雨上がりの散歩

窓をあけて外を覗くとこころなしか冷たい風を感じる。それから1分も経たないうちに激しい雨が降りはじめた。雷もゴロゴロと鳴っている。

我が家の犬はお構いなしに眠っている。

急いで家中の窓を閉めてまわる。

しばらくすると、外からの音が聞こえなくなり、日が差してきた。

もう一度窓をあけるとすっかり空気が冷たくなっていた。
犬の散歩へ行くことにした。
いつもより少し早めの時間だけど、また雨が降るかもしれない。今のうちに行ってしまおう。

わたしは部屋着から部屋着のような適当な外着に着替えて、犬には一応雨がっぱを着せる。雨がまた降りはじめるかもしれないし、降ってなくても泥除けになる。

かっぱを着せると犬のテンションが少し下がるのが伝わってくる。大丈夫、雨は降ってないよ。
励ましながら家を出る。

空気がひんやりとしている。
雨が降るとちゃんと気温が下がるのが、まだ真夏ではないぞとほっとさせてくれる。

犬は水溜りを上手に避けながら歩いているけど、地面は濡れているのでピチピチと音が鳴る。

大雨のせいか、外に出ている人はほとんどいない。いつもは子どもたちの声で賑やかな公園もがらんとしていた。
ひさしぶりに犬と公園の中に入ってひとりじめさせてもらった。
と言っても走り回ったりはせず、相変わらず水溜りを避けながらテチテチ歩くだけなんだけど。

夕陽が眩しかったけれど暑くなく、すきっとしていて気持ちよかった。空気が陽を浴びてキラキラしているように感じる。

犬の散歩中は余計なことを考えずにいるから頭の中が整理されていく感じがして、休職中はよくこの時間に助けられていたな。
だから、春の暖かい時は犬に行く先を任せて長く歩いてみたりして。

今日はひさしぶりにその感覚になった。

明日から少しずつ具体的に動いていこうと思っている。