか眠れなかった。

理由は、朝遅い時間に起きた上に一日中家でゴロゴロして、おまけに昼寝までしたからだとわかっていた。

YouTubeで、寝る前の瞑想を流しながらやってみた。
実践しながらすっと眠りに入ったのだが、動画が終わる頃になぜか目が覚めた。

もうこうなったら翌日の予定が楽しみでワクワクして眠れないんだと思い込むことにした。

予定というのは、ずっと楽しみにしていた初ミュージカル観劇のこと。

結局布団に入ってから3時間後くらいには眠っていたと思う。

そして今日ついに、はじめての帝国劇場、はじめてのミュージカルへ行ってきた。 


電車が少し遅れていて焦ったけど、建物の入り口には人がたくさんいてホッとする。

急ぎ足でお手洗いと飲み物を購入して、自分の席に近い入り口を確認する。

客席に入ると、管楽器や弦楽器の音が聞こえた。はじまるぞという感じがしてドキドキしてくる。

いよいよ、開演時間。

鳴り響く音楽、初めて生で見る俳優さんたちの演技に鳥肌が止まらない。
舞台上の世界にぐっと引き込まれていく。
背景やセット、演出も想像以上のものだった。

寝不足で途中眠たくなってしまうんじゃないかなんて思っていたけど、そんな心配は必要なく、あっという間に時間は過ぎて行った。

物語に入り込んで涙が出てくる場面もあったけど、一番心が震えたのは、観客の拍手喝采だったかもしれない。

冒頭で、主人公のソロが終わった後の拍手にゾクゾクした。
大人数の拍手を聞いたのはいつぶりだろう。

わたしも、周りに合わせずとも自然と手を叩いていた。曲が終わるごとに感嘆のため息をついた。

初めてのカーテンコールに涙しながら、初めてのスタンディングオベーションを送った。

うまく言えないが、わたしの心が今ここにあるということを強く感じる時間だった。

こんなに素晴らしいもの、もっと早く知りたかったとも思うし、今出会えて良かったとも思う。


世界中のエンターテイメントは憂き世の中で発展してきた歴史があると言うけれど、なるほどこういうことかと今日肌で感じた。
どんな時でも、こんな時だからこそ、エンタメが必要なんだと強く思った。


本当は、帰りにカフェに行ったり本屋に寄ったりするつもりだったけど、胸いっぱいの感動を一粒も落とさず持ち帰りたくて、空腹も忘れて真っ直ぐ帰宅することにした。

帰宅しながら電車の中で、忘れないうちにこの気持ちをこうして残しているわけだけど、うまく言葉にできていない。こんな言葉以上にもっともっとわたしは感動している。

帰りの電車を待つ駅で、近くに居た同じく観劇後であろうわたしと同世代の女性2人組が、「ほんとにいいもの観ると言葉が出なくなる」「わかるー!すごい。やばい。感動した。しか出ないもん。語彙力失う。」
と話していた。
わたしも心の中で、「それな。」と呟いた。




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