愛すべきコーヒー時間
先月お気に入りのカフェでお土産として買って帰ってきたドリップパックのコーヒーをようやく開けた。
なんだかもったいなくて、せっかくならなにか美味しいお菓子といっしょにゆっくり飲みたくて、飲むタイミングを見計らっていたら気づけば1か月近く経ってしまった。
ドリップパックといえば、外袋から出して、上の方をミシン目に沿ってぴりぴりとちぎりパックを開けたら、カップにあの簡易的なフックを引っ掛け、上からお湯を注ぐものだと思っていたけど、これはティーパックみたいにそのままカップに入れてお湯を注ぐだけのものだった。
あまり家でコーヒーを淹れないわたしは慎重になった。
外袋の裏面に書いてあった淹れ方に従い、まずは少量のお湯で30秒蒸らし、そのあと好きな量のお湯をいれて4分ほど待つ。
コーヒーに合う小洒落たカップが欲しいなあと思いながら待った。
いっしょに食べるお菓子は、仕事の日に昼食を買いに行ったパン屋さんで、ついでに買っておいたフロランタンとレモンケーキ。
母といっしょにコーヒーを飲もうと思っていたからお菓子もふたつ買ったけど、なかなか二人でゆっくり飲む時間がつくれないので、ふたつとも半分に切って母の分は別にとっておいた。
あんなに大事に待っていたコーヒーなのに、可愛いけれどこのコーヒーには合わないカップ、お菓子は昼食のついでに買ったもの、しかも半分に割ってぼろぼろ。
素敵なおうちカフェにはほど遠い。
味はさすがに美味しかったけれどカフェで飲んだよりも薄かった。これぞおうちコーヒー初心者。
YouTubeを観ながらたいして味わうことなくごくごく飲み干してしまった。
カフェにいると、本を読んだり、店内のいろんな音をbgmにしたり、ぼんやり考え事をしたりしながらゆっくりコーヒーを愉しんでいるけど、家だとうっかりしてしまったようだ。
やっぱりわたしは、コーヒーも好きだけど、カフェでの時間というものが好きなんだなぁと思った。
でも、お気に入りのカフェで買ったコーヒー。
これを家で飲むのを楽しみにしていた時間。
母と分けたお菓子。
説明書きをよく見ながら淹れるちょっとした緊張感。
悪くない。
カフェに行けない時に、かわりになってもそれなりに満足できるようなおうちカフェ環境を整えてみたくなった。コーヒーを淹れることから始まる朝に憧れるし。
というのは口だけで、結局わたしはカフェに行くと思うけどね。
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