シングルマン観た話
家で映画を観るのって集中できなくて、わたしはちょっと苦手だった。
だけど、毎日家に居て外に出る気力もなくて、だけど何もしない罪悪感にも耐えかねて、いつもと違うことやってみるかということで、普段アニメか韓国ドラマしか観ないNetflixで『シングルマン』という映画を観てみた。
わたしは、映画、特に洋画には詳しくないので全く知らなかったけど、映画好きさんからしたら有名な映画なのかな?
というくらい、映画を知らないわたしが珍しく集中して映画を1本観ることが出来た記念として、感想を残しておく。
ここで早々にわたしの語彙力がバレるだろうけど、
この映画、すごくよかった。
突然の事故で恋人を失い、悲しみに暮れる主人公が自らの手で人生を終わらせようとする一日の話である。
「愛する者を失った人生に、意味はあるのか」
これがこの映画のコピーなのだけど、わたしは映画を観終わって、そもそも人生の意味を問う必要はなかったんだな。と思った。
映画に登場する人物はみんな他人とわかり合えない何かを抱えているように見えた。
そんな、孤独にも思える彼らが互いに交わることで、「人生の意味」を超えた輝きを生み出す。
そんなシーンで映像の彩度が上がるのが、主人公のくすんだ世界がにわかに色づくのを表しているようで素敵だった。
愛する人を亡くし、大きな喪失感を抱えていてもなお、生きていればそんな瞬間がある。
それはあくまで瞬間であり、そこに居続けたくても居続けることはできないのだが、人はその瞬間に生かされている。
論理的な「意味」ではなく、心が動く数秒間に。
全体的に静かな映画だからこそ、その表現が際立っていた。
映画初心者のわたしが、集中して観られて、感想を書いた今、改めてもう一度観たいと思っている。
綺麗な映像と、いちいちメモしたくなる台詞。
そうやって余計なものは削ぎ落として、物語の本質を真っ直ぐ描いてくれているから、わたしでもハマったのかも。
これは映画とは関係なく、わたし個人の話だが、休職する直前、心が弱りきっていたときは、今なら生きてても死んでてもいっしょだなぁ。とふと頭に死が思い浮かぶこともあった。
今でも、生きててよかった!ってほどの出来事はまだないけど、確実に、あのとき死ななくてよかった。とは思っている。
意味を超えた輝き、世界が明るむ瞬間は来るべきときに来ているはず。その瞬間に気付けるようにしておきたい。意味を考えこんでいる場合じゃない。
って、ポジティブっぽいこと言ってみた。
実際やるのが難しいことこそ、わたしはこうして文字にしている。
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